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「底地」いわゆる借地権付き土地を購入する新しい不動産投資。果たしてポテンシャルは高いのか、低いのか?

収益物件購入・売却/物件選び ニュース

2020/05/16 配信

権利関係者の調整が大変で手つかず
地主・借地人の双方に悩ましい存在

更地を購入して建物を建てたり、新築や既存の物件を買うなど、不動産投資の手法は様々。自身に合ったやり方で進めているだろうが、いま「底地」を買う選択肢が注目を集めている。

というのも、利回りは高くないものの安定的に賃料収入が得られ、滞納もほとんど無く、思わぬ売却益の恩恵があるかもしれないからだ。

ここでは、底地ビジネスを展開する、エリアリンク株式会社(東京都千代田区)で同事業を統括する、執行役員・営業本部長の近藤隆氏に話を伺った。

諸権利がついた「底地」は、都市部を中心に日本各地に点在。個人投資家がうまく活用する手段があるという。(画像はイメージ)
諸権利がついた「底地」は、都市部を中心に日本各地に点在。「地主は自由に土地を活用できない」「相続財産評価の割に収益が少ない」「地代が安い」「借地権者は建物の増改築や売却の際に地主の承諾が必要」といった特徴がある。(画像はイメージ)

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底地とは、賃借権や地上権などの諸権利がついている土地のこと。地主が土地を貸し、借地人がその土地に建物を建てて住んでいる状態を指す。

「貸地」「貸宅地」と表現すればわかりやすいだろうか。通常は、地主が借地人に土地を貸して建物を建てることを認める代わりに、地代、契約更新や借地権の譲渡、増改築、借地条件の変更などの際、一定の金銭を受け取ることができ、これを「底地権」という。

「関東大震災や、戦後の焼け野原で、地主さんが住む場所に困っている人たちに対して、自分の土地を貸し出したのが、関東に底地が増えた理由とされています。そこに、バラック小屋や長屋がどんどん建っていきました。ところがその後、借地人を守る借地借家法が強くなり、半永久的に土地は返ってこない状況になっています。賃料収入も東京世田谷の一等地で月1~2万円と相場より極めて安く、地主さんにとって悩ましい存在です」(近藤氏、以下同)

エリアリンク株式会社で執行役員・営業本部長を務める、近藤隆氏
エリアリンク株式会社で執行役員・営業本部長を務める、近藤隆氏。底地には個人投資家がうまく活用する手段があるという。

同社は1995年創業で、ストレージ事業や不動産販売事業、貸会議室事業などを幅広く展開。2014年から底地事業に参入し、これまでに累計で111億円を購入、昨年末時点で25億6600万円の販売利益を上げた。

先述の通り、地主にとって底地は歓迎できる存在と限らない。善意で貸した土地が半永久的に戻らず、得られる賃料収入は微々たるもの。

「親から25区画もある底地を相続したところ、相続税の評価額は6000万円。ところが、月の賃料収入は1区画から2万円と少なく、結局は銀行から融資を受けて納税したケースもあります」(近藤氏、以下同)というから、正直笑えない。

底地を手放せばいいという意見もあるが、簡単にはいかない。賃借人との権利関係が複雑で、地代が安い、かつ複数区画あり土地が広いとそれなりの金額になり、なかなか買い手がつかないそうだ。

個人の不動産投資家からしても、いくら魅力的なエリアに土地があっても、ややこしい事情に踏み込んでまで普通の人は欲しいと思わないだろう。

借地権者にとっても、底地は安い賃料で住み続けられる、便利な土地とは限らない。賃料は払わないといけないし、契約更新や増改築などでも支出が伴う。ところが、土地は一向に自分のものにならず、もどかしい存在でもあるのだ。

購入した底地の権利関係を調整することで
金の鉱脈に生まれ変わる可能性も!

ところが、不動産のプロである第三者が間に入り権利関係を調整することで、底地は金の鉱脈に生まれ変わる可能性がある。エリアリンクの場合は、地主から扱いに困っている底地を購入し、以降は同社が地主として借地人と交渉。「底地を借地人に売却」「借地人から借地権を買い取る」といった、ゴールを目指す。ややこしい底地の権利関係を整理するのだ。

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ここまで底地が整理されると、いよいよ個人投資家の出番。というのも、同社が買った底地のうち、60%は借地人への売却、30%は借地人からの買い取りという結果だが、残り10%は「死ぬまで住み続けたい」などの理由から、手が付かないからだ。

「丁寧に交渉をすれば解決できますが、当社は上場企業ということもあり、購入から2年以内に売却を済ませるのがルール。本来であれば、同じく底地事業をしている事業者に売ればいいのですが、それではライバルを増やすだけ(苦笑)。そこで、個人投資家様へ売却するのです」

投資家からすると、底地を買うと少ない額だが滞納の無い賃料収入が得られ、借地人が借地権を返還してくれたり、借地権を買い取って更地にして収益物件を建てれば、立地さえよければ好条件の不動産投資が行える。

あるいは、更地にして実勢価格で売却するとキャピタルゲインを得られる可能性も。「借地人は、いついなくなるのか?」と思うが、同社の場合は交渉を継続してくれるという。あるいは、借地人が住み続けても、その多くはシニアであることが多い。高齢者向け住宅への転居、もしくは他界もいつか訪れる。

または、タイミングが来て、底地を買いたいと言われる事もあり得る。そうなると、購入価格より高く売れる可能性もあるので、ここでもキャピタルゲインが発生する。

息の長い話になるが、CFに余裕のある投資家にとって、現預金の利息よりも底地の方が利回りは高い。また、底地を購入したいと思っても簡単には手に入らない。世の中に出回っている底地が圧倒的に少ないからだ。

他の誰もやっていない底地を投資として所有する優越感も持てる。資金を寝かしておくという意味でも、悪くない投資先だとも言える。いずれ手堅い土地が手に入る可能性があるのなら、待っても損はない可能性は高い。

「このように、底地には多くのポテンシャルが秘められています。不動産投資の新たな商品として、形になるのではないかと思います」と、近藤氏。

一風変わった投資手法だが、妙味は期待できそう。底地の立地、路線価と実勢価格のギャップなどを確かめたうえで臨めば、うまい資金の使い方になるだろう。

■取材協力
エリアリンク株式会社

健美家編集部(協力:大正谷成晴)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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