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カジノIR誘致に連動の収益物件投資ニーズが消滅する可能性は?まさにゼロサムの世界、周辺不動産投資も博打化する危機?

収益物件購入・売却/物件選び ニュース

2021/07/20 配信

カジノ誘致で地域の活性につながる、一方で治安の悪化につながるのではないか。税収を増やしたい地方自治体と地域が資金的に潤うのはいいが賭博場の開設≠ヘ治安を揺るがすと地元民から声が上がる。

政府は「カジノを含む統合型リゾート(IR)」施設の誘致について、今年10月から2022年4月に申請を受け付けて最大3カ所を整備する予定だ。

しかし、IR施設の誘致を取り巻く環境は厳しさを増している。新型コロナウイルス前は訪日客(インバウンド)などを当て込んでいたが、コロナ禍でインバウンドが消滅。IR施設は、海外から人が集まるかどうかが成否のカギを握っていると見られていただけに難しいかじ取りを迫られている。

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当初は東京都、北海道、横浜市、大阪市、愛知県、和歌山県、長崎県が誘致に名乗りを上げていたものの、北海道と千葉市が誘致から撤退することを決めた。国会議員が外資系企業からカジノ誘致に伴う献金で逮捕されるなどIRに対するイメージ悪化も影響を及ぼした。

横浜市では誘致派と誘致反対派で割れている。そのなかで、8月22日に投開票の横浜市長選挙が行われる。地元経済界などの支援を受けて、現職の林文子市長が「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致」を掲げて出馬表明した。ほかの自民党が推す候補者を含めてすべて誘致反対派だ。これにより市長選の争点はIR誘致の是非に絞られることになった。

同市では、これまで都心臨海部の街の魅力や資源と一体的に整備し相乗効果を最大限に発揮することなどを掲げているが、8月22日の審判の日の結果次第では、横浜市もIRからの撤退を余儀なくされる可能性が出ている。

いよいよIR誘致に向け事業者選定へ

事業者サイドも戦略の練り直しを迫られている。新型コロナウイルスは世界中のカジノ業界を直撃しており、収益が見込みづらい国・地域に資本を投下しづらくしている。カジノ運営で世界大手の米ラスベガス・サンズがIR事業を断念した。

直近5月12日には、マカオを本拠地とするサンシティグループホールディングスが和歌山県のエントリーを辞退した。コロナ感染拡大などで世界経済の先行きが不透明であることなどを撤退の理由としている。

これにより和歌山県は6月2日にもう一つの公募者であるクレアベストニームベンチャーズ(カナダ)を優先権者候補に選定したと発表している。人工島、和歌山マリーナシティ(和歌山市)への誘致をめざして整備計画を作成し、申請期限の2022年4月28日までに国に申請する。2027年秋ごろの開業を予定している。

IR施設は国際会議場や展示施設、宿泊施設などが一体となったもので、IR実施法ではカジノ施設の床面積は3%以内にすることが条件となっており、展示施設も2万u以上、宿泊施設は客室の総面積が10万u以上などしている。

和歌山県に提案したクレアベストの施設計画によれば、MICE施設(国際会議場・展示場等)では、国際会議場が延床面積約4.5万u、展示等が同約14.3万uとなっている。大会議場には3000人が収容できる。

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カナダのクレアベストがイメージする和歌山県のIR施設パース

このほか日本遺産ミュージアムやレストラン、e-SPORTS施設、インドアスカイダイビングなど「魅力増進施設」を併設する。宿泊施設は延床面積21万uで総客室数が約2700室を見込んでいる。計画自体の総延べ床面積は56.9万uだ。

初期投資額としては約4700億円を計画している。開業後4年目の2030年の見込み数値としての経済波及効果は約2600億円を見込んでいる。雇用創出効果は1.4万人ほどとした。

このほか長崎県では、佐世保のハウステンボスの隣接地に31haのIR施設を整備したい計画だ。応募のあった中から8月に事業者を選定する。

大阪府と大阪市は、事業者に求める条件などを修正しながら誘致に向けて動いている。コロナ禍で社会経済活動が変容したことを受けて、2020年代後半の全面開業にこだわらず部分的にでも開業にこぎつけたい考えだ。

大阪の IR事業者の公募に唯一参加しているMGMリゾーツ・インターナショナル(米国)とオリックスの共同グループが1兆円規模の投資をすることが7月18日に報じられ、それによれば2028年の開業を目指すとしている。大阪では2025年に大阪・関西万博の誘致もめざしており、IRと万博誘致に成功することで地元経済活性の起爆剤として期待している。

地域活性、不動産需要の高まりに期待

カジノ誘致推進派は、いずれの地域も地域の衰退を防ぐために資金を呼び込みたいとの見方である。そうした中で、不動産投資家にとってもIR施設誘致が収益機会の拡大につながるのかに注視する。不動産関連で恩恵を受けそうな領域としては、高級ブランドや飲食・サービス、賃貸住宅と見られる。

IR施設で働くスタッフなどの住宅需要により賃貸住宅の需要が伸びる。誘致に手を上げている自治体の地元の不動産事業者は、「分譲住宅としては立地的に今一つとなりそうだが、家賃の上昇と空室率の低下に期待できる」と口をそろえるのが特徴的だ。

現段階ではポストコロナの世界観がはっきり見いだせないものの、コロナ前の生活スタイルに近いものになれば賃貸住宅を民泊など訪日客向けに貸し出すことも可能だとする。

それを見越して、今が仕込み時期なのかと思考が働きがちだが、前述したように撤退する自治体や事業者が出ている中でいま動くのは現実的ではなさそうだ。

カジノ需要を見込んだ収益物件はニーズが消滅する可能性をはらんでいる。まさにゼロサムの世界で、賃貸不動産経営そのものが博打化しかねない。そうなれば投資ではなく本末転倒である。カジノ誘致の動きと連動した不動産投資はもうしばらく様子を見た方がよさそうだ。

健美家編集部(協力:若松信利)

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