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【ルポ】徒歩14分、競合多数の地域に誕生した工夫満載の新築物件

賃貸経営/空室対策 ニュース

■競合物件多数、遠い立地に勝てる物件とは?

さいたま新都心駅から徒歩14分。賃貸物件の立地としては不利と言っても良い場所に木造2階建て、全8戸の新築物件が誕生した。企画・設計・監理を担当したのは東京R不動産の運営で知られるSPEACの宮部浩幸氏だ。

物件ロゴ
白い外壁にシンプルな物件ロゴ

現地は再開発で大型の建物が並ぶ駅前とは趣を異にする低層の住宅が並ぶエリア。とはいえ、新しく開発された地域のためか、前面する道路幅は妙に広い。

外観
窓の大きさが印象的な外観。右側が中庭への入り口

建物はその道路沿いにあり、全体は少し開口部を開けたロの字型。前面道路から入って行ったところには煉瓦を敷いたコンパクトな中庭があり、住戸は中庭を囲んで配されており、2階住戸へは中庭から階段を利用する。

入口から中庭
入ったところから中庭を見る。階段下に郵便受け、宅配ロッカーが用意されている

中庭には集合郵便受けと宅配ロッカーが置かれており、敷地内は禁煙。住戸内だけでなく、敷地内全部が禁煙というのは珍しいケースかもしれない。

■間取りはワンルームとメゾネットの1LDK

間取りは24u前後、約10.5畳の部屋に2.5畳のロフトのあるワンルームと、45u前後、洋4.5畳と12畳弱のメゾネットで、一見して分かるのは天井の高さ。すべての住戸が1.5層分の天井高になっており、その高さは4.2mほど。

ワンルーム
こちらは単身者向きのワンルーム。天井の高さを生かしてロフトが作られている

そこに床から天井までの大きな窓が設けられており、間取りによっては天井近くに高窓がある部屋も。高窓であれば、プライバシーを保ちながら光を取り入れ、空を望めるわけで、どの部屋も開放的に作られているのである。

窓
公道側にあるワンルーム。入った正面に天井までの窓があり、開放的

■バルコニー代わりに室内に煉瓦空間

もうひとつ、特徴的なのは中庭に敷かれていた煉瓦が室内にも続いていること。そのため、1階住戸であればそこを自転車置き場やアウトドアグッズ、植物などの置き場などに使えるし、洗濯物干し場とすることも。

煉瓦部分
メゾネットの1階部分。間取りによって敷かれている場所は少しずつ異なるが、こうした煉瓦部分が作られている

この物件ではバルコニーが作られていないのだが、それは最近、外に洗濯物を干さない人が若い人を中心に増えているためという。だが、洗濯物はどこかに干さなくてはいけないわけで、であれば、室内で快適に干せるようにしよう、その分、部屋を広くしようという意図が煉瓦敷部分。

2階
こちらは中庭に面した窓の前に敷かれた煉瓦部分。黒いバーが洗濯物干しなどに利用できる

煉瓦敷部分に黒いバーを設置、洗濯物が掛けられるようになっているのはそのためだ。そして、特筆すべきはこのバーのカッコよさ。

最近は室内に洗濯物干しを設置する物件が増えているが、たいていの市販品の見た目は今ひとつ。実用的ではあるが、インテリア的にはカッコ悪いのだ。だが、同物件のバーであれば違和感はなく、洗濯物を干す以外にも使えそうだ。洗濯物に関しては浴室乾燥機も導入されている。

また、このスペースに自転車が置けることから敷地内には駐輪場が作られていない。その分、室内を広くできたそうで、バルコニーがない分も広くなっていることを考えると、モノは考えようである。

■合板一枚でDIY可の壁に

ぱっと見た目には気づかないが、室内にはもうひとつ、他にない機能が用意されている。それがDIYができる壁である。リビングの一面を自由にDIYで棚を吊ったり、フックを設置できるようになっているのである。

といっても仕組みは意外に簡単で、ネジが止まるよう、1枚余分に合板が貼られているだけという。原状回復時はどうなるか、気になる人もいるだろうが、壁紙はいずれにしても6年で償却だし、張り替えてしまえば跡は残らない。それだけのことで、自分の部屋に愛着を持って住んでくれる人が入ってくれるなら、長い目で見ればお得だ。

■収益と安定経営を天秤にかけた住戸構成

住戸がワンルームとメゾネットの組み合わせになったことについて説明しておこう。このエリアでは徒歩10分圏内に競合となるワンルームが多く、賃料は5〜7万円。高くても7万円だというが、同物件はそれ以上に遠いので不利になる。そこをどうカバーするかが課題になった。

水回り
洗面所、トイレなどの水回りには柄のある床材が貼られている。洗面所とトイレを分けずに設置、その分、わずかだが室内が広くなっている

一方、メゾネットタイプの1LDKは8〜9万円が中心でマックスで10万円というところ。駅から遠くてもそれほど問題はなく、賃料は下がりにくく、長く入居してもらえることも多い。つまり、経営としては安定するわけだが、単価で考えるとワンルームのほうが高く、一般的にはこうした場合、ワンルームを多数作る例が多い。

ワンルームのキッチン
ワンルームのキッチン。空をイメージさせるタイルが印象的だ

また、埼玉県の場合には木造の共同住宅は2階建てまで、長屋であれば6軒までという制約もあった。こうした要件を考え、間取りの組み合わせは慎重に検討された。

何を作るかで建築コストはもちろん、賃料総額、空室リスクも変わってくるわけで、最終的に各4戸ずつになったのはその結果。賃料はワンルームで6万円台後半、メゾネットで10万円前後となった。

建物を見ただけでは分からないが、長屋建てと集合住宅の組み合わせになってもいるという。こうした物件ではデザインに目がいきがちだが、実は収益物件として非常に緻密な計算の元に建てられているのである。

内覧会
内覧会には建築、不動産関係者以外にも多様な人たちが訪れていた

その結果であろう、1月末日に内覧会を開き、その後の数日ですでに半数ほどが契約に至っているという。安易に利回りの数字だけでワンルームを建てるのではなく、長期に渡って安定した経営を考えることの重要性がよく分かる。

■入居者ニーズを知る管理会社と組む重要性

さらにこの物件の人気にはもうひとつ、重要な要因がある。それは企画に管理会社であるハウスメイトパートナーズが関わっていること。一般に管理会社が物件に関わるのは建物が完成、引き渡されてからだ。

だが、この物件では当初から管理会社と、その仲介部門であるハウスメイトショップ大宮店が間取り、設備その他仕様について様々な提案を行っている。バルコニーを無くしたのも同社からの提案のひとつ。当該地域での入居者のニーズが分かっているからできた提案なのである。

また、入居後に生じそうな諸事について細かな配慮があるのも管理会社が参画しているためだ。たとえば、天井の高い部屋は開放的で気持ちが良いが、電球交換、クーラーの掃除はどうするのだろう?という疑問が湧く。

それに対し、同物件では共用部に脚立を用意、入居者が自由に使えるようにしてある。暮らす人の立場に立った物件作りができているのである。些事ではあるが、最近の入居者はこうした気配りに敏感。おろそかにはできない。

ちなみにSPEACは賃貸市場の状況に詳しい都内とその周辺の物件を手がけることが多く、さいたまでの実績はなかったが、今回、さいたま新都心という郊外の物件に関与したのはハウスメイトパートナーズとの協働だからとのこと。今後、入居者に選ばれる物件を作っていくためには、入居者ニーズに詳しい管理会社を味方に付けることが有用といえそうだ。

庭
植栽が彩りを添える中庭。緑の有無の大事さが分かる

個人的には植栽のしゃれた感じにも目が行った。一部、入居者が食用に供しても良いハーブなどが植えられているそうで、そうしたリアルな生活感もあるところが好ましい。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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