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「太田垣章子のトラブル解決!」ペットトラブルが増えている

賃貸経営/トラブル ニュース

2021/10/21 配信

少子高齢化の日本では、何年も前に子どもの数よりペットの方が増えた。現在は空前のペットブームと言われている。さらにコロナ禍で、癒しのためにペットを飼う人たちが増えている。

それでもまだまだペット可物件が少ないので、隠れて飼う賃借人もたくさんいるのかもしれない。事実、私のころにも『ペット不可物件』でのペットトラブルは急増している。それ以外でも、ペットに関連するトラブルはとても多くなった印象だ。

空室をペット可にしよう

空室が長引くと、なんとか工夫をして入居者を確保しようとするが、それでもダメな時は『ペット可物件』にしようとする家主を多く見る。確かにペット可物件は少ないので、需要はあるだろう。

『ペット可物件』にさえすれば、入居者が確保できて賃貸経営が安定すると思うのだろう。ところがそう簡単にはいかない。

既存物件を後からペット可物件にするのは、たくさんの問題が潜んでいる。
たとえば途中からペット可物件にした場合、既存の賃借人から「アレルギーがあるので、わざわざペット不可物件を選んだのに話が違う。引っ越ししたいので、転居費用と損害賠償金を払って欲しい」このような申し入れがあったとしたら、ある程度家主側は対応せざるを得ない。

そのためいきなりペット可物件にするのは、非常に危険なのだ。
まずは既存の入居者全員に対し、「この度本物件をペット可物件にしたいと思っているのだが、どうだろうか?」とのお伺いを立てて、意見を請うことが必要だ。

その上で了解が得られたなら、現在の入居者の方々に対しても、もしペットを飼うようになれば、どのような契約書にするか検討しなければならない。最初の入居条件とは違ってくるので、原状回復も含め、クリーニング代等もどうするのか決めておかねばならない。

つまりいきなり空室だけの『ペット可』にするのは、あまりにリスクがあるので、やるなら一棟全部にしなければならない。そのときには賃貸借契約の条件等も、しっかり決める必要がある。

最近のペット可物件の原状回復案件がひどすぎる

以前は「ペットを飼わせてもらっているのだから」と、とても綺麗に部屋を使ってくれる賃借人が多かったように感じている。またペットだけのお留守番も、少なかったのかもしれない。

ところが最近私のところに持ち込まれる原状回復の案件は、ペットの躾がまったくされていないのか、目を疑うような退去後の状態が相次いでいる。

たとえば自由に糞尿させていたのか、フローリングが腐ってしまうことが多く、結局全体の張替を余儀なくされてしまうこともある。またクロスは引っかかれるだけでなく、下地まで穴が開いてしまうほどだ。それだけでなく、柱までもがりがりに削られてしまうようなことも少なくない。

壁に穴

床が腐る

ドア

洗面所

そんな賃借人に限って、「敷金全額返せ」と言ってくる。弁護士が代理人につくときでさえ、「債務不存在」(払うべきものはない)を主張してくる。いったいこれのどこが、善管注意義務を守った結果だと言えるのだろう。家主側代理人の私は憤るのだが、正直、このような訴訟が本当に増えている。

ところがそのようなトラブルになる契約書を見てみると、やはりツメが甘い。ペット飼育に関する原状回復の詳細がほとんどないので、訴訟になったときとても不利になってしまう。このようなトラブルが多発していることを踏まえ、もっと契約書や重要事項説明書で具体的に保身した方がいい。

ペット可物件であれば、原状回復義務を具体的にこのようなときにはこうなる、このような場合にはこう請求する、と明確に記載した方がいい。また貸す場合には、これらを明記して「この内容で借りることを納得した上で、ルールを守ります」といった誓約書にサインをもらっておくことも重要だろう。

昨今の賃借人は、仕事のため昼間不在で、ペットに留守番させるケースが多い。こうなるとペットのストレスも倍増して、いたずらすることも致し方ないのかもしれない。留守宅にする場合には、必ずゲージに入れることも条件にするか検討することも必要だろう。

またペット不可物件の場合には、隠れて飼われたときのペナルティも盛り込むことは必要だと思う。その時、ペット全てがダメなのか、たとえば小さな亀ならいいのか等もきちんと決めて、そこは特約事項に明記。

万が一、違反している賃借人を見つけた場合には、こういう措置を取るのでご注意くださいと予めアナウンスしておく必要があるだろう。

先日賃貸物件で大蛇が逃げ出して、大騒動になったのは、記憶に新しいと思う。ペットは犬や猫だけではない。その辺りもしっかり検討し、保身できるように書面で武装することをして欲しいと思う。

執筆:太田垣章子(おおたがきあやこ)

太田垣章子

■ 主な経歴

OAG司法書士法人 代表
平成14年から主に家主側の訴訟代理人として、悪質賃借人の追い出しを延2,000件以上解決してきた賃貸トラブルのエキスパート。徹底した現場主義で、早期解決のためにトラブルある物件には必ず足を運んできた。現場で鍛えられた着眼点から、賃貸トラブルの解決を導く救世主でもある。

■ 主な著書

  • 「家賃滞納という貧困」(ポプラ社)
  • 「賃貸トラブルを防ぐ・解決する安心ガイド」(日本実業出版社)など

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