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太田垣章子の「トラブル解決!」問題の多い入居者!でも滞納以外の理由で追い出すのは大変

賃貸経営/トラブル ニュース

「入居者と連絡がつかないの」と困り果てた家主から相談があった。内容は、賃借人と連絡がとれず、何年もその部屋の消防器具の点検や排水管洗浄ができていないということだった。

排水管洗浄は、一棟全体をしていかないと滞る場所ができて困るのにと嘆いていた。同時に家賃も遅れ気味だが、こちらは家主が一生懸命に督促をして、何とか回収してきているということだった。

ここで絶対的に押さえておいて欲しいポイントは、家賃滞納以外のトラブルで退去してもらうことは法的には非常に難しいということだ。

そもそも賃借人が滞納していて、滞納というより問題のある困った賃借人だから出て行って欲しいと思うなら、督促してはいけない。

入金ある限り、裁判所もそう簡単に「明け渡しの判決」は言い渡さない。だから督促をせず、滞納状態をキープさせることが重要なのだ。そしてタイミング見計らって、家賃滞納の債務不履行で訴訟するのがいちばん簡単に退去させられる。

残念ながら家主の懸命な督促の甲斐あって、滞納がない状態を作り上げてしまっていた。
玄関

改善を求めるときは裁判官の目を意識する

滞納以外を理由に明け渡しの判決をもらうためには、家主側はこれだけ努力したけれどそれでも改善されなかった、賃借人とは信頼関係が築けない、だから裁判所、何とかしてくださいよ、という流れをつくる必要がある。

そのためには裁判官に家主側が「これだけ努力した」ということを証明しなければならないので、口頭で注意や改善を求めたとしても何の役にも立たない。必ず書面が必要となる。

この書面が、実はとても重要で問題なのだ。当事者は頭にきているので、どうしても攻撃的な文言になりがちだ。権利をどんどん主張したり、きちんとしてくれない賃借人を責める文言が並んだとしても仕方がないかもしれない。

しかし!だ、それを見た裁判官はどう感じるだろうか。

「こんなきーきーきゃーきゃー言われたら、賃借人も嫌になっても仕方がない」と言ったように、賃借人保護に傾いてしまう。そのため賃借人に何らかの書面を出す場合には、必ず@冷静に A淡々と B事務的に 賃借人にではなく裁判官に主張するように、意識して用件を伝えよう。

さらに忙しい裁判官が、パッと見て一目で内容を把握できるように、シンプルな書面を意識すること。文章をつらつら書くより、余白を多くとり、ビジュアルで訴えるように重要な文字は大きく太字で見やすくしよう。

書面に拘るのは意味がないように感じるかもしれないが、裁判官にアピールするために、この工夫は絶大な効果をもたらしてくれる。

必要な修繕等に協力しない賃借人は追い出せる

今回の賃借人は、室内に立ち入られたくないという理由で消防点検を拒否。さらに台所・洗面・浴室の配管洗浄も無視していた。実際のところ、これだけで「明け渡し」の勝訴判決が言い渡されるのだろうか。

結論的には先の証拠を積み重ねれば、勝てる(追い出すことができる)。ただしくどいようだが、勝てるだけの証拠(書面等)を揃えることが絶対的条件となる。

家主や管理会社が学ぶべきことは、いかに裁判官の同情を買うか、という視点。一般的に賃貸トラブルの場合、圧倒的に賃借人保護に傾いていて、住む場所を奪う明け渡し判決を裁判官は言い渡したくない。

だからこそ絶対に、自分の権利主張ばかりを全面的に押し出してはいけないのだ。そこはさらっとピリッと主張し、むしろ「そりゃ家主もダイヘンだわ」と思わせなければならない。

家主も賃借人の犯した悪い部分を「鬼の首とったり」ですぐに責めることをしてしまいがちだが、ここはきちりと証拠の写真をとったり裏をとり、そこから「どう攻めていくか」冷静に考えて欲しい。

証拠をすぐに賃借人側に見せてしまうと、敵も慎重になりさらなる証拠が掴みにくくなってしまう。結果、困った賃借人を追い出せなくなるのだ。

「賃借人を追い出したい」そう感じたときには、何を理由(根拠)に出せるのか、そのためにはどれだけの証拠が必要なのか、その証拠をどう作っていくのか、そこまで考えてから賃借人とコンタクトをとる必要がある。

無策でいくと玉砕してしまい、追い出せない、もしくは追い出すのにかなりの時間を要してしまうことを肝に銘じて欲しい。

執筆:太田垣章子(おおたがき あやこ)
章子先生
【プロフィール】
司法書士・章(あや)司法書士事務所
平成14年から主に家主側の訴訟代理人として、悪質賃借人の追い出しを延2000件以上解決してきた賃貸トラブルのエキスパート。徹底した現場主義で、早期解決のためにトラブルある物件には必ず足を運んできた。現場で鍛えられた着眼点から、賃貸トラブルの解決を導く救世主でもある。著書に「家賃滞納という貧困」(ポプラ社)「賃貸トラブルを防ぐ・解決する安心ガイド」(日本実業出版社)がある。

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