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無くならない「事故・事件・心理的瑕疵物件」の増加でも入居者はいる

賃貸経営/トラブル ニュース

2022/02/01 配信

賃貸住宅オーナーが空室対策と並んで懸念することの一つが事故物件の取り扱いだ。事件・事故に巻き込まれて入居者が亡くなった後に「新たな入居者が住んでくれるのだろうか」と空き家のまま持ち続ける不安がある。

事件・事故が無くなることはない。自殺者も多い。警察庁は2021年12月末時点の速報値として自殺者の総数は2万0830人(2022年1月14日集計)となっている。自ら命を絶つだけでなく独身高齢者が増加していることで孤独死リスクが高まっている。

こうした事故物件を受けてのガイドラインができた。国土交通省は、2021年10月に「不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会」での議論を踏まえて「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定した。

その中で賃貸借取引では、事故・事件など不慮の死が発生してからおおむね3年が経過した後は消費者に原則告げなくともよいとした。告知に関して一定の線引きができたことで不動産事業者や賃貸オーナーにとって朗報となった。

ただし、死後の経過期間や死因に関わらず買い主や借り主から事故・事件の有無を問われた場合、社会的な影響の大きい特段の事情があると認識した場合などは告げる必要があるとしている。「3年過ぎれば入居者に教えなくていい」となっているわけではない。

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お隣さんにどのような人が住んでいるのかわからない、興味がない、という状況を少しでも改善することが事故物件の早期発見につながる(写真はイメージ)

特殊清掃できない人の心理にどう対応するか

事故・事件のあった物件では早期の発見が一番重要になる。長く発見されずに腐敗が進んだ段階では特殊清掃を施しても痕跡を消すことが難しくなるためだ。

特に木造建ては、腐敗した体液などが床に染み込んで下の天井まで染みが見えるまで発見されないと結構な損害を受けることになる。コンクリート造であれば表面を削り取るなどの対応が可能だが、木造はそうはいかずに取り壊しや建て替えを余儀なくされるケースが出てくる。

しかし、早期に発見できれば後処理だけでまた使えるようになる。とは言っても入居者の心理までは特殊清掃できない。

空室のまま収益を生まない住戸となってしまうのは避けたいところだ。物件のキャッシュフローに響き、資金の返済計画に影響を与える。そうであれば、家賃を下げて対応するしかない。事故・事件の痕跡を感じさせない後処理さえしっかりしておけば気に止めずに入居する人はいる。ちみなに、特殊清掃ではボヤ(火災)の匂いを取る仕事もテリトリーとされている。

後処理次第と賃料次第で入居者は付く

「特に外国人の場合は、部屋が清潔であれば入居してくれることの方が多い。私の経験で言えば、東南アジア系の人が安い家賃を気に入って内覧から1週間ほどで賃貸借契約を結んだ。

コロナの今は、日本にいる外国人留学生がバイトをできずに安い家賃を求めているので、そうした新型コロナウイルス感染拡大の影響をモロに受けた人の受け皿になりつつある」(都内の不動産事業者)との声が聞かれる。

日本人でも同様だ。大学生やエンターテインメント系で働く人、飲食店で働く人など収入が急減した人たちはなるべく安い物件を探しているという。

賃貸住宅の入居者は駅から近い、商店街が充実している、会社まで近いといった利便性の高さを求めているので立地さえよければ、事故・事件の程度にもよるが大概は入居者が付くとしている。心理的瑕疵のある物件への入居者に寄り添った対応も鍵となる。

一方の住宅の売買は賃貸住宅とは勝手が違うようだ。家賃が販売価格に置き換わるが、安いからと言って購入に結びつけるのが難しい。筆者の個人的な情報であるが、昨年後半に知り合いが子どもの学校の関係で周辺県から東京23区に住み替えを検討していたときに「このマンション価格が高いときに妙に安い物件を3回紹介されてその理由を尋ねると、どの物件も事故・事件の心理的瑕疵のあるマンションだった。もちろん断ったが、こちらが尋ねるまでその情報を3物件とも言わなかったことに(業界の)体質を見た」と憤っていた。

ペット「猫」被害で特殊清掃のケースも

事故物件ではないがペットによる被害の後処理も事故物件並みの後始末が必要になるケースがある。特殊清掃を入れて対応した賃貸オーナーは、「猫の糞尿も取りにくかった。イオン脱臭装置を使っても匂いが取れなかったので、表面を削ったが匂いが抑えられなかった。最終的に削ったところにモルタルを塗って匂いを封鎖した」と話す。

その総額は500万円を超えた。マンションの和室の畳がブヨブヨになって畳を剥したらコンクリートまで糞尿が達していたほか、畳の柱が爪でガリガリやられて削れてしまい、部屋の壁紙も高い位置まで汚され、コンセントも腐食、玄関ドアの金属部分も錆びて取り替えたりと結構なリフォーム並みの手直しが必要だったという。

ただ、「これは予見性が高いのでオーナーは早期に対応できる」と今後は対応策を取っていくようだ。ペット可のマンションはそもそもが、それに対応した作りなので問題はないが、ペット不可なのに隠れて飼う入居者を予想して新貸借契約の際に違反した場合の懲罰的な事項を含めておけば抑止力になる。

例えばペットによる汚損は原状回復で全額負担してもらう、といった特約を付ける。ペットに限らずゴミ屋敷となった住戸の問題もある。賃貸住宅の経営は、物件が瑕疵化するリスクと隣り合わせで、そのリスクも高まっている。

健美家編集部(協力:若松信利(わかまつのぶとし))

■ 主な経歴

学生時代から不動産に興味を持ち個人的に不動産関連の記事を多数執筆。大学卒業後、不動産関係情報誌に20年以上勤務。現在は都内のIT会社に勤め、副業でいくつか投資関連の記事を担当・執筆する40代サラリーマン。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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