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【ルポ】内覧開始から30分で4件申込み。アンティーク家具付き物件

賃貸経営/空室対策 ニュース

●家具・家電付きよりアンティーク家具を

新築アパートの過剰供給が様々な媒体で取り上げれらている。場所によっては新築でもなかなか決まらないという暗い話題も聞く。だが、そんな中、今春も決まる物件は瞬殺と言っても良いほどの短時間で決まっている。

オートルフォワ神楽坂外観
張りだしたバルコニーが印象的なオートルフォワ神楽坂。奥まった路地の先にある。1階の外壁は神楽坂をイメージさせる黒い板張り

2017年2月13日にご紹介した、さいたま新都市にのsoramichiもそんな物件だったが、今回ご紹介する「オートルフォワ神楽坂」もそれに負けない個性的で、あっという間に満室になった物件。その秘密を見ていこう。

まず、他にない売りがアンティーク家具付きであるという点。おそらく、意図してこうした物件が作られたことは、過去に例を見ないと思われる。

1階の地下スペース。大型のトランクを机がわりに置き、その両側に椅子などを配してある(撮影:大島康広)
1階の地下スペース。大型のトランクを机がわりに置き、その両側に椅子などを配してある(撮影:大島康広)

元々は早く決めるためにとオーナーから家具・家電付きの賃貸、つまりサービスアパートメントにできないかという相談。ところが、家具・家電付き物件の場合、退去時に問題が生じる。次の入居者が同じ商品を使い続けるのが難しいからである。もちろん、レンタル商品を使っておけばよいわけだが、そうした商品でセンスが良いと思わせる部屋を作るのは難しい。

そんな折、企画・管理担当のPM工房社の久保田大介氏が提案したのがアンティーク家具付きの部屋である。今回使用した家具は50〜100年以上前のもので、すでに古い。それを使ってもらい、もし、新たに傷がついたとしても、それは味。気になることもないはずだ。

●まとめ買いで予算を有効活用

そこで、1室当たり20万円の予算を設定、他物件の入居者であるグラフィックデザイナーに買い付けを依頼した。彼女は自室をDIYで作っており、室内にはアンティーク家具も使われていた。そのセンスから、この人とあたりを付けたわけである。

選んだショップは広島、仙台、目黒の3店で、大半は広島の店でまとめて購入。搬送してもらった。そうすることで定価の数割引きで売ってもらえるためだ。

マントルピース
こぶりのマントルピースは都内のアンティークショップなどでも目にすることがない希少な品

また、各室にそれぞれテーマを設定、異なる品を入れるという工夫もしている。こうすれば入居希望者は建物内のどの部屋を選ぶかで悩むことになり、同物件と他物件という比較をしなくなるのではないかという読みである。

もうひとつ、非常に大事だと思うのは、買い付けの時点から情報を発信し続けたこと。どのような部屋ができていくのか、その過程を明らかにすることでアンティーク家具に関心のある層の興味を惹いたわけである。最近では物件完成前からの情報発信はごく普通になってきているが、難易度の高い物件ほど早めの情報発信が大切だろう。

●内覧開始から30分で4件の申し込み

建物は4階建てで全8戸。階段を真ん中に左右に1室ずつが配置され、基本は22u前後のワンルーム。1階のみ地下にサービスルームがあり、それが13〜17畳近くと広め。ただし、ドライエリア、窓などがないため、居室としての要件を満たしておらず、サービスルームという表記になる。

賃料はワンルームで10万円前後、1階住戸は15万円強で共益費は全室共通で5000円。東京メトロ東西線神楽坂駅から徒歩7分、同有楽町線江戸川橋駅から徒歩3分という立地で考えると、相場より1割くらいはゆうに高いという。

物件は当初1月中には完成予定だったが、工事が遅れ、内覧開始とした2月5日には外構はおろか、内部の一部も工事中という状況だったが、早めに情報を出し、コアなファンの気持ちを掴んでいたからか、内覧開始から30分で4件の申し込みという順調な滑り出しとなった。

うち3名は事前に室内写真を見て申込み前提で内覧会に参加したそうで、最後に実物を一目だけ見て決定という早さ。なかには電車でつくばから東京に向かい、内覧開始の数時間前に来場した人もいたという。正直、アンティーク家具にそれほど人を惹きつける魅力があるとは……、である。

●決まりにくい部屋は新たなディスプレイで後押し

ワンフロアに階段を挟んで2戸だが、間取り自体は反転タイプというわけではなく、微妙に左右で人気に違いが出る。

そこで久保田氏は不人気(世の中的には不人気というほどではないが)の部屋には途中で新しいディスプレイを見本として入れた。それが天井に設置されたダクトレールに接続された照明。

照明器具
ダクトレールのコンセントから好きな場所に持つていって設置できる照明器具

ダクトレール自体に設置された照明を移動させて使える機能があるが、さらにそこにあるコンセントからコードを伸ばし、天井にあるフックから吊るすようにすると、フックがある場所ならどこにでも照明が付けられる。これを導入したところ、その翌日には早速3件申し込みが入ったというから、新味を感じるアイテムはひとつあるだけで強力といえそうだ。

ちなみにフックは使い勝手を考え、あらかじめ、複数に用意されており、照明以外の品を吊るすなどして使うこともできる。

●設備充実、洗濯機プレゼントも

また、家具だけでなく、部屋の設備も新築とあって充実している。まずセキュリティに関してはオートロック、防犯カメラ、ダブルロックにTVモニタホン付き。オール電化でお湯は深夜電力利用の電気温水器を使う。バス、トイレはもちろん別で、洗面所も用意されており、浴室乾燥機、シャワートイレも。宅配ボックス、インターネット無料のサービスもあって、今どきの新築としてのスタンダードはきっちり抑えてある。

エントランス。オートロックその他セキュリティ面も充実している
エントランス。オートロックその他セキュリティ面も充実している

面白いのはコンパクトに作られているため、洗濯パンがやや小さく、それを気にする人がいるだろうと洗濯機が入ることを示そうと、容量3.3キロの洗濯機が設置されていること。この品は「ワンルームタイプの部屋の希望者にプレゼントする」と言って営業したところ、全員が希望したという。

といっても、この商品、聞いたところ、2万円ほどのものとか。それで満室が早まるなら検討の余地ありである。

もうひとつ、投資家目線で興味を惹いたのは建設に当たってはCM(コンストラクションマネジメント)を導入したという点。これは各作業ごとにコンペを行い、それで最安値だったチームと作業していくというやり方で、工務店を1社決めたらおしまいという仕組みとは異なる。いちいち、事業者を決める必要があるため、その度に手間がかかるが、その分、最安値で工事ができることになる。

実際、相場と比較して何割かは安くなっているそうだ。ひとつ、注意したいのはいつも組んでいる事業者同士が組むわけではない場合があるため、意思の疎通に不具合が出る場合があること。スムーズにいかないのである。そのためもあり、今回は工事の遅れが目立っており、そのプラスとマイナスを両方考えた上で採用すべきだろう。

最終的には申込受付開始から17日で満室に。様々な仕掛け、アイディアがあれば、供給過剰と言われる時期にも満室は可能ということがよく分かる。もし、今後、新築を考えているなら、どこで差別化をはかり、それをアピールしていくか、そのあたりをよく考え、成功できる物件を作りたいものである。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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