「入居者と連絡がつかないの」と困り果てた家主から相談があった。内容は、賃借人と連絡がとれず、何年もその部屋の消防器具の点検や排水管洗浄ができていないということだった。
排水管洗浄は、一棟全体をしていかないと滞る場所ができて困るのにと嘆いていた。同時に家賃も遅れ気味だが、こちらは家主が一生懸命に督促をして、何とか回収してきているということだった。
ここで絶対的に押さえておいて欲しいポイントは、家賃滞納以外のトラブルで退去してもらうことは法的には非常に難しいということだ。
そもそも賃借人が滞納していて、滞納というより問題のある困った賃借人だから出て行って欲しいと思うなら、督促してはいけない。
入金ある限り、裁判所もそう簡単に「明け渡しの判決」は言い渡さない。だから督促をせず、滞納状態をキープさせることが重要なのだ。そしてタイミング見計らって、家賃滞納の債務不履行で訴訟するのがいちばん簡単に退去させられる。
残念ながら家主の懸命な督促の甲斐あって、滞納がない状態を作り上げてしまっていた。
改善を求めるときは裁判官の目を意識する
滞納以外を理由に明け渡しの判決をもらうためには、家主側はこれだけ努力したけれど
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