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【競売事例】都内、東京オリンピック会場のすぐ近く3階建戸建て。いくらで落札?

収益物件購入・売却/競売 ニュース

2022/04/07 配信

定期的に競売セミナーを開催し、日々、競売の相談を受けているドクターKである。

今回、競売で公開されていた戸建の競売事例をご紹介する。

紹介する物件は都内の戸建物件である。この物件は借地権付きの戸建てである。借地権とは、建物を建てるために地代を払って他人から土地を借りる権利のことである。

毎月、地主へ地代を払う必要があり、競売市場上、あまり人気がない物件であり、入札件数は少なくなる傾向にある。その代わり、入札件数が少ない分、落札価格も低くなる可能性がある。

この物件の場所は、都内であり、東京駅まで約20~30分で移動可能であり、非常に立地条件が良い。そのため、賃貸ニーズは高い。読者には、今回、紹介する物件を参考に、このような競売物件もあるということをご理解頂けたらと思う。

1.物件概要

1) 所在地

物件の所在地は都内23区の一つであり、人口は約50万人である。都心から近いこともあり、大型マンション建設が相次ぎ、人口が増加している。近辺には東京オリンピック・パラリンピック競技大会の会場も存在し、賑やかな地域である。

2) 物件概要

物件は、土地が32㎡、建物の延べ床面積が50㎡、築49 年の3階建ての戸建である。外観はシルバーの壁であり、リフォームが行われていると思われる。駐車できるスペースはない。

建物外観。築49年経過し、狭小住宅である
建物外観。築49年経過し、狭小住宅である

3) 間取り、室内

間取りは4Kである。1階にキッチンとトイレ、浴室などの水回りと和室が1つあり、2階に洋室が2つ、3階に洋室が1つある。赤い点線の部分が増築された部分であり、2階から3階に変更されている。

間取り 4Kの間取りである
間取り 4Kの間取りである

以下、室内の写真である。裁判所から公開された資料には、部屋の写真が2枚のみであり、浴室と部屋の写真である。部屋には残置物が多く残っている。

室内 部屋に多くの残置物が残っている
室内 部屋に多くの残置物が残っている

2.物件詳細

1) 関係者のコメント

裁判所の公開資料には、通常、債務者や所有者などの関係者のコメントが記載されている。以下、債権者の代理人のコメントが記載され、債務者のコメントがない。

次に執行官のコメントを確認すると、債務者(所有者)はお亡くなりになっている。おそらく、相続する方もなく、競売になったと思われる。

関係人の陳述等 しっかりと確認しよう
関係人の陳述等 しっかりと確認しよう

2) 執行官のコメント

裁判所の公開資料には、債務者などの関係者のコメント以外に、裁判所の執行官のコメントも記載されている。執行官とは、競売などの裁判を進め、書類作成などを行う。執行官は競売物件を確認した際、自らの意見も必ず記載されている。

執行官の意見 しっかりと確認しよう
執行官の意見 しっかりと確認しよう

3) 物件評価の金額

裁判所から依頼された不動産鑑定士による競売の基準価格は以下である。

4,150,000円

上記の金額は、裁判所から依頼された不動産鑑定士によって、査定される。この金額は、一般流通市場の価格よりも安く設定される。理由は、この金額が一般流通市場よりも高いと誰も入札せず、競売自体が成り立たないためである。

3.落札結果

1) 落札結果

落札金額は以下である。入札件数は3件であり、法人が落札している。

6,590,000円

(2) 利回り

利回りについて、算出する。家賃はこの近辺で類似の戸建賃貸の家賃相場より算出する。結果、家賃は100,000円で仮置きする。リフォーム費用は業者に見積りを取ったわけではないが、残置物処分、壁紙交換を含め、1,000,000円とする。

今回、借地権であるため、地主との契約において、更新料が発生する。更新料は、一般的に更地価格の3%程度と言われている。

通常、裁判所から公開されている資料には対象物件近辺の時価公示価格が記載され、こちらを参考する。今回、その価格は1平米あたり、377,000円である。土地の広さが32平米であるため、更地価格は約1,200万円。その3%が更新料だとすると、約36万である。但し、更新料は地主との交渉次第となるので、ご注意を。

家賃 100,000円/月

地代 5,582円/月

落札金額 6,590,000円

リフォーム・撤去費用 1,000,000円

借地権更新料 360,000円

諸費用 200,000円
(裁判所へ代金納付する際の諸費用(登録免許税など))

利回り 13.9%

4.最後に

今回、借地権の戸建て物件を紹介した。今回の利回りは13.9%であり、競売市場を鑑みると低いかもしれない。

しかし、立地条件は良く、賃貸ニーズも高いので、悪くはないと思われる。もし、借地権ではなく、土地と建物の権利が100%入手できる通常の物件であれば、落札金額は、今回の2~3倍ぐらいになったと思われる。

借地権の物件は、土地の権利がなく、更新料や地代の支払いが必要であり、正直、売却するのも難しい。

そのため、人気がない代わりに、安く落札できる傾向にある。借地権の物件で注意すべき点は、地主の存在である。もし、借地権の物件の入札を考えている場合は、必ず地主を確認し、特に問題ないか確認ください。また、このような物件もあることをご参考頂けたらと思う。

執筆:ドクターK

■ 主な経歴

「株式会社ココス」所属。競売コンサルタント。
年に数十回の入札を行い、数件落札。競売をやりたい初心者向けに毎月競売セミナーを開催し、競売のノウハウを伝授。
執筆活動も行い、著書「はじめての競売」に一部寄稿。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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