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賃料減額請求。弁護士が教える新型コロナ対応。賃料は「減額」でなく「支払い猶予」に!

賃貸経営/トラブル ニュース

2020/04/24 配信

感染拡大で借主が賃料減額請求も
「賃料の50%、2カ月猶予」などで対応を

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、政府は「緊急事態宣言」を出すなどして、お店、会社の営業や外出の自粛を国民に求めている。国内経済は悪化する一方だ。

不動産オーナーにとって頭が痛いのは、借主から賃料の減額請求などをされることだろう。ことぶき法律事務所(東京都新宿区)の塚本智康弁護士は、賃料の「減額」でなく、「一部支払い猶予」といった対応をとることをアドバイスする。

政府は、感染の収束に向け、人との接触を「最低7割、極力8割」減らすよう求めた。サラリーマンの在宅勤務が増え、お店や会社の休業・時間短縮営業が相次いでいる。

派遣社員やアルバイトなどの非正規社員を中心に給料が大きく減り、住んでいる部屋の賃料を払えなくなってオーナーに減額を求めてくるケースの増える可能性がある。また、所有しているマンションやビルに入っているお店が休業となり、テナント料が入ってこなくなるオーナーも出てくるだろう。

この点に絡み、塚本弁護士はまず、「感染症によって借主が(自分の)営業を自粛せざるをえない場合であっても、賃貸借の対象となっている(マンション、アパートなどの)物件自体が使用できないわけではないので、賃料が当然に減額されるわけではありません」と説明する。

ただ、「国土交通省が(3月31日に不動産協会などの不動産関連団体を通じて)、賃料の支払いが困難な事情がある借主に対しては、その置かれた状況に配慮し、賃料の支払いの猶予に応じるなど、柔軟な措置の実施を検討するよう要請しています」と指摘。

これを踏まえると、「借入の返済などに支障がない範囲内で、お互いの状況を考慮して、柔軟に対応することが望ましいと考えられます。たとえば、賃料の50%について支払いを2か月間猶予するなどです」とアドバイスする。あくまでも、減額分をないものとしてしまうのでなく、あくまで支払いの時期を先延ばしする、ということだ。

保証会社には猶予期間後に請求可能
滞納3カ月で賃貸借契約解除できる

ちなみに、支払いを猶予した場合、借主が保証契約を結んでいる保証会社や保証人に対しては、「猶予期間中は保証会社や保証人に請求することはできませんが、猶予期間が終了した場合には、請求することが可能です」。

賃料の一部の支払いを猶予するのではなく、完全に減額してしまった場合は、「保証会社や保証人に対しても減額分を請求することはできません」という。

ただ、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、保証会社の経営が悪化したり、保証人の経済状況が苦しくなったりして、立て替えることができなくなることも考えられる。オーナーは賃料を取りはぐれる危険性が高まるが、どんな対応をとれるのだろうか?

塚本弁護士は「賃料3か月分の滞納が生じた場合には、賃貸借契約を解除することができます。借主が任意に明渡しに応じない場合には、建物明渡請求訴訟を提起して強制執行する必要があります」としている。
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保証人への権限委任を契約書に入れよう
資力を考えれば保証人より保証会社

今のところ、新型コロナウイルスの感染拡大は収束の兆しが見えない。いつか収束したとしても、長い目でみれば将来、同じように感染症が広がるなどして、賃料の減額請求や滞納といったリスクが強まる可能性はある。
これに備えて、オーナーが不動産経営にあたって取っておくべき対応はあるのだろうか。

塚本弁護士は、「今回、改めて保証会社や保証人の重要性が確認されたと思います」と指摘する。

その上で、「賃料の滞納により夜逃げが増えることも予想されます。あらかじめ借主から連帯保証人に対し、解約・明渡し・残置物処分の権限を委任しておく条項を契約書に入れておくことが、対策として考えられます」とする。

賃料の減額請求は、オーナーにとって頭の痛い問題だ
賃料の減額請求は、オーナーにとって頭の痛い問題だ

そして、保証会社を選ぶか保証人を選ぶかについては、「資力という点からは、保証会社の方がベターです」とし、「保証会社を選ぶ際は、必ず約款を見て、保証内容や免責事項を確認することが重要です」と説明している。

国際通貨基金(IMF))は、新型コロナウイルスの感染拡大によって、今後の世界経済が、1929年から30年代後半まで続いた世界大恐慌なみの落ち込みをみせると予想している。不動産賃貸業をめぐる環境にも、想定外の事態が起きるかもしれない。

塚本弁護士のような専門家の知恵も借りながら、オーナーは自分の身を守り、荒波を乗り切っていきたい。

【お話をお伺いした先生】
塚本智康(つかもと・ともやす)弁護士

1978年生まれ。2001年に中央大学法学部、08年に中央大学法科大学院を卒業。同年、新司法試験に合格し、09年、東京弁護士会へ登録、同年、ことぶき法律事務所に入所。モットーは「向上心」。東京都あきる野市生まれ。

取材・文 小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

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