
入居者のいる物件の場合、現在払われている賃料が利回りを計算するベースになる。だが、それが故意に高く設定されたものだったり、そもそも入居していない契約だとしたら、どうだろう。
実際に利回りを高く見せるために、そうした詐欺まがいの手を使われたケースがある。事例をご紹介しよう。
■賃料上乗せ分を入居者に払い、20万円を30万円と偽る
港区内、1階に呉服店の入ったビルが売りに出た。買いたいという投資家があり、銀行、不動産会社、管理会社と共に現地へ。上階の様子をチェックしている合間に、管理会社担当者は呉服店店主と雑談。そこでとんでもない話を聞く。
元々、呉服店の賃料は20万円。ところが、少し前に売主が呉服店を訪問、賃料は30万円ということで契約をやり直して欲しいと言う。といっても値上げしたいというのではなく、賃料を高く見せたいのだという。
そのため、契約をやり直してもらえるなら、賃料の差額10万円の5年分を現金で払うというのだ。呉服店としては自分の払う額が増えるわけではない。じゃあとOKし、現金をもらったという。
だが、6年目
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