退去後の汚れのうちでも手ごわいのがキッチン周りの焦げ。五徳や魚焼きグリルなどにこびりついてなかなか落ちず、清掃がやり直しになることも。そのままにしておくと内覧で悪い印象を与えてしまうため、なんとかしたいと思っている方も多いのでないだろうか。
テレビで取り上げられて売り上げ急上昇
そんな時に使ってみたいのが「こげとりぱっとビカ」(株式会社グリーンツリー関西)という商品。創業40年近い、ハウスクリーニングを手がける清掃のプロ向けに掃除道具や機械を売る会社が2011年に発売した商品で、汚れに塗布、そのまま置いておくだけで焦げをジェル状に浮かして取ってしまうというもの。

発売当初はそんなに簡単にしつこい焦げが落ちるわけがないと商品の良さが伝わらず、なかなか売れなかったものの、2019年に大阪の『ほんわかテレビ』に取り上げられて売り上げが一気に急上昇。
今ではネット上での口コミ評価は非常に高く、アマゾンでの評価は★4.3。雑誌その他でしばしば取り上げられている。







実際に使ってみた使用前、使用後を見ていただけば、その見事な落ちっぷりがお分かりいただけるだろう。力を入れてこするなどの必要はなく、誰でも簡単にきれいにできるのが特徴である。では、使い方を見ていこう。
アルミ製品、ガラストップにはこげとりぱっとビカ万能タイプを
まず、使えるのは鍋、やかん等のステンレス及び鉄製品、レンジ、オーブン、ガステーブル、焼き網、焼き肉用鉄板、タコ焼き用鉄板、ピザ用鉄板、パン・ケーキなどの焼き型、五徳、タイル壁、目地等に付着した焼き付き油汚れやべとつき油汚れなど。
逆に使えないのはアルミ、銀、銅、真鍮、亜鉛、すず、クロームメッキ等の金属製品、プラスチック等の樹脂製品、ホーロー、ガラス、鏡、漆器、竹や木製品、吸水する素材など。
アルミ製品やシリコン容器、ガラストップ、ホーロー製品については効き目がソフトなこげとりぱっとビカ万能タイプも発売されているので、そちらを使うのが手である。
用意するものは「こげとりぱっとビカ」、ビニール手袋、ナイロンブラシ(歯ブラシでも可)、ラップ、新聞、場合によってはビニール袋など。
絶対に忘れてはいけないのがビニール手袋。洗浄剤は強いアルカリ性なので手に付くと皮膚のたんぱく質を加水分解、表面が溶けてつるつるになってしまう。肌に付いたらすぐ水で洗い落とすようにするなど、使用時にも注意は必要だ。
といってもその点にだけ注意すれば使われている薬品自体は安全なもの。
「開発に当たっては安全性にこだわりました。プロ向けには毒物劇物取締法及び有機溶剤中毒予防規則に該当する薬品を使いますが、一般の方が使うものと考えるとそうしたものは使えません。安全で、でもよく落ちるものを。また、洗浄する鍋などの光沢を落とさず、傷をつけないよう研磨剤を含まない洗浄剤を目指し、何度もテストを繰り返して作りました」。と株式会社グリーンツリー関西の盛田友香さん。外部の開発事業者さんに委託、2〜3年かかって開発したそうである。
塗布して放置するだけで汚れがするり
使い方は簡単。容器をよく振って洗浄剤をきれいにしたい五徳などに塗布、洗浄剤が乾燥しないようにラップで密封、そのまま放置するだけ。塗布する時にはナイロンブラシを使うときれいに塗れる。
裏技としては温めて使うという手もある。
「よく何時間で落ちますかと聞かれますが、汚れの状況にもよるので一概に何時間でとはお答えできません。もし、早く落とそうと思ったら温めてください。この洗浄剤は基本10度以下になると効き目が弱まります。逆に温めると効果大。塗布後にラップしたものをビニール袋に入れて湯の入ったバケツに入れると早く落ちやすくなります。
奥の手としては食品を保存するビニール袋などに密封してお湯に入れるやり方があります。パイプヒーターが袋に当たらないように気をつけながらお湯を温めると落ちやすくなります。また、冬よりも夏のほうが時間がかかりません。鍋は使った後、熱がある状態で塗布するのも良いですね」。
それほど汚れていないもので3〜6時間、汚れがひどいからと一晩放置しても取れなかったら、同じことを何度か繰り返す。表面的な汚れの場合は大体は1回、多くても2回で落ちるが、こびりついて落ちにくいモノの場合には何度も同じ作業を繰り返す。
ちなみに例として挙げたバーナーリング、五徳の場合、数年以上放置されていたため、数回繰り返してようやくきれいな状態に。そこまで放置していなければもっと簡単にきれいになっただろう。
もうひとつ、使えるかなと思ったら隅で試してから使うようにしたい。
「最近の鍋、フライパンなどは単一の素材だけで作られていないことがあるので、不安に思ったら隅で少し試してから全体に塗布するようにしてください。ちなみにご家庭によくあるテフロン加工のフライパンには使えないのでご注意ください」。
いくつもの通販サイトで扱われているので商品名で検索すれば入手は簡単。これさえあればキッチンの掃除に手を焼くことはなくなるはずだ。
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健美家編集部(協力:
(なかがわひろこ))