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太田垣章子の「トラブル解決!」ニセの連帯保証人に要注意

賃貸経営/トラブル ニュース

2020/03/20 配信

bb10433ed0286f3b45962affb241c145_m賃貸借契約には連帯保証人はつきもので、家賃保証会社がスタンダードになったのは、この15年ほどだろうか。それ以前の契約は、お身内の連帯保証人が緊急連絡先の要素も兼ねてほとんど存在したはずだ。

そもそも賃貸トラブルは滞納だけではない。それ以外にも音の問題や、素行が悪い、夜逃げした、クレーマー等々これでもかと言うほどある。そんな時に頼りになるのは、連帯保証人だ。万が一裁判となれば連帯保証人も被告なので、その辺りをやんわり伝えて追い込んでいくと「すぐ本人に言います! 退去させます!」と対応してくれたものだ。

私が受託する案件も、連帯保証人がいる場合には、早期解決することが圧倒的に多い。そのため人間関係で繋がっている連帯保証人は、手続きをする代理人からしても貴重であることは間違いないのだ。

連帯保証人はお身内ではなく第三者だった

家賃4万円。千葉のはずれにある木造アパートの滞納が始まった。この金額で支払いが滞りがちになると、かなり経済的に苦しい状況なのだろう。滞納者は40代後半の独身男性。この年齢でこの家賃が払えないとなると、今までどのような人生を歩んできたのか想像に難くない。

不思議なことに、この賃貸借契約には賃借人の友人が連帯保証人になっていた。連帯保証人と言えば多くはお身内なのだろうが、ここは「友人」。一般的に人付き合いは、それぞれの境遇が似通っている。あまりに生活レベルがかけ離れているということは、ほとんどない。

家賃4万円の物件を借りる賃借人の友人は、大概は同じような価格帯に住んでいるはずだった。ところが印鑑証明書を見ると、どうやらタワーマンションの上層階に住んでいる。あまりの不自然さに目がとまった。

ネットで調べていくと、連帯保証人は行政書士の肩書を持っていた。自分で事務所を構え、ホームページすらあったのだ。4万円の家賃が払えない賃借人と、タワーマンションに住む連帯保証人。身内でなければ、接点はどこだろう。考えられるとすると、小学校の頃の同級生とか……歳が似通っていたので、その辺りしか思いつかなかった。

手続きに入っても、賃借人の滞納は止まらなかった。毎月滞納額が加算されていく状態。現地に行っても夜逃げした印象はなく、未だ住んでいるようだった。一方の連帯保証人にしても、訴訟手続きの中でそろそろ訴状が手元に送達されているというのに反応がない。同じ士業として職責や倫理もあるだろうから、任意に話し合いをしませんかと連帯保証人に手紙を送ってみた。

あっぱれ強気の連帯保証人

ところが待てど暮らせど、連帯保証人からの連絡はない。訴外での交渉ができないなら、訴訟手続きで反応あるのかなと、その時はまだ私もそう思っていた。

予想に反して、連帯保証人は訴訟手続きの中でも、何も反応してこなかった。それよりも訴状を受け取らない、うちからの手紙にも反応しない、完全に無視をしている状態だった。

さすがにこれはおかしい。立場ある人間なら、訴訟手続きから外してもらえるよう、訴外で何とか話し合いをしてくるはずだ。

ところが自分が裁判の当事者の被告として訴えられているにも関わらず、何らの反応もしないということは確信犯ではないのか。相手が士業ということもあり、不覚にもようやくこのタイミングで疑うようになったのだ。

とにかくネットで検索しまくると、ようやく出てきた。連帯保証人である行政書士は、こっそり連帯保証する会社も経営していたのだ。なるほど……滞納者とは友人ではなく、ただ単に費用をもらってのプロ連帯保証人ということなのだろう。

生業としてお金もらって「連帯保証人」をしているのなら、正々堂々と訴訟でも対応して欲しいと思うのは当たり前のこと。ところがこのプロ連帯保証人、訴訟手続きが進んでいっても、やはり反応はなし。

結局最後まで何をしても反応はなく、原告側は賃借人に対しての明け渡しと同時に連帯保証人に対しても「支払え」という判決を得た。

一方の賃借人とも一度もコンタクトをとれずに、強制執行で明け渡し。身の回りの物だけ持って、夜逃げ状態。連帯保証人とも連絡がとれなかったが、家主が一度だけ電話がつながったときには「普通の世界に生きている人の喋り方じゃなかった」とのこと。

とにかく汚い言葉で怒鳴り散らすだけだったらしい。結局差し押さえるにしろ費用倒れになる可能性が高く、回収も深追いできない状況で終わった。

民法改正以降、大半が家賃保証会社利用となるはずだが、万が一連帯保証人をとる場合は、必ず関係性を確認しプロ連帯保証人を阻止するしかない。同時に今現在の契約で連帯保証人がついている場合は、一度しっかり確認した方が良さそうだ。

執筆:太田垣章子(おおたがき あやこ)

章子先生
【プロフィール】
司法書士・章(あや)司法書士事務所
平成14年から主に家主側の訴訟代理人として、悪質賃借人の追い出しを延2000件以上解決してきた賃貸トラブルのエキスパート。徹底した現場主義で、早期解決のためにトラブルある物件には必ず足を運んできた。現場で鍛えられた着眼点から、賃貸トラブルの解決を導く救世主でもある。著書に「家賃滞納という貧困」(ポプラ社)「賃貸トラブルを防ぐ・解決する安心ガイド」(日本実業出版社)がある。

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