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保証会社だけでは足りない負担を補填。保証会社、個人の連帯保証人無でも利用可、業界初サービスRACUHO

賃貸経営/商品・サービス ニュース

2023/04/17 配信

保証会社を利用していても家賃滞納が続く、強制退去になる、入居者が亡くなるなどで残置物撤去、原状回復費用その他が嵩み、保証会社の保証だけでは足りない場合がある。まして保証会社を利用していない場合にはほとんどすべてをオーナーが出すことになり、大きな負担になる。

家賃負担が発生する場合の例。それほど頻繁に発生するわけではないものの、一度発生すると多額に及ぶこともある
家賃負担が発生する場合の例。それほど頻繁に発生するわけではないものの、一度発生すると多額に及ぶこともある

そんな時に足りない負担を補填(保証)してくれるサービスが登場した。株式会社ラクーンレントRACUHO(以下、ラクホ)である。一体、どんなサービスで、どんな人にメリットがあるのかを聞いた。

12月にリリースしたサービスを3月に拡大

ラクホが誕生したのは2022年12月。保証会社を使っていても発生してしまうオーナー負担を補填、軽減するというサービスである。特徴は一般の家賃保証がオーナーと入居者、そして保証会社の三者の契約であるのに対し、ラクホはオーナーと保証会社の二者間での契約となること。

二者間契約の意味を図化したもの。三者間と違い、入居者との許諾、押印などが必要なくなる
二者間契約の意味を図化したもの。三者間と違い、入居者との許諾、押印などが必要なくなる

つまり、入居者に許諾を得る、判をもらうなどの必要がなく、保証会社と契約が結べるのである。もちろん、すでに入っている保証会社との縁を切る必要も知らせる必要もない。

この時点ですでに画期的なサービスなのだが、その後、3月にサービスが拡大した。最初の対象は保証会社に入っていて、それでもその保証だけでは足りない場合の補填だったのだが、3月のサービス拡大では新たに個人の連帯保証人や保証会社に入っていない状態でも保証を受けられるようになったのだ。

これにより、たとえば保証会社が一般的でない頃に入居、長く住んで高齢になってしまった入居者や連帯保証人も高齢化あるいは亡くなって保証が何もなくなった入居者にも保証を付けることができるようになった。

こうしたケースでは長く住んでもらっており、なかなか、新たに保証会社を入れたいとは言い出しにくいものだが、本人に伝えることなく、保証を用意することができるのである。

保証会社、連帯保証人とは関係なく補填を望む声多数

誕生した背景にはいくつかの背景がある。まずひとつは、オーナー、不動産会社からの要望である。

「12月の時点でオーナー向けの冊子等に広告を出し、直接情報を発信したところ、保証会社に入っていなくても、連帯保証人がいなくても利用できるサービスにして欲しいという反響が多く、それを受けてサービスの範囲を拡大することになりました」とラクーンレント経営企画部の佐々木悠氏。

料金プランは4種類。現状、保証会社を利用している人ならはみ出す部分のみと考えて比較的軽い負担で良いだろうし、保証会社に入っていない、連帯保証人にいないような場合には保証を大きめにするなどケースバイケースで考えたい
料金プランは4種類。現状、保証会社を利用している人ならはみ出す部分のみと考えて比較的軽い負担で良いだろうし、保証会社に入っていない、連帯保証人にいないような場合には保証を大きめにするなどケースバイケースで考えたい

この保証を利用するためにはまず、同社と基本契約を結び、その後に限度額の異なる4つの料金プランのうちのどれかを選択し、ラクホをかけたい案件ごとに申込をすることになるのだが、基本契約ベースで月に数十件以上の新規基本契約が続いているという。しかも、その伸びは月を追うごとに増えてもいるそうだ。

管理適正化を目指す自主管理オーナーも

オーナーからの要望としては複雑化した管理の整理という面もあるという。

「以前は管理会社に全部お任せというオーナーが多かったようですが、最近は管理会社任せではダメ、自分でやろうと自主管理を志向するオーナーが増えています。そこで保証会社を見直そうとした時に、古い契約でいろいろ不備はあるとしても、リスクヘッジのために複数の保証会社を入れている場合には一つひとつの契約を見直すのは手間。

そこで全体の不足を一度に埋める形で1棟まるごとラクホを利用というケースが出てきています。その場合には通常の料金よりもお得に利用できる、ボリュームディスカウントがあるので、それを利用して保証を受けようというわけです」とラクーンレント代表取締役社長の高山茂満氏。

オーナーの世代交代が進む中、保証へのニーズも多様化しているということらしい。

オーナー負担が大きくなりがちな大阪

もうひとつ、オーナーからの反応で興味深いのは大阪からの問い合わせが多いという点。

「最初は首都圏メインでしたが、現在は全国で展開。各地から問い合わせをいただきますが、その中でも目立つのが大阪。というのは大阪の賃貸契約では敷金、保証金がなく、礼金のみというケースが多々あります。その場合、原状回復の費用は保証会社によっては保証外となることもあり、多くがオーナー負担になってしまいます。

しかも、大阪の場合、敷金・保証金があっても家賃の1カ月分が多く、家賃2~3万円のワンルームでも原状回復に5万円ほどはかかることを考えると、オーナー持ち出しはもともと多い。そこに高齢化が加わっていますから、入居者には求償できず、オーナーは大変。それを補填したいと考える方が多いいのではないかと思っています」(ラクーンレント取締役副社長・中山和人氏)。

信販系保証会社の契約は継承できない

ちなみにもうひとつ、問合せが多いのは信販系保証会社を利用しており、管理会社を変更したというケース。この場合、信販系保証会社との契約が継続できないことが多く、となると入居者全員の保証が切れてしまうことに。それを解消するためにとラクホを選択する例が少なくないという。現在、信販系保証会社を利用している人は管理会社変更にあたっては熟慮が必要かもしれない。

保証会社を乗り換えずに使えるサービス

もちろん、サービスを提供するラクーンレントサイドの思惑もある。

「国交省に登録している会社は80社ほどですが、保証会社自体は大小合わせると200社ほど。かなり増えており、当然、値下げ競争が起こっています。私たちとしては同業他社としのぎを削り合うのではなく、共存するサービスはないのかを考え、今回のサービスのリリースに至りました。

これまでは他社から自社に乗り換えてくださいというしかありませんでしたが、乗換には抵抗があるというオーナーさんも多く、乗り換えなくても使っていただけるサービスはないかと考え、さらに高齢化に伴う問題も勘案した結果が今回のサービスです」と佐々木氏。

社会問題の解決にも寄与

オーナー負担の解消ももちろん、大きな目標だ。

「信販系保証会社の件から分かるように、オーナーが保証会社を選んでいるわけではなく、管理会社が選んでいるのが一般的。そうなるとオーナーにとって良い会社が選ばれているわけではなく、管理会社との付き合いその他から選ばれていることに。時にそのためにオーナーが大変な思いをすることがあり、それを防げればという気持ちがあります」と高山氏。

また、オーナーが高齢者等に貸して、それによって大きな出費を強いられるなど痛い思いをした場合、二度と高齢者には貸したくないと考えるようになる。高山氏は適切な保証によってそうした事態が起こりにくくしたいとも考えている。

「オーナーが過度な負担に疲弊、高齢者を排除するようになると、高齢者に部屋を貸そうという人が減り、高齢者の住まい問題の解決は難しくなります。それによって今後も多くの人が困ることを考えると、適切な補填でオーナーが辛い状況に陥らないようにすることは私たちにできる社会課題の解決なのではないかと考えています」。

入居者のリスクをどう見るか

多方面からの問題解決になりそうなサービスだが、いくつか気になることがあった。ひとつは入居者についての情報が少ない中で保証をすることにリスクはないのかということ。

「申し込み時にはオーナーから賃借人の情報を申告していただきます。勤め先その他詳細を知らないオーナーもいらっしゃいますが、支払い実績だけは分かるので、それがあれば問題ないと考えています。きちんと支払い続けてきた人はそれを評価されるべきで、もし、転職して支払いが辛くても、そうした人は払い続けてくれるはずだからです」。

逆にいえば支払い実績に難がある人の場合には保証が難しい場合もあり得るというわけだが、高山氏はうっかり忘れや軽微な遅れはあることとする。「リスクがある人はごく一部、健全な賃借人が大半のはずです」。

なぜ、これまで無かったサービスなのか

もうひとつ、入居者の高齢化、保証の空洞化は現場では以前から言われてきたことだが、どうしてこれまでこうしたサービスが生まれてこなかったのか。

「それは委託のない保証のハードルが高かったからです。一般的な家賃保証では賃借人から委託があることになっており、家賃が遅れた段階で保証会社は賃借人に請求をすることができます。

ところがラクホのように二者間保証で、賃借人からの委託がない場合には代位返済が行われてからでないと求償はできません。簡単に言えば先にオーナーに対して損失を補填してからでないと賃借人から回収できないということになり、キャッシュフローの問題が生じます。そのため、他社もニーズがあると思いながらも、なかなか、こうした商品は出てこなかったのではないでしょうか」と高山氏。

保証対象は図の通り。想定されるほとんどがカバーされている
保証対象は図の通り。想定されるほとんどがカバーされている

また、同社の保証は名目にはこだわらず、賃借人に請求できるものであれば基本的に対象としている。項目を分けて、それぞれに限度額を定めている保証会社よりも融通が利くという点は付け加えておこう。もちろん、見舞金的な費目は含まれていないので、その点は勘違いないようにしたい。

というのがラクホというサービスだが、賃貸住宅はもちろん、事業用でも使え、賃借人については特段の制限はない。賃貸業を営んでいる人でリスクを意識、それをヘッジしたいと考えている人ならだれでも検討の余地がある。特に保証会社を使っていない、連帯保証人が高齢あるいは亡くなっている場合には保証額も含めて熟考したいところである。

健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

中川寛子

株式会社東京情報堂

■ 主な経歴

住まいと街の解説者。40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくり、地方創生その他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

■ 主な著書

  • 「ど素人が始める不動産投資の本」(翔泳社)
  • 「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)
  • 「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)
  • 「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版)など。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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