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再建築不可でも収益に!10年で30余軒の空き家を再生。新たに元手要らずの家庭菜園ビジネスも

賃貸経営/まちづくり ニュース

大阪城の東にある城東区のほぼ中央に蒲生四丁目(通称がもよん)というまちがある。旧街道沿いで空襲に遭わなかったため、築100年以上もざらという古い住宅が残る人口密集地帯で、首都圏でいえば墨田区や足立区、中野区などのいわゆる木密地域に似た雰囲気がある地域だ。

古くから大阪を知っている人からすると「空き家の多いまち」「古いまち」と思われているようで、実際、商店街を歩いてみるとシャッターの閉まっている店も目立つ。だが、その一方で空き家を活用、飲食店などに利活用されている建物が多く、大阪でも変化が起きているまちのひとつである。

きっかけとなったのは2008年にイタリアンレストランとして再生された築120年の米蔵。この地域には古い建物が多く残ってはいるものの、古民家というほど趣きのある建物はごくわずか。

再生されたのはそのうちのひとつで、当初は和風の趣きを活かして蕎麦店として再生しようという計画があった。そこにイタリアンを提案、実現したのは現在もこの地域で空き家再生を手がけるR PLAY OFFICEの和田欣也氏

こちらは駅近くの古民家を利用したピザなどがメインのイタリアン。古い梁、柱が目を惹く人気店だ
こちらは駅近くの古民家を利用したピザなどがメインのイタリアン。古い梁、柱が目を惹く人気店だ

元々、レストランに予約を入れるという文化のない地域で、しゃれた店が成り立つはずはないと散々言われたものの、蓋を開けて見ると大成功。注目を集めた。となれば次から次に空き家再生の話が続くのは当然だろう。手がけた和田欣也氏は結果、この10年ほどで30軒もの空き家を飲食店を中心に再生してきた。

同一業種はほぼなく、次はどんな店が良いか、まちの人に聞いて業種を決めているという
同一業種はほぼなく、次はどんな店が良いか、まちの人に聞いて業種を決めているという

しかも、驚くことに出店した店は1軒も撤退していない。普通、同じ地域にある店はある意味ライバルだ。だが、それ以上に「がもよん」では仲間であり、互いに周年記念には花を送り合い、常連を互いに紹介しあう。週に1度はこの地域に店を持つ店主が集まる場があり、仕入れやノウハウの共有も行われている。

おりからのテレビ取材にクルーをがもよんファームに案内する和田氏
おりからのテレビ取材にクルーをがもよんファームに案内する和田氏

そのがもよんで新しいビジネスがスタートした。家庭菜園「がもよんファーム」である。2018年の台風で地域の空き家が4軒、被害を受けた。基本的には再生を手がけてきた和田氏だが、修復は難しいほどの被害に、違う使い方はないかと考えた。そこで思いついたのが家庭菜園だ。

ここ数年、以前からあった自治体などが行う市民農園に加え、民間による菜園ビジネスがあちこちで立ち上がっている。特定地域でのみ営業している首都圏中心に展開している関東・関西・東海を中心に展開しているなど様々な形が出てきているが、現状は使っていない農地の有効活用。そのため、元々農地のあったところを中心に立地しており、都心近くなど利便性の高い立地はあまり多くはない。

通りには高いビルもあるが住宅街ないは低層の木造が多く、その中にぽっかりと農園。目立つ
通りには高いビルもあるが住宅街ないは低層の木造が多く、その中にぽっかりと農園。目立つ

その点からすると「がもよん」の家庭菜園はこれまで農地そのものが無かった都心近くの住宅地である。当初はどのくらいニーズがあるものかと思った和田氏だが、実際には驚くほどのニーズがあった。

「募集開始から1カ月で30区画が全部埋まりました。1区画4000円ですから、1カ月に12万円、1年で144万円。土地の固定資産税が33万円ほどですから、十分稼いでくれていることになります」。

しかも、投資がほぼ不要という。がもよんファームの場合には空き家があったため、それを解体、更地にする必要があったが、それ以外にやったことは表面の土の入れ替え、水場を作り、農具などを置くプレハブハウス、利用者が休憩できるベンチなどを設置程度。建物が不要なので、さほどの出費にはならない。

加えて、地元の人には喜ばれたという。「解体、更地にしているのを見て、回りの人たちは周辺同様に駐車場になると思っていたようです。それが農地になると発表したところ、これまで緑の無かったところに緑ができる、農業をやってみたかったなどという声が聞こえてきました」。

木造密集地域であることから、災害には避難場所になる、延焼を防ぐ空間になるという声もある。また、農園を使う人同士で会話が生まれ、新しい地域のコミュニケーションの場としても機能し始めているという。

がもよんファームの場合は公道に接しており、使う気になれば使える土地だが、これを道路付けがないなど建物を取り壊したら使えない土地で考えたらどうだろう。

空家を撤去すると住宅用地特例が適用されなくなるため、固定資産税、都市計画税が上がることになり、そのために空き家除去が進まないとされる。だが、税金が払え、それ以上に手間、投資なく収益が上がる使い方ができるなら検討してみる余地はあるのではなかろうか。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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