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競売で、入札件数50件以上、築10年の大人気一棟物件とは!?

収益物件購入・売却/競売 ニュース

定期的に競売セミナーを開催し、日々、競売の相談を受けているドクターKである。今回、競売で公開されていた一棟マンションの競落事例をご紹介する。

今回、紹介する物件は入札件数が52件の大人気だった一棟物件を紹介する。

競売物件には、今回、紹介する入札件数が50件以上の物件もあれば、1件も入札がない物件もある。この違いは、入札者がその物件の価値や利益を見極め、価値ある物件には多く入札するため。

加えて、入札件数が多い物件は、競争率が高いため、落札金額も高くなる。そのため、競売のプロは入札件数が多くなることを想定し、ギリギリまで入札金額を精査し、勝負する。
過去、私の入札実績の中には数千円の差で負けて、落札できなかったことがある。正直、良くある話である。今回、紹介する物件を参考に、なぜ入札件数が50件以上あったのか?覚えて頂けたらと思う。

1.物件概要
(1) 周辺環境
物件は南関東にある比較的大きい都市である。この市町村の人口は約20万人である。都内への通勤は乗り換えなしに1時間以内で可能である。最寄りの駅から徒歩10分程度であり、便利である。
調べていると、この市町村は所在する都道府県の中で一番人口増加率が高い。住みやすく、人気があることがわかる。

(2) 物件概要
物件は、土地が138u、建物の延べ床面積が151u、築10年の2階建ての木造アパートである。外観は下記の通りである。モダンなアパートであり、一見すると鉄筋コンクリートのようにも見える。しかし、裁判所から公開された資料には木造との記載がある。物件は角地であり、日当たりも良く、立地条件も悪くない。

写真1
(3) 間取り、室内
1階と2階は同じ間取りであり、合計1K×6戸である。

以下、室内の写真である。築10年なので、比較的、綺麗な部屋である。部屋の管理状況は、裁判所の公開資料に懸念するような記載はなく、問題ないだろう。

写真3

2.物件詳細
(1) 賃貸契約の内容
裁判所の公開資料には賃貸契約の内容も記載され、以下、賃料である。裁判所の執行官が調査した時点の賃料合計は、14万1000円である。

空き室が3戸もあるので、賃貸ニーズがないのでは?と思われる方がいるかもしれない。しかし、競売物件では大家(債務者)がしっかりと募集していないケースも多々ある。そのため、空室があるから、賃貸ニーズがないと判断するのではなく、物件の立地条件や部屋の状況、近隣の状況などを踏まえて、判断すべきである。

仮に、満室時の賃料は、1階の賃料を4万5000円、2階の賃料を5万1000だと想定すると、合計28万8000円である。

写真4

(2) 関係者のコメント
裁判所の公開資料には、関係者のコメントが記載されている。以下、コメントであり、賃借人のみのコメントが記載されている。通常であれば、所有者(債務者)のコメントがある筈であるが、一切記載されていない。おそらく、執行官が連絡を取ったが、音信不通だったのだろう。

写真5

(3) 物件評価の金額
裁判所から依頼された不動産鑑定士による競売の基準価格は以下である。

1148万円

上記の金額は、裁判所から依頼された不動産鑑定士によって、査定される。この金額は、一般流通市場の価格よりも安く設定される。理由は、この金額が一般流通市場よりも高いと誰も入札せず、競売自体が成り立たないためである。

先ほど、満室時の賃料を計算し、28万8000円であった。もし、基準価格で落札できたら、築10年の物件が利回り30%である。そのため、基準価格が収益性を考慮すると、低く設定されていることがわかる。この基準価格なら誰でも欲しがるだろう。ゆえに入札件数が増える理由でもある。

3.落札結果
(1) 落札結果
落札金額は以下である。

3599万9999円

入札件数は52件であり、法人が落札している。この落札金額を見る限り、法人の会社内で、この競売物件の入札金額を計算し、3600万円という上限が設定されたのだろう。そして、担当者がギリギリの価格で入札し、落札したのだろう。

(2) 利回り
利回りは、裁判所から公開された賃料が継続可能であり、かつ、満室になったと仮定すると9.3%である。
家賃 28万8000円/月
落札金額 3599万9999円
諸費用 100万円(裁判所へ代金納付する際の諸費用(登録免許税など))
利回り 9.3%

4.最後に
今回、入札件数が52件という大人気の物件であった。その理由の一つは、収益性を考慮し、基準価格が非常に低く設定されていたためである。築10年のモダンなアパートが利回り30%で手に入るなら、誰でも欲しがるだろう。

しかし、競売市場もそんなに甘くはない。業者は、売れる価格を精査し、自分たちの利益を計算し、入札する。そのため、このような物件を落札するためには、基準価格で計算するのではなく、近隣の一般市場の物件価格を調査し、業者がいくらの利益を想定し、幾らなら落札できるか計算することがポイントである。

執筆者:ドクターK

【プロフィール】
「不動産セカンドオピニオンサービス合同会社」所属。競売コンサルタント。年に数十回の入札を行い、数件落札。競売をやりたい初心者向けに毎月競売セミナーを開催し、競売のノウハウを伝授。執筆活動も行い、著書「はじめての競売」に一部寄稿。

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