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利回り20%超えだとすると…。「競売物件」と「一般流通市場の戸建賃貸」、どこが違う?

収益物件購入・売却/競売 ニュース

定期的に競売セミナーを開催し、日々、競売の相談を受けているドクターKである。今回、競売で公開されていた戸建の競売事例をご紹介する。

紹介する物件は、都内近郊にある戸建物件である。裁判所から公開された資料では既に賃貸中であり、落札後も賃貸継続できれば、利回り20%である。

読者の中に利回り20%と聞くと、「何かしら問題がある」と思うだろう。

なお、競売ではなく、筆者が一般流通市場で利回り20%以上の戸建賃貸物件を調べてみたら、以下の特徴(問題点)がある物件が多かった。

@ 現況が空室。
A 再建築不可。
B 築50年ぐらいのオンボロ…。
C 借地権であり、地代がかかる。

上記の通り、一般流通市場の利回り20%以上の物件には何かしら問題がある。

@の「現況が空室」の状態で高い利回りが記載されても、想定している家賃で賃貸契約できるか保証はない。しかし、このような物件は多い…。

賃貸中の場合でも、Aの再建築不可やBの建物が使えない、Cの借地権など、多々問題がある。

今回、紹介する競売物件は、裁判所へ代金納付後、賃借人が希望すれば、賃貸契約が可能であり、すぐに家賃収入が得られる。再建築に関しては接道に問題なく、再建築可能である。

築年数は築26年であるが写真を確認してもらえれば、あと10年ぐらいは使える。一般流通市場と競売の同じ利回り20%の戸建て賃貸でも、多くの異なる点がある。

読者には、利回りだけで判断するのではなく、再建築可能であるかどうか、権利関係(借地権ではない)に問題ないか?建物は数年以上、使用できるのか?など、総合的な評価で確認頂きたい。そして、利回り20%の家賃収入が得られる物件が競売市場にあるということをご理解頂けたらと思う。

1.物件概要
(1) 所在地
物件は南関東の市町村にある。この市町村は人口約70万人の比較的に大きい市町村である。

この市町村は複数の路線が通り、将来的にはリニア新幹線の中間駅が建築される予定である。複数の大学キャンパスや多くの中小企業も点在している。

物件の所在地付近は、上記の発展している地域より離れ、近くに湖やダムがある。自然豊かな地域である。
ここまで言えば、どこの市町村であるか、わかる方もいるだろう。

(2) 物件概要
物件は、土地が139u、建物の延べ床面積が84u、築26年の2階建ての戸建である。日当たりは良好である。駐車場は車が2台駐車できるだろう。郊外に所在する地域なので、駐車場が必須だろう。

写真1_外観

写真の左には離れの小屋がある。裁判所から公開された資料によると、この小屋には犬2匹、猫6匹を飼っているとのこと。

動物を飼っていると、臭いを気にする方がいる。但し、賃借人が動物愛好家であれば、すぐに引っ越しできる状態ではなく、このまま賃貸継続する可能性が高い。なお、賃借人が退去後、その臭いが壁紙まで付いていると内装のリフォームは必須だろう。

(3) 間取り、室内
間取りは以下であり、5DKである。1階は、キッチン、和室、浴室、トイレがある。また、洗濯機と冷蔵庫の置き場もあり、問題ないだろう。2階は4部屋あるが、収納スペースが押し入れの一つしかない。荷物が多いなら、4部屋のうち、1部屋を物置にしても良いだろう。間取りから判断すると、ファミリー向けの物件だろう。

写真2_間取り

以下、室内の写真である。普通に使用されている。右上の写真は浴槽であり、ユニットバスなので交換する必要がない。右下の写真は、離れの小屋の写真である。動物専用の小屋である。

写真3_室内

2.物件詳細
(1) 賃貸契約の内容
裁判所の公開資料には賃貸契約の内容も記載され、以下、賃料である。裁判所の執行官が調査した時点の賃料は70,000円である。

写真4_賃貸契約

(2) 関係者のコメント
裁判所の公開資料には、関係者のコメントが記載されている。
このコメント欄には、夫、妻、子の言葉があるため、家族3人以上で住んでいる。

また、屋根の一部破損や洗面台下の配管付近の水漏れ、動物のひっかき傷の記載がある。また、動物の臭いもあるため、退去した時点でリフォーム費用を要するだろう。

写真5_関係人の陳述内容

(3) 権利関係のコメント
以下、権利関係のコメントである。1の「不動産の表記」は、競売対象の不動産を示し、物件番号1が土地、物件番号2が建物である。2、3、5のコメントは、「なし」である。

借地権や法定地上権の権利が付いていると記載されているが、今回は「なし」なので問題ない。4のコメントは占有状況の権利関係であり、賃借人の権利が記載されている。

落札人が、賃借人に退去を求める場合、賃借人には6か月間の明渡しが猶予される。転売目線なら、対応が必要であるが、賃貸目線で入札することが目的であれば、問題ない。

写真6_権利関係
(4) 接道関係のコメント
以下、接道関係のコメントである。建築基準法の第42条1項5号に該当し、再建築は可能である。なお、第42条1項5号の内容は説明が長くなるので割愛する。

写真7_接道関係

(3) 物件評価の金額
裁判所から依頼された不動産鑑定士による競売の基準価格は以下である。

4,370,000円

上記の金額は、裁判所から依頼された不動産鑑定士によって、査定される。この金額は、一般流通市場の価格よりも安く設定される。理由は、この金額が一般流通市場よりも高いと誰も入札せず、競売自体が成り立たないためである。

3.落札結果
(1) 落札結果
落札金額は以下である。

3,504,000円

この物件の最低落札価格が、3,496,000円であり、ほぼ最低落札金額で落札されている。

(2) 利回り
利回りは、裁判所から公開された賃料が継続可能であると、21%である。

家賃 70,000円/月
落札金額 3,504,000円
諸費用 500,000円(裁判所へ代金納付する際の諸費用(登録免許税など))
利回り 21%

4.最後に
この物件は、賃貸中であり、裁判所から公開された資料を見る限り、落札しても賃貸継続の可能性が高く、すぐに家賃収入が得られる。ここがポイントである。落札したら、「すぐに家賃収入が得られる」ことである。

また、一般流通市場と競売の利回り20%の戸建賃貸で、違いも確認頂けたことだろう。当たり前ではあるが、不動産投資の物件を探すなら、利回りだけで判断するのではなく、再建築可能であるか?権利関係は問題ないのか?建物はまだ使えるのか?総合的な判断で確認頂きたい。

結論、これから小額で不動産投資を始めようとしている方がいれば、今回のような物件も選択の範囲に考えて頂きたい。しかし、裁判所の手続きや債務者との交渉などがあり、初心者が一人でやるとかなり大変である。

ちなみに、私の周りには競売物件が初めての不動産投資物件の方もいて、不可能ではない。そのような方は、競売関係に詳しい方と連携し、相談しながら、物事を進めることが一番良いだろう。

執筆:ドクターK

【プロフィール】
「不動産セカンドオピニオンサービス合同会社」所属。競売コンサルタント。年に数十回の入札を行い、数件落札。競売をやりたい初心者向けに毎月競売セミナーを開催し、競売のノウハウを伝授。執筆活動も行い、著書「はじめての競売」に一部寄稿。

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