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競売なら、築10年の「不自然死(事故)」物件、いくらで落札される?最新競売事例より

収益物件購入・売却/競売 ニュース

2019/07/25 配信

期的に競売セミナーを開催し、日々、競売の相談を受けているドクターKである。今回、競売で公開されていた戸建の競売事例をご紹介する。

紹介する物件は、都内近郊にある築10年の戸建賃貸である。裁判所から公開された資料には既に賃貸中という記載がある。更に、その資料の関係者の陳述内容には、「不自然死」との記載があり、事故物件である。

「不自然死」というキーワードから、あまり良いイメージを持たないだろう。私自身も、「自然死」なら、気にしないが、「不自然死」だと、ちょっと手が出しづらい。

また、この物件の築年数は10年である。競売という言葉を聞くと、結局、ボロボロな古戸建てのイメージをもつ方がいるだろう。しかし、築浅の物件もあるということを認識頂きたい。また、賃貸中であり、事故物件でも気にしない方が借りているのだろう。

もし、築10年、事故物件、賃貸中の物件を落札したら、利回りはどの程度になるのだろうか?
今回の事例紹介で確認頂きたい。

1.物件概要
(1) 所在地
物件は、都内から電車で1時間程度の市町村にある。この市町村は人口約40万人の比較的に大きい市町村である。この市町村は複数の路線が通り、複数の大学キャンパスや多くの中小企業も点在している。更にJリーグのサッカーチームがあり、特徴の一つだろう。

この物件の近辺は、最寄りの駅から2.1km離れて、戸建住宅が立ち並ぶ住宅街である。

(2) 物件概要
物件は、土地が121㎡、建物の延べ床面積が105㎡、築10年の2階建ての戸建である。日当たりは良好である。駐車場は車が1台駐車できる。

外観は、非常に綺麗な戸建てである。外壁は、1階と2階で分けて、1階部分はレンガ調の外壁であり、2階部分は白の外壁である。

写真1_外観
建物外観。築10年、外観がおしゃれな戸建てである

(3) 間取り、室内
間取りは、4DKである。1階は、キッチン、リビング、和室、浴室、トイレがある。2階はトイレ、3部屋あり、各部屋に収納スペースがある。廊下にも収納スペースがあり、これだけ収納スペースがあるなら、収納に困ることはないだろう。また、間取りから判断すると、ファミリー向けの物件である。

写真2_間取り
間取り。4DKであり、ファミリー向けの間取りである

以下、室内の写真である。築10年なので、非常に綺麗である。右上のリビングは、とても広く綺麗である。左下のお風呂は、大き目のユニットバスであり、リラックスできるだろう。右下のキッチンは大きいので使いやすいだろう。

写真3_室内
室内写真。築10年なので、部屋の中、お風呂、キッチンはきれいである

2.物件詳細
(1) 賃貸契約の内容
裁判所の公開資料には賃貸契約の内容も記載され、以下、賃料である。裁判所の執行官が調査した時点の賃料は76,000円である。

写真4_賃貸契約
賃貸契約内容の概要。裁判所から公開された資料より抜粋

(2) 関係者のコメント
裁判所の公開資料には、関係者のコメントが記載されている。その中に、不自然死があったとのコメントがある。競売物件が事故物件であれば、公開資料には記載されているので、関係者の陳述内容は確認ください。

写真5_関係者のコメント
執行官と関係者との陳述内容。裁判所から公開された資料より抜粋

(3) 物件評価の金額
裁判所から依頼された不動産鑑定士による競売の基準価格は以下である。
3,340,000円
上記の金額は、裁判所から依頼された不動産鑑定士によって、査定される。この金額は、一般流通市場の価格よりも安く設定される。理由は、この金額が一般流通市場よりも高いと誰も入札せず、競売自体が成り立たないためである。

3.落札結果
(1) 落札結果
落札金額は以下である。
7,230,000円

(2) 利回り
利回りは、裁判所から公開された賃料が継続可能であると、11.8%である。
家賃 76,000円/月
落札金額 7,230,000円
諸費用 500,000円(裁判所へ代金納付する際の諸費用(登録免許税など))
利回り 11.8%

4.最後に
不自然死にも関わらず、想定した以上に高額で落札されている。不動産業者が転売目的で落札したかもしれないので、直近の販売履歴を検索したが、見つからなかった。個人の方が、賃貸目的で落札し、賃貸中である可能性はある。

不自然死との記載があった場合、他殺、または、自殺の可能性が高い。中には、死後、数か月間経過し、病死した場合でも、不自然死になるとのことである。今回、不自然死の原因は調べないとわからない。また、原因が判明しても、事故物件は、人それぞれによって、認識は違う。

今回の物件に関して、「不自然死」という観点を取り除ければ、築10年、利回り11.8%、立地は都内近郊を考えると、良い物件であると思う。しかし、「不自然死」という事実をどのように判断するかで、良し悪しが変わってくる。

また、競売物件で賃貸物件を探すときは、必ず、公開資料の関係者の陳述内容は確認頂きたい。

執筆者:ドクターK

【プロフィール】
「不動産セカンドオピニオンサービス合同会社」所属。競売コンサルタント。年に数十回の入札を行い、数件落札。競売をやりたい初心者向けに毎月競売セミナーを開催し、競売のノウハウを伝授。執筆活動も行い、著書「はじめての競売」に一部寄稿。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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