• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

2,895アクセス

少額家賃でも悲惨なことに!契約時には公的身分証明、毎月入金確認→すぐ督促。このルーティンを怠るなかれ。

賃貸経営/トラブル ニュース

トランクルームの滞納案件を受託した。居住用の賃料よりは低額なので、滞納金額は20万円弱。この安さが、油断してしまった原因だろう。気がついた時には、賃借人と連絡がつかなくなってしまっていた。

この案件には、問題点がいくつかあった。
トランクルームという気安さから、契約時に身分証明書をとっていなかった。滞納状態に気がついたとき、賃貸人側が法人で契約当初の担当者はすでに退社していた。そのため事件の詳細を把握することができなかった。金額が少額だったため、賃借人は1年分を前払いしていた。

トランクルーム(イメージ)
トランクルーム(イメージ)

滞納はすぐに督促しなければ回収率は下がる

一般的に、滞納督促は時間との闘いとなる。一日でも遅れれば、回収率はぐっと下がるのだ。なぜか? 滞納の陰には、他の借金が隠されている。そのために最初はビクビクしながらの滞納であっても、督促がなければ生活が楽になるために易きに流れてしまう。

そもそも収支のバランスを崩している滞納者なのだから、滞納させてしまうともはや自力で改善できなくなる。だからこそ滞納させてはいけないのだ。そのためには「払わなければならない」と督促を繰り返すしかない。

ところが一年分を先に払ってもらったものだから、賃貸人側も気が緩んでしまったのだろう。居住用で年払いなぞ皆無だろうが、どのような場合であっても、必ず約定日には支払いの有無は確認しなければならない。その上で未確認であれば、「なぜ滞納なのか」「現実的に払えるのか」「いついくら払うのか」を確認し、必ずその約束が実行されるかどうかも確認しなければならない。

残念にもその約束が守られなければ、賃借人側の経済状況は完全に破綻していると受け止めよう。この場合には、これ以上督促したところで「無い袖は振れない」。一日でも早く、賃借人にとって「身の丈に合った」物件への転居を促そう。

賃料は毎月支払うからこそ、賃借人側の状況を把握することができる。今回のような場合には、危険を早期にキャッチすることができない。せめて半年を過ぎた頃から「次の支払い時期のご連絡」を口実に、コンタクトをとっておくことが必要だ。

似た話で、年金受給月に2ヶ月分を支払っている賃借人もいるが、これも同じと考えよう。もし一回飛んでしまったら、次は4ヶ月後になってしまう。年金は2ヶ月に一回の支給であったとしても、賃料は約定通り毎月の支払いを促そう。お金のコントロールがちゃんとできているか、判断する重要な材料となる。

公的な身分証明書は必ずもらっておこう

賃借人と連絡がつかなくなったら、まず賃貸人側は契約当初の身分証等を手掛かりに住所を追っていくことになる。ところが公的な身分証明書がなければ、申込書や契約書に書かれていることを信じるしかない。

今回は契約書に書かれた住所に行ってみると、そこは空き地だった。契約時には建物が存在して住んでいて、その後に取り壊されたのか、それとも最初から適当な住所を書いたのかは今となっては分からない。念のため住民票の除票を請求したが、残念ながらこちらも「該当なし」だった。こうなってしまうと、もはや賃借人を追うことはできなかった。

部屋は当然ながら、トランクルームや駐車場であっても、契約時には必ず公的な身分証明書や運転免許証のコピー等は必ずもらっておこう。最悪を想定して、その時にお手上げにならないように備えておかなければならない。

今回の場合、相手方が行方不明ということで明け渡しの訴訟を提起するしかなかった。この場合、賃借人に訴状が届くことはないので「公示送達」という手法で、裁判手続きをすることになる。当然、相手方は自分が訴えられたことを知る可能性は低いので、通常の手続きより時間がかかってしまう。当然にその間、回収できない滞納賃料がさらに加算されてしまうのだ。

結局、月数千円のトランクルームで、身分証がない、督促する機会がなかったため、気が付いたら賃借人が行方不明になってしまっていたということで、何十万も費用かかかってしまう結果となってしまった。これでは何していることやらだ。

ここで学ぶべきことは、「毎月きちんと入金を確認できるようにする」「支払なければ、すぐに督促する」「契約時には公的な身分証明を取得しておいて、定期的(更新ごと等)に入居者情報をアップデートする」ということ。

イレギュラーなことは後で必ずトラブルになる可能性を秘めているので、記録を残しておく。基本的なことだが、賃貸経営で絶対的に押えておくポイントだろう。

太田垣章子(おおたがき あやこ)

【プロフィール】
司法書士・章(あや)司法書士事務所代表
平成14年から主に家主側の訴訟代理人として、悪質賃借人の追い出しを延2000件以上解決してきた賃貸トラブルのエキスパート。徹底した現場主義で、早期解決のためにトラブルある物件には必ず足を運んできた。現場で鍛えられた着眼点から、賃貸トラブルの解決を導く救世主でもある。著書に「家賃滞納という貧困」(ポプラ社)「賃貸トラブルを防ぐ・解決する安心ガイド」(日本実業出版社)がある。

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資ニュース

不動産投資ニュースのライターさんを募集します。詳しくはこちら


ニュースリリースについて

編集部宛てのニュースリリースは、以下のメールアドレスで受け付けています。
press@kenbiya.com
※ 送付いただいたニュースリリースに関しては、取材や掲載を保証するものではございません。あらかじめご了承ください。

最新の不動産投資ニュース

ページの
トップへ