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多額のキャッシュフローを生む「違法建築」物件。手を出すべきか、否か。

収益物件購入・売却/物件選び ニュース

2017/10/08 配信

利回りが高い物件、低い物件があるが、どうせ買うなら高い物件が良いに決まっている。しかし、一方で「不動産に掘り出し物はない」という意見もある。つまり「利回りが高い物件にはそれなりの理由がある」ということだ。

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今回は、関西在住で現在2棟を含む50室を所有、資産規模約5億のY氏に話を聞いてみた。

「不動産投資を始めて関西の物件の購入を検討していると、『関西の物件は違法建築ばかりである』という話を聞くことがありました」

はたしてこれは本当なのだろうか。

結論から言うと「当たらずといえども遠からず」。そしてこの場合の違法というのは建築基準法違反という意味である。少し詳しく説明していきたい。

都市計画法では12の用途地域が定められている。そしてこの用途地域別に、建ぺい率、容積率の制限が定められており、建築基準法でこの建ぺい率、容積率の制限を上回る建物を建築してはいけないことになっている。

つまりここで言う違法建築とは、建ぺい率オーバー、容積率オーバーの建物のことである。ちなみに建ぺい率とは、敷地面積に対する建物面積(延床面積ではない)の割合を、容積率とは敷地面積に対する延床面積の割合のことである。

ではなぜ関西の物件は違法建築が多いのだろうか。

確たる理由は不明だが、恐らくこういうことだろう、と前述のY氏。

「即ち、建ぺい率、容積率オーバーの建物を建てるということは、それだけ建築面積が増えるので、部屋数や一部屋当たりの面積も大きくなり、収益力は上がります。少ない土地で収益をより上げようと思えば、土地一杯に建物を建てるか、高層の建物を建てるかしかないわけで、これは経済合理性にかなっている。建物の強度に問題がなければ、少々オーバーしていてもいいじゃないか、というわけです。商売上手の関西人気質が原因、と勝手に解釈しているのですが」。

自分が検討している物件が違法建築なのか、適法物件なのかを見分けるのが、物件概要書に書いている「検査済証 有り」という記述である。ではこの「検査済証」とはどういうものなのか。

「検査済証」とは、建築基準法第7条第5項の規定に基づく「検査済証」のことで、その建築物及び敷地が建築基準関連規定に適合していることを証する書類である。

以前は都道府県又は市町村の建築主事が発行していたが、最近は(平成11年の建築基準法改正以後)民間の指定確認検査機関が発行している。

建物を建築するといわゆる「竣工検査」を受け、それをクリアするとこの「検査済証」が発行される。「検査済証」があるということは、建築基準法等に適合した建物であるということになるのである。

それから「検査済証」とは似て非なるものに「確認済証」がある。

建物を建築しようとする場合、建築主は建築確認申請書を指定確認検査機関等に提出する。検査機関等は書類上で建築しようとする建物が建築基準法等に違反していないか(ひと昔前、耐震偽装で問題になった構造計算書もこの段階で提出する)を審査し、問題がなければ「確認済証」を交付する。

これでその建物の建築ができるようになるわけである。つまり「確認済証」というのは、建築前の書類審査に合格したことを証明する書類であり、完成した建物が適法な建築物であることを証明するものではない。

「これが検査済証とは大きく違う点です。ある業者に、検討中物件に検査済証がないか問い合わせると、『確認済証はありますから』と回答してきたことがありました。確認済証があっても全く意味はなく、回答にはなっていないのですが、このような業者には注意が必要ですね」。

「確認済証」はあるが「検査済証」が無いとはどういうことか。

これは建築確認申請時には駐車場であった場所を建築時には住居部分にしてしまった場合などが該当する(駐車場による容積率制限の緩和の規定が建築基準法にある)。

違法建築と言ってもほとんどがこういうパターンで、建物の構造自体に問題があるというわけではない。設計時と建築時の建物の形状が違うため、竣工検査に合格しなかった(若しくは検査自体を受けていない)ため、「検査済証」は受けられなかったということである。

そこで、建物自体に問題がないのならば、違法建築物件の方が収益力も高くて良いのでは?という疑問が出てくる。

ところが、違法建築物件には一般不動産投資家にとって致命的な問題がある。

違法建築物件には基本的に銀行融資が付かないと言われている。これは致命的である。だだし、某銀行は10%以内の容積率オーバーならば融資してくれるというなどという話を聞くことがある。では、融資が付かないにも拘らず、これだけ物件が流通しているのはなぜなのか。

それは、ノンバンクで融資が付いたり、一部金融機関では個人属性を重視するため違法建築でも融資する場合もあるからである。

とは言っても最初から違法建築物件に手を出すのはどうか。

違法物件はかなり高い利回りで売りに出ているが、裏を返せば利回りを高くしないと売れないということである。

また、融資で苦労するのは目に見えているし、たまたま融資がうまく付いて購入できたとしても、今度は出口で苦労することが目に見えている。

自分が売ろうとしても、その時購入しようとする人が同じように融資で苦労するからである。

「ただ、物件の数が増えてくれば違法物件も面白いのではないか。融資さえうまく付けられれば、適法物件では考えられないキャッシュフローを生むことになります。若しくはキャッシュで買えればなお良いのですが」(Y氏)。

投資家としてのステージが上がってくれば一考の余地はあるかもしれない。

健美家編集部

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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