抽選倍率13倍!
東京駅前にブルガリ小学校!?
11月下旬、東京・中央区のサイトに、来年4月入学予定の新小学一年生を対象にした、通学区域外からの入学希望者の抽選結果が公表された。
14人の枠に182人の応募が殺到、抽選倍率13倍の超人気校は、中央区立城東小学校。2022年夏の開業を目指して三井不動産が開発、建設を進めている「東京ミッドタウン八重洲」(中央区八重洲2丁目、地上45階地下4階建て)の1-4階部分が、その校舎となる。
東京駅八重洲南口の目の前、外堀通りに面した超一等地に1962年に設立された城東小は、同地の再開発に合わせて、現在は阪本小(中央区日本橋兜町)に仮移転中。
新校舎の入る東京ミッドタウン八重洲には、商業施設やバスターミナルの他、39-45階に「ブルガリ ホテル 東京」が日本初進出するとあって、「ブルガリ小学校」と話題を呼んだ。
城東小の本来の通学区域は、中央区八重洲、京橋、日本橋。日本随一のオフィス街とあって児童数は減り続け、一時は存続の危機を迎えたほどだった。
学校選択制を導入、
湾岸タワマンからスクールバス通学も可能に
一方、同じ中央区では、月島、勝どき、晴海、佃の湾岸エリアにタワーマンションが乱立し、子育て世帯が多数入居。同エリアの小学校は教室数が足りなくなるほどパンパンの状態に陥った。
そのため、区は2009年に学校選択制を導入。城東小や泰明小(中央区銀座、ブルガリと同じイタリアの高級ブランド「アルマーニ」の制服を導入し、「アルマーニ小学校」と呼ばれる)など、児童数が減少している区内の小学校を「特認校」として、区内全域から通学可能にした。
さらに、湾岸エリア4ヶ所から城東小、阪本小、常盤小(中央区日本橋本石町4丁目)に無料のスクールバスを走らせている。
湾岸部のタワマンに住みながら八重洲、日本橋エリアの伝統校に通えるこの制度は大きな注目を集め、タワマンの営業トークにも盛んに使われているほど。
現在、中央区の特認校は、上述の城東、泰明、常盤、阪本に京橋築地小(中央区築地2丁目)を加えた5校。中でも、城東小を理数教育の、常盤小を国際教育のパイロット校に指定し、先進的な独自カリキュラムを導入しているため、この2校は人気が高い。
特に来夏に話題の新校舎への移転を控えた城東小の人気は凄まじく、冒頭で伝えた通り、抽選倍率は今年も13倍を超えた。(昨年は13.7倍)新校舎完成後は学級数を現在の1学年1クラスから倍増させる予定とはいえ、狭き門であることに変わりはない。
制度で希望の公立小を選べる魅力
子育て世帯のプライオリティは教育
ただ、中央区民であれば、どこに住んでいようと例年10月に受け付けられる特認校制度に申請し、挑戦に応募する権利がある。子育て世帯にとって、この権利の魅力は大きい。住まい選びのプライオリティを教育環境に置く人が多いことは、不動産広告に並ぶ宣伝文句を見れば明らかである。
豊洲、有明、東雲(江東区)、芝浦、港南(港区)、晴海、勝どき、月島、佃(中央区)など、タワーマンションが林立する湾岸エリアにはそれぞれ特徴がある。
湾岸タワマン投資を考えるなら、ぜひ「公立小学校区」という要素も頭の片隅に入れていただきたい。
健美家編集部(協力:
(おおさきりょうこ))