ADDress(アドレス)は、定額料金で日本全国にある家に住むことができるサービスを提供している。
コロナ禍以前から、住む場所に縛られない「自由さ」に憧れる人々の間で話題になっていた。コロナ禍では、リモートワークやワーケーションが脚光を浴びるようになり、ADDressに加入する会員数が増加。
そのため、ADDressは家を増やすため、今年5月から、戸建オーナーなどが空き部屋を貸しだすことができる「空き部屋貸しプラン」を始めた。

まずは簡単にADDressとは。
少子高齢化の時代に、ハードルの高い「移住」を促すのではなく、会員がその土地で「暮らすように生活する」事によって、地方で交流できるようにというコンセプトだ。
現在の定額料金は月4.4万円(税込)。
ADDressは会員と「賃貸借契約」を結ぶ形
民泊やゲストハウスとは適用する法律が違う
ADDress会員になった場合、他社と違う点は、
・基本的には「個室」を利用できる(物件によりドミトリーしかない物件もある)。
・二親等までの家族や固定パートナー1名までの同伴は無料(同じ部屋に滞在するので、1人分の月額課金だけでOK)
・家守(やもり)が存在。家の管理や、会員同士や地域とつなぐ役割を果たす。
いままではADDressの自社物件と、ゲストハウスなどの一部の部屋のみを扱っていた。
しかしコロナ禍でも会員が増えたため、「空き部屋」を持つ戸建オーナーなどからも部屋を提供してもらう仕組みを始めたそうだ。
契約形態も独特で、ADDressの場合は利用者(会員)とADDressが「賃貸借契約」を結ぶ。事前に本人確認などの審査も行われ、特定された会員しか利用できない。
ホテルやゲストハウスなどの場合は、宿泊予約をした「不特定多数」の人が泊まる形のため、適用される法律は「旅館業法」だ。民泊も、「不特定多数」の人が泊まるので、適用される法律は「民泊新法」。

空き部屋を貸し出すに当たって、準備が必要だ。
・無線Wi-Fiは必須
・テレワークできるように、個室にデスク&チェアなどを設置
・自炊する会員が多いので、会員が利用できる家電や備品などを用意

上記の写真のように、「必須の工事・備品」と、「必須ではないが、推奨される工事・備品」がある。
部屋を貸し出すことになったら、ADDressから年中対応の運営サポートがある。「借家人賠償保険」はADDress側が負担して加入する形だ。
ADDress独特の家守(やもり)
会員や地域をつなぐ役割を果たす
家守(やもり)は、物件の管理・運営や、会員同士や地域とつなぐ役割を果たす。
仕事の内容は、
・会員からの予約リクエスト対応や受け入れ対応など(キーボックスなど非対面でもOK)
・共用部の衛生面や備品の管理など(宿泊業ではないので、会員本人が身の回り一切を行うのが前提)
・会員同士をつないだり、地域の魅力を会員に伝える。

この「空き部屋貸しプラン」の場合は、戸建物件のオーナーが家守も務める形だ。
なお、1棟まるごとADDressへ貸し出したり、1棟のうち数部屋を貸し出したりする場合など、詳細については個別に確認してほしい。
オーナーが家守にならず、運営代行してくれる家守を立てても良いなど条件が変わるようだ。
「空き部屋貸しプラン」を始めたら、会員がその部屋を利用した日数により、ADDressから支払いが入る。1日2,000円からで、予約が入らなくても最低3日分は保証してくれるそうだ。
ただし、ADDressに貸し出した部屋は会員専用のスペースとなり、他社のブッキングプラットフォームと併用はできない。
もし1物件に2部屋あり、1部屋はADDress専用、もう1部屋は他社に登録する場合はOKのようだ。

なお、「空き部屋貸しプラン」を始めた物件オーナー兼家守は、自らもADDressの他施設を年間で最大10日利用できるそうだ。
詳細は「戸建てオーナー向け 空き部屋貸しプラン」へ。自分の物件でなくても、他のオーナーの物件を紹介する「物件紹介制度」もある。
健美家編集部(取材協力:野原ともみ)