2015年度のグッドデザイン賞ではいくつかの住宅が受賞しているが、そのうち、仕組みに新しさ、面白さがあり、かつ物件としても新しい挑戦のある大森ロッヂを紹介しよう。
■大家さんと入居者が直接契約、更新料は無し

物件が所在するのは京浜急行線大森町駅のすぐ近く。元々あった築40年以上の長屋、一戸建てを順次改装して生まれたもので、雰囲気ある大和塀で囲まれた一画には昭和の趣が漂う。敷地内には入居者の共用空間として使える東屋、ギャラリー、広場などがあり、こうしたスペースは四季折々に入居者が主催してのイベントの舞台にもなっている。良好な人間関係が生まれており、これをしてコミュニティ賃貸の先駆けという人もいる。

物件そのものも個性的だが、ここの仕組みで面白いのは大家さんと入居者が直接契約を結んでいること。物件リノベーション時には改修に合わせて3期に分けて募集を行ったが、不動産会社が介在したのは最初だけ。以降はホームページ、フェイスブック、ツィッターなどを使って自ら情報を発信。入居者を集めて来た。

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