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「2021年版国土交通白書」が地域経済の衰退を警告!7割の市町村で病院の維持困難に?

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2021/07/29 配信

写真はイメージ
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国際線の旅客はほぼ消滅、国内線は7〜9割減

高速バスも激減、コロナが地方経済を直撃

国土交通省が6月、「2021年版国土交通白書」をまとめた。白書は、航空機、高速バスなどの「長距離輸送交通」や一般の路線バスといった「地域公共交通」の危機が、新型コロナウイルスの感染拡大で強まっていると指摘。

生活必需サービスの継続も難しくなっており、2050年には市町村の7割で病院の、4割で銀行の維持が難しくすると警告した。今後、こうした傾向を「逆転」させる対策が打ち出されなければ、地域の衰退はますます続く。不動産投資家もこの傾向を踏まえ、しっかりと戦略を練る必要がありそうだ。

白書がまずあぶり出したのは、航空、高速バスなど「長距離輸送交通」への打撃だ。

一つ目は航空。国内線の利用客に関しては、20年4月に前年同月比86%減、5月に93%減になったとした。11月になって少し回復したものの、それでも44%減に、12月も55%減、今年1月も75%減だった。

国土交通白書から
国土交通白書から

国際線については、20年4月に97%減、5月に98%減、11月に96%減、12月に95%減、今年1月に96%減となった。

苦しい状況は今でも続いている。とくに観光スポットのある地方都市は国際線、国内線の利用客が減ったことで観光客が来なくなり、地域経済の冷え込みが続いている。

長距離を走る高速バスも、利用客の数が大きく減っている。

国土交通白書
国土交通白書から
東海道新幹線人員
国土交通白書から

20年4月は79.5%減、5月は85.5%減。11月は55.1%減、12月は53.7%減、今年1月は67.5%減だった。東海道新幹線も減少は大きい。

白書は「このような状況は、コロナ禍における突発的な影響によるものであるが」「(航空会社などは)非常に大きな打撃を受けており、このままでは事業の維持が困難になるおそれがある。社会の存続基盤である航空等の長距離輸送交通を維持するため、コロナ禍による影響を乗り越えるための対策が必要である」と強調した。

地方の路線バスの旅客も2〜5割減
地域公共交通機関の持続に懸念強まる

二つ目は、地域公共交通への打撃だ。

白書は次のように指摘する。

「一般路線バスなどの地域公共交通は、医療、福祉、買い物、教育など、地域住民の生活上の移動のために欠かせないインフラである。さらに、地域外からの来訪者の移動等にも必要であるため、地域外との対流・交流にも必要なインフラである。このため、地域公共交通は、地域の存続基盤として特に重要である」

ところが路線バスは、「コロナ禍以前の2019年において、全国のバス事業者のうち約7割が赤字であり、特に地方圏のバス事業者は約9割が赤字である」と指摘。利用客の数の変化を見ると、3大都市圏以外は2000年から大きく減っており、「厳しい状況である」とした。

直近の数字を見てみると、乗合バスの利用客数は、20年4月が前年同月比47.7%減、5月が50.0%減。11月が22.1%減、12月が22..6%減、今年1月が27.5%減となった。

国土交通白書から
国土交通白書から

白書は「地域公共交通は地域の存続基盤として特に重要であるため、コロナ禍による影響を乗り越えるとともに、コロナ禍収束後において持続的な経営を確保するための対策が必要である」と指摘。

さらには、国交省が行った「国民意識調査」において、約4割の人が、コロナ禍を機に、地域公共交通の持続可能性への懸念が強まったと回答した。白書は「利用の減少による経営の悪化が懸念されたため、このような結果となったと考えられる」としている。

銀行の維持困難な市町村は2050年に42%?
コンビニも20%に 「逆転」の対策急務

そもそも、一定以下に人口が減った市町村では、生活必需関連のサービスを維持することは難しくなりつつあるとする。

推計人口などを踏まえて計算すると、病院1カ所を維持することすら難しい市町村(三大都市圏除く)の割合は、15年の53%から50年には66%へ増える。

銀行は26%から42%へ上昇。コンビニは7%から20%へと高まるとした。

こうした傾向は、もともとの少子化に加え、新型コロナで公共交通の維持が難しくなることにより加速する。

白書は「人口減少や都市部への集中、地域公共交通の維持困難化を背景に、今後、地方を中心に、地域の生活必需サービスの維持が一層困難化していくおそれが高まっている。このため、地域の持続可能性を確保するための対策が必要である」と訴えた。

病院、銀行、コンビニなどが十分運営されなければ、ますます人口減少に拍車をかけ、さらにさまざまなサービスを衰退させる悪循環となる。

写真はイメージ
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不動産投資の観点からみれば、多くの安い物件が残っている地方でも、経済が衰退すれば賃貸需要が生まれない。

国土交通白書など国による分析もしっかりみながら、地方経済の動向をしっかり見極め、投資戦略を考えていきたい。

取材・文 小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

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