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東京23区内、1000万円台の築古一戸建て投資で高利益率を達成する方法

収益物件購入・売却/物件選び ニュース

2021/05/16 配信

人口減少社会において、地方都市や郊外などでは、地価の下落リスクや賃貸需要が減少していくリスクが高い。リスクを抑えて不動産投資をおこなうには、できれば資産価値と賃貸需要が安定して高い大都市圏の東京23区をターゲットにしたいところだろう。

しかし、東京23区の収益物件は利回りが5~6%程度と低く、融資を受けてレバレッジをかけたとしても、小資金からでは投資効率が上がらないのが現状である。そこで、近年、小資金から高利回りの収益を得られる投資方法として注目されている、築古戸建投資について考えてみたい。

写真はイメージ
写真はイメージ

資産価値の下落リスクを抑えるためには、土地値で、再建築可能な物件を購入したいところだが、東京23区で実現可能なのだろうか。そのような物件を購入したとして、投資効率はどれくらいになるだろうか。売買取引された物件データやシミュレーションをもとに検証する。

東京23区の築古戸建は
資産価値の下落リスクが低い

戸建の木造建物は法定耐用年数が22年であり、築30年を超えると市場価値が新築時の1割程度となり、その後はほぼ横ばいとなる。

木造戸建ての市場価値は、築30年程度でほぼなくなり、その後横ばいとなる。出典:「中古住宅、リフォームの現状」国土交通省
木造戸建ての市場価値は、築30年程度でほぼなくなり、その後横ばいとなる。出典:「中古住宅、リフォームの現状」国土交通省

そのため、築30年を超えたような築古戸建は、ほぼ土地値で購入でき、地価の安定した立地であれば資産価値の下落リスクが低いといえる。

また、過去20年間の東京23区および都下の公示地価の推移を下図のようになっており、特に東京23区の地価は安定している。

出典:東京都財務局「地価公示の平均価格推移」
出典:東京都財務局「地価公示の平均価格推移」

このようなことから、たとえば、東京23区に立地する築35年の築古戸建を土地値で購入したとすると、10年後、ほぼ同額で売却できる可能性が高いことになる。

再建築可能な築古戸建であれば、建物を取り壊す前提で、新築向けの用地として売却することも可能だ。元々、土地値で購入していれば、入居者が見付からず、建物が家賃収入を生み出さない状態になったとしても、購入時とほぼ同額で売却可能だろう。

東京23区で築古戸建投資をおこなう
基礎となる前提

実際の取引事例を下に、築古戸建を購入した場合のシミュレーションをおこなっていく。今回は、国土交通省の直近の取引事例情報を集めた「土地総合情報システム」から、下図21の事例を利用する。スペックは、以下のようになっている。

立地土地面積建物床面積築年数価格公示地価
北区・王子神谷3分40㎡55㎡37年1,400万410,000円/㎡

近隣の公示地価からすると、41万×40平米=約1,600万が相場価格なので、土地値の相場価格よりも若干安い価格で取引されたといえる。

国土交通省の土地総合情報システムから直近1年間に取引された北区の土地建物データを抽出した。
国土交通省の土地総合情報システムから直近1年間に取引された北区の土地建物データを抽出した。

この物件を融資を受けて購入するとなると、耐用年数を超えているため、都市銀行や地方銀行などでは難しいだろう。耐用年数超えや借地権、再建築不可の物件にも融資をするノンバンクの不動産投資ローンを利用することになる。

東京23区の再建築可の物件であれば、ノンバンクで頭金2割を入れて、20年、3.5%程度のローンが組める可能性が高い。神奈川県在住の40代男性によると、2021年2月に、東京世田谷区の築35年、2180万円の築古戸建購入に際して、三井住友トラストL&Fから、1,800万円、30年、3.3%の条件で融資を受けたとのことだ。ただ、融資条件は借りる時期や属性、物件の担保評価によって変動するだろう。

購入後、リフォームをおこなうが、床面積のおおよそ3倍の室内壁面、天井クロスを全面張り替え、床をフロアタイルに全面張り替え、システムキッチン、ユニットバスを取り替えるとする。ネットで相場価格を調査した。

クロス全面張り替え2,000円/㎡×55㎡×3=330,000円
床フロアタイル全面張り替え10,000円/㎡×55㎡=550,000円
システムキッチン取り替え600,000円
ユニットバス取り替え800,000円
その他諸費用500,000円
リフォーム費用合計2,780,000円

このようにして、リフォーム費用は約280万円と見積もる。

入居者に貸し出す賃料は、賃貸向けのポータルサイトから、最寄り駅、専有面積、築年数の条件で、最も対象物件に近いものを探した。戸建ての賃貸物件はなかなか賃貸市場に出回っていない。

対象物件よりは、駅から遠く古いが、専有面積が多少広い築古戸建の賃貸物件があり、賃料は12.6万円で募集されている。対象物件は王子神谷駅から3分と好立地であり、5年新しいことを重視して、賃料は13万円と見積もる。

賃貸情報ポータルサイトから、王子神谷の類似条件の物件を抽出した。
賃貸情報ポータルサイトから、王子神谷の類似条件の物件を抽出した。

築古戸建を10年運営して売却する
収支シミュレーション

上述した前提条件で王子神谷の築古戸建を購入して、貸し出したとして、10年間運営し、10年後、同額の土地値で売却した場合の収支シミュレーションをしてみる。

購入時(初期投資)運営時売却時(10年後)
購入頭金+諸費用(仲介・登記費用)300万円+100万円=▲400万円
リフォーム費用▲280万円
家賃収入13万円×12月×10年=1,560万円
ローン返済6.4万円×12月×10年=▲770万円
固定資産税等1,400万円×0.7×1/6×1.7%×10年=▲30万円
その他維持費用5万円×10年=▲50万円
売却収入1,400万円
残債返済(10年後)▲650万円
売却時諸費用▲80万円
差引▲680万円710万円670万円

このようにシミュレーションをおこなうと、10年間の賃貸運営で680万円の現金投資をほぼ回収して黒字になる。回収後に売却すれば、購入時と同額で売却しても、元金の返済分だけ利益が出る。

シミュレーションでは、運営時と売却時を合計すると、1,380万円の収益が得られるという結果になった。10年間の収益に平均して投資効率を算出すると、1,380万円÷10年÷680万円×100%=20.3%という高い数値となる。

実際には、売却時に土地値が下がっている可能性も考えられる。家賃収入も、途中で退去が発生したり、多少賃料が下落したりすることがあるだろう。

ただ、23区内で戸建ての供給は非常に少なく、家賃収入の減少リスクはそれほど大きくないと予想される。このようなストレスを数値化して、土地値の下落リスクとして約1割の150万円を見込み、家賃収入は1割(150万円)減を見込んでみよう。その場合の投資効率は、(1,380万円―150万円―150万円)÷10年÷680万円×100%=15.9%となる。

また、シミュレーションでは、初期のリフォームの際、水回りを総入れ替えすることとしているが、実際にはそのまま利用できるケースもあるだろう。リフォーム費用を抑えれば、投資効率が上がる可能性も考えられる。

初心者でも取り組めるが、
注意点も

東京23区の築古戸建に投資をして、10年間運営後売却したとした場合、投資効率は、16%~20%程度というシミュレーション結果となった。

資産価値や賃貸需要の高い東京23区で、600万円強という資金からリスクを抑えてこのような投資効率を出すことが可能であれば、他の不動産投資方法と比較しても、取り組みやすいといえるのではないだろうか。

しかし、注意点もある。築古戸建投資では、建物が利用できる状態であるかという点と、10年後土地値で売却できるかどうかという点がポイントになる。

建物の状態については、インスペクションを利用したり、内見時にリフォーム業者を同行させたりなどの対策が有効だろう。リフォーム費用を抑えるためには、特に、水回り設備の状態の良い物件を選ぶと良いだろう。

土地値での売却については、更地での価値があるかどうか、再建築可能な土地であるかどうか、が最低条件になるだろう。そのほか、接道が私道でその持分がない土地や、境界が確定していない土地にはリスクがあるので注意が必要である。

条件の揃った築古戸建を、東京23区で探し希望価格で購入に漕ぎつけるのは簡単ではない。日常的にポータルサイトをチェックし、物件が売り出されたら早めに行動することも求められるだろう。

取材・文 佐藤永一郎

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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