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鉄道運賃の値上げ相次ぐ!東急、西鉄、近鉄も 都心に近い沿線物件が有利に!

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2022/01/13 配信

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東急電鉄は東横線、田園都市線など6路線を来年3月から
世田谷線は10円、こどもの国線は据え置きに

新型コロナウイルス禍による経営悪化を背景に、鉄道各社が相次いで運賃を値上げし始めた。

東急電鉄は2023年3月から主要路線の初乗り運賃を、130円から140円へ10円値上げする。西日本鉄道は昨年3月、10~40円値上げした。JR東日本、西日本などは、多くの通勤客にとり実質値上げになる「時間帯別運賃」を検討中。賃貸経営にとっては、交通費を抑えられる鉄道沿線の都心に近い立地がますます有利になりそうだ。

東急電鉄は今月7日、運賃の値上げを国土交通省に申請したと発表した。23年3月から、主要路線の初乗り運賃を130円(ICカードを使った乗車は126円)の初乗り運賃を140円に引き上げる。値上げの申請は、消費税増税時を除くと、2005年以来17年ぶりだ。

東急電鉄の資料から
東急電鉄の資料から
東急電鉄の資料から
東急電鉄の資料から

対象路線は東横線、目黒線、田園都市線、大井町線、池上線、東急多摩川線の6路線。運賃を値上げするのは、首都圏の大手私鉄では初めてとなる。

初乗り以外の運賃も、1割程度値上げするという。例えば「渋谷~横浜」間だと、280円から310円(ICカード使用は272円から309円)になる

一方、世田谷線の初乗り運賃は150円から160円(ICカード使用は147円から160円)となる。こどもの国線は据え置き。定期は通勤定期を値上げするが、通学定期は「家計負担に配慮し」(同社)据え置くとしている。

なぜ値上げするかについては、「新型コロナウイルス感染症拡大によるテレワークなどの新しい生活様式の定着により、とくに定期利用者が同業他社と比較しても大きく減少している」と説明。今後についても「コロナ前の需要水準には戻らないと想定され、厳しい経営状況にあります」としている。

西日本鉄道は10~40円 天神大牟田線250円→260円など
近鉄GHD社長も「早期の値上げ目指す」

東急に先立つ昨年3月に運賃を10~40円値上げしたのは西日本鉄道(福岡市)だ。西日本鉄道の運賃変更は、消費税増税時を除くと、1997年以来となる。

天神大牟田線(太宰府線、甘木線含む)では、250円を260円へ、190円を310円へ、350円を360円へ。貝塚線200円を210円へ、230円を260円へ、270円を310円へ、とした。

値上げの理由は、やはりコロナだ。同社は「新型コロナウイルス感染症の影響によりお客さまが減少しているなか、今後も安全・安心で持続的な輸送サービスを提供し続けるため、運賃の値上げを行うものです」としている。

関西の私鉄でも値上げの動きが出ている。近鉄グループホールディングス(GHD)の安本幸泰副社長は昨年11月12日に開いた2021年9月中間連結決算の発表記者会見で、鉄道運賃の値上げについて「早期の実施を目指す」と述べた。

近鉄の資料から
近鉄の資料から

同社の9月中間連結決算は、マンション販売の伸びなどで、前年同期の314億円の最終赤字から120億円の最終黒字に回復した。しかし、鉄道収入はコロナ前の水準にほど遠く、収益改善のため値上げに踏み切る考えだ。

JR東日本、JR西日本、JR東海は「時間帯別運賃」検討
ラッシュ時の運賃を上げ、空いている時を下げる

一方、JR東日本やJR西日本、JR東海は、ラッシュ時の運賃を割高にして乗客を分散させ、時差通勤や時差通学を促す「時間帯別運賃」の導入を検討している。

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たとえば、混み合う朝や夕方のラッシュ時の運賃を高くし、比較的空いている昼間の運賃を安くすれば、通勤客や通学客は昼間に流れ、混雑の緩和や需要の平準化につながるのではないかという発想だ。

利用客にとっては、自由に通勤時間や通学時間を動かすことができれば鉄道運賃の節約になるだろう。

しかし、大半の人は簡単には通勤時間や通学時間を動かせない。「時間帯別運賃」の導入は、実質的に通勤・通学費用の負担増加につながることになるはずだ。

このように、私鉄が運賃を引き上げを始め、JRは多くの人にとって値上がりとなる「時間帯別運賃」導入を検討している。

賃貸経営の観点からいえるのは、鉄道運賃が値上がりするなら、鉄道沿線でも、運賃の負担を抑えられる都心までの距離が近い場所のほうが、距離が遠い郊外よりも立地として有利であるということだ。

通勤に関しては会社が費用を負担するだろうから、入居者自身の懐が痛むことはない。しかし、コロナ禍で経営が苦しい企業は多い。コスト削減の観点から、通勤費用がかからない場所に住むことを社員に推奨する企業は少なくないだろう。

加えて、企業のテレワークに対する姿勢は後退し、出社しての仕事が再び多くなる可能性は高い。

この結果、出社に便利な賃貸物件のニーズが高くなり、「鉄道沿線」「駅近」などの条件が再び重要になることは、昨年12月21日配信の「政府がテレワーク目標を取り下げで『出勤7割削減』を撤廃!再び出社に便利な『鉄道沿線』『駅近』有利か?」でも指摘した通りだ。

足元では新型株「オミクロン株」などの感染拡大の傾向があるものの、ワクチンや治療薬もそろい、コロナは以前ほど「恐い病気」でなくなっている。通勤するスタイルが仕事の中心になる傾向は、今後も続くだろう。鉄道沿線の都心に近い立地の賃貸物件がますます有利になることは間違いない。

取材・文:小田切隆(おだぎりたかし)

■ 主な経歴

経済ジャーナリスト。
長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。

■ 主な執筆・連載

  • 「経済界」(株式会社経済界)
    「月刊経理ウーマン」(研修出版)
    「近代セールス」(近代セールス社)
    ニュースサイト「マネー現代」(講談社)など

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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