• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

4,061アクセス

「高利回りにつられて不動産投資」の大失敗物語。家主の居住地から離れた遠隔地は要注意

収益物件購入・売却/物件選び ニュース

東京の投資家が、地方の遠隔地の収益物件を購入することがある。ところがこれがトラブルの種になりやすい。

今回手続きをご依頼いただいた投資家は、当該物件を見ずに買ってしまった。自分の属する勉強会で勧められ、安心してしまったという。

今回の相談者は、「利回りが高い」というだけで、物件も見ず、遠隔地の温泉街で購入してしまった(写真はイメージ)
今回の相談者は、「利回りが高い」というだけで、物件も見ず、遠隔地の温泉街で購入してしまった(写真はイメージ)

決め手は、利回り。確かに地方の築古物件は売買代金が安いので手を出しやすいのだが、利回りは高いほどリスクがあるということを意識していなかった。

遠隔地の場合にはまず手となり足となり動いてくれる有能な管理会社が必要なのに、それもまったくのノーマークだった。当然、購入してからトラブルの続出で、困り果てて相談に来られたという訳だ。

収益物件を購入するときのポイント

オーナーチェンジの物件で、よくあるのが入居者関連の書類が揃ってないということ。要は賃貸借契約がないとか契約書がコピーとか、入居者の情報がない。

満室だということで買ったら実はサクラだったとか、契約書関係がなくて誰かが住んでいるだろうけど誰だか分からないということも少なくない。

契約書関係を確認してから売買契約を締結したいところだが、個人情報云々で予め確認もさせてもらえない。

ある種の賭けのような状態で高額な不動産を購入するのだから、どれだけ信頼がおけるところからの物件情報なのかというところがポイントになるだろう。

また予め売主側に契約書等が揃っているのかどうか、原本なのかコピーなのか等々も回答してもらえるようお伺い書を渡し、その回答云々によって購入するかどうか判断した方がいい。

ところが実務上は、そんなやりとりをしている間に物件は人の手に渡ってしまうので確認せずままの決断ということになるのだろう。

収益物件の売り側は「自分の物件の入居者の情報はすべて揃っています!原本があります!」とアピールすれば、売買代金を高めに出せると筆者は思うのだがいかがだろうか。

前所有者のときから家賃を滞納

さて今回の問題の部屋は契約書関係は揃っていたので、当事者の特定はできた。しかしながら購入前から滞納があったようで、その滞納額の債権譲渡もされていなかった。

これは物件の購入者は新賃貸人にはなるけれど、自分が家主になってからの滞納分しか請求できないということを意味している。

そもそも元から滞納している賃借人は、賃貸人が変わったからといって、急に支払いが正常化するということはない。

そのため前所有者が追い出してから売買する方がすっきりするのだが、これまたそのまま滞納者がいる状態で物件を売却してしまうことも多いのだろう。

その場合には前所有者の滞納分に対する債権を新所有者が譲渡をうけていれば、すでに滞納がある状態なので購入してすぐに明け渡しの手続きをとることができる。

ところが債権譲渡をうけていないと、自分が賃貸人になってから3ヶ月分以上の滞納があって信頼関係が破壊されたとならなければ、訴訟提起することができない。

結局物件購入して、自分の滞納額が溜まってからの手続きとなった。

この物件は、石川県の金沢から離れた温泉旅館が立ち並ぶエリア。賃貸物件は、温泉地で働く人くらいしか利用しないかなり閉鎖的なところだった。残念ながら投資家の家主は、このポイントもノーマークだった。

家主が東京在住なので、訴訟は東京簡易裁判所に提起。なんとか任意に明渡してもらうよう、電話で交渉を続けた。

ところがこの滞納者、会話が成り立たないくらい怒鳴り散らす。物件を見つけようにも、狭い閉鎖的なエリア、すぐに滞納者の情報が広がり転居先を見つけることができなくなった。

この「滞納して追い出しの手続きされている」「怒鳴り散らす」の情報を漏らしたのは、他でもないこの物件の管理会社の社長だった。

それを知った滞納者、「おまえが責任取れや」と怒鳴る、喚く。最終的に個人情報を漏らしたという責任から、この管理会社の社長が所有する物件に入居させることで転居完了。明け渡しの訴訟は、取り下げる形で終結した。

家主は思わぬハプニングで功を成したが、閉鎖的なエリアでは一般的に転居先を見つけることは非常に難しい。

利回りだけで物件を購入すると、思わぬリスクを秘めている。まして土地勘のないエリアは、トラブルの温床であるということを忘れてはいけない。

執筆者:太田垣章子(おおたがき あやこ)

【プロフィール】
司法書士・章(あや)司法書士事務所代表
平成14年から主に家主側の訴訟代理人として、悪質賃借人の追い出しを延2000件以上解決してきた賃貸トラブルのエキスパート。徹底した現場主義で、早期解決のためにトラブルある物件には必ず足を運んできた。現場で鍛えられた着眼点から、賃貸トラブルの解決を導く救世主でもある。著書に「賃貸トラブルを防ぐ・解決する安心ガイド」(日本実業出版社)がある。

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資ニュース

ページの
トップへ