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人気の鎌倉に古民家移築、シェア型コミュニティ長屋が誕生

賃貸経営/まちづくり ニュース

山に囲まれ、地形的に住宅適地が少ない上に、うかつに掘ると遺跡等が出る、景観を保護するために各種条例が厳しいと、人気があるのに住宅供給が少ない神奈川県鎌倉市。そんな鎌倉で、駅から歩くと24分ほどという西御門の高台に面白いプロジェクトが進行中だ。

道路からの眺め。ここから奥の山裾ぐるりが舞台となる土地。右奥に見えているのが2018年8月に竣工した連棟式長屋。その手前に2棟の一戸建てが分譲予定(2018年11月現在、販売中)。左側には集合住宅やシェアハウス等が建設される予定
道路からの眺め。ここから奥の山裾ぐるりが舞台となる土地。右奥に見えているのが2018年8月に竣工した連棟式長屋。その手前に2棟の一戸建てが分譲予定(2018年11月現在、販売中)。左側には集合住宅やシェアハウス等が建設される予定

『鎌倉西御門シェアビレッジ計画』(仮)と名づけられたプロジェクトは3000uを超える広大な敷地の真ん中に桜並木の共有通路を通して4−5区画に分け、複数人の参加者らで購入する。いわゆるコーポラティブ方式とも言えるもの。

中央に作られる通路のイメージ図。桜が植えられ、植栽が配されるなどで中庭的な雰囲気の通路になる予定だ
中央に作られる通路のイメージ図。桜が植えられ、植栽が配されるなどで中庭的な雰囲気の通路になる予定だ

面白いのはそれぞれ古民家を移築するなどした雰囲気のある和風住宅や共同住宅を建て、2、30名程度のコミュニティをこれから3〜4年かけて作り、この素敵な自然環境と空間を<シェア>するという計画。また、山の景色を大切にするために電線の地中化も行うそうで、これは鎌倉でも珍しい取り組みだそうだ。

プロデュースに参画し、自身でも一区画購入するオモロー不動産研究所の青山幸成氏によると、予定では中央の通路を挟んで、2018年8月に竣工した4戸のメゾネット連棟式1棟、2019年1月以降着工のシェアハウス/民泊施設、現在分譲販売中の古民家移築の一戸建て2棟が建つ予定。

さらに3年後には最後の空地の活用となるが、その場合、例えば緑の中のコワーキングスペースや、隠れ家レストランか、はたまた陶芸家のアトリエ住宅、イベント貸しスペースなど、そのような参加希望者(購入者)が出てきても面白いのではとのこと。参加希望者のやりたいことによって計画が決まる、非常にフレキシブルで懐の深い街作りと言えそうだ。

現時点で見学できるのは完成したこの長屋1棟だけだが、今後が面白そうと見学に行ってみた。現地は緩やかな坂道を上がりきった住宅地。一戸建て中心の静かな地域で、緑も豊富。駅からやや遠いのが難だが、1戸辺り複数台の駐車も可能なスペースも確保するつもりとのこと。

4戸のメゾネット住宅。和風の外観だが、外観だけからは古民家の材を使っていることは分からない。外構はこれから整備とのことだが完成が楽しみだ
4戸のメゾネット住宅。和風の外観だが、外観だけからは古民家の材を使っていることは分からない。外構はこれから整備とのことだが完成が楽しみだ

竣工したばかりの長屋は古民家の材を利用した2戸、ブランド材である尾鷲杉の新材を利用した2戸に分かれる。40u程度のシングル、DINK向きの1LDKタイプや、50u超のメゾネットもあって、自然の緑の中のオフィス兼住居のような住まい方もできそうだ。

古材を利用したお部屋。広い土間の向こうにリビング、左側に水回りがまとめられている。古い建具を上手に再利用している
古材を利用したお部屋。広い土間の向こうにリビング、左側に水回りがまとめられている。古い建具を上手に再利用している

室内は木の香り、感触が良く、特に古材を利用した住戸は太い梁が趣きを添える。住戸によっては古い建具が利用されており、実に印象的。これらの古材は静岡県三保にあった築80年、60坪もあった古民家のもの。残念ながら柱は使えなかったそうだが、梁の存在感だけで圧倒的である。

梁に使われている古材。圧倒的なボリュームがある
梁に使われている古材。圧倒的なボリュームがある

ところで、なぜ、古民家なのか。今回のプロジェクトマネージャーであるくらす株式会社の福田徹氏によると、鎌倉は古民家の印象が強いためか、古民家に住みたいと訪ねてくるユーザーが多いのだという。だが、数は少なく、また、本当に古い建物になると断熱性能その他居住にはいろいろ問題もある。

古い建具も使われている。これだけで、他と違う感が出る
古い建具も使われている。これだけで、他と違う感が出る

一方で福田氏は一般社団法人全国古民家再生協会のメンバーで、古民家そのものの情報はもちろん、活用についてのノウハウその他に長けてもいる。そこで、古民家を移築して利用することにしたのだという。

すでに竣工した長屋以外の、現在販売している一戸建て2棟(担当は福田氏)はそれぞれ100年超の茅葺民家、蔵を解体、静岡県菊川市、埼玉県深谷市からそれぞれ運んできて再利用するとのこと。その辺りのこだわりが評価されてか、2棟のうち、1棟にはすでに申込みが入っていた。

資料によると土地面積は142坪を2分割、建物は23坪ほどで価格は1800万円余。スケルトン状態での価格のため、それに自由設計に伴う設備器具、配管配線、内装仕上げ、外構工事費などが加わることになるが、他にない住宅になることは間違いない。

福田氏によると、解体して運んでくるのに規模、距離にもよるが、今回の場合は400万円ほどかかり、さらに建てるための大工の手間もプレカットで作るよりもやや高くつくとのこと。また、材を刻むための場所も必要というから、誰にでも、どこででもできるというわけではないらしい。「遠くから運ぶとなるとその分費用がかかるので関東近県、遠くて静岡、山梨あたりからでしょうか」とも。

だが、無個性な建物より、こうした物件のほうが人気が出るであろうことは間違いない。見学して思ったのだが、古民家を移築、個性的な賃貸住宅として活用する手もあるのではなかろうか。

ちなみに、現在販売中の戸建て2区画の他、今回取材した竣工済みの長屋の2戸は売買や賃貸に出る可能性があるとのこと。湘南エリアでの不動産投資は遊び心があるのが特徴と言われるが、この物件も同様。自分で住んでも、貸しても面白そうだ。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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