不動産を手に入れるプロセスは、恋愛や結婚に通じるものがある。
日々の生活はもちろん、人生の多くを共に過ごす「不動産」という大事なパートナーを選ぶにもかかわらず、土地探しから新築、さらには中古物件に至るまで、その出会いは「運」や「タイミング」に大きく左右されるからだ。
しかし、そんな出会いに恵まれず、人知れず朽ちていく不動産がある。
地方の空き家である。
かつては賑やかだった地域の衰退に伴い、地方の築古戸建や商店、町工場など、買い手の付かない物件が空き家として放置される光景は近年、地方のいたるところで目にするようになった。
しかし、そういった空き家が増加する原因は、単に物件の所有者や地方の衰退だけではなく、不動産の流通システムそのものに原因があるのではないか?
このことを改めて痛感したのが、今回ご紹介する藤木哲也氏の著書「空き家幸福論」(日経BP)だ。
■仲介業者が扱いたがらない、空き家の現状とは?
藤木哲也氏は、横浜国立大学建築学科を卒業後、ゼネコンの現場監督、建築設計事務所、住宅ディベロッパー、不動産ファンドなど、現場に根ざした多彩なキャリアを経験したのち、2011年の東日本大震災を機に、不動産活用
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