建物は未来永劫建っている訳ではない。自分の代で取り壊すか、次世代で取り壊してもらうか、はたまたどこかで売るか、そのどれかになる。取壊しとなると、一筋縄でいかないのが、立ち退き交渉。ついつい億劫になって避けてしまいがちだが、それを次世代に持ち越されれば、引き継いだ者はたまったものじゃない。
相続であれ売買であれ、物件を承継した→立ち退き交渉をする、これがいちばん難しい。入居者は「前の家主さんは、こんな強引なことをしなかった」と反発できるからだ。家主が変更すると、賃借人側が気にするのは1点。今まで通り住めるかどうかだ。
家主が新しくなって、住環境が良くなることは大歓迎。ここは問題ない。むしろ古い建物なら「立ち退きを要求されるのでは」「家賃の値上げを言われるのでは」「怖い家主だったらどうしよう」など入居者の心配は尽きない。
そんな中で「取り壊しますので立ち退きを」とでも言われようものなら、そら来た!とファイティングポーズを取らざるを得ない。
人間関係が薄ければ薄いほど、人は文句が言えてしまう。だから相続で物件を承継した、売買で買った後の立ち退き交渉は、かなり難しいと認識しておいた方がいい。

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