• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

1,897アクセス

築古、競合多数エリアでも猫専用共生型物件で家賃2割以上アップを実現

賃貸経営/空室対策 ニュース

東京メトロ東西線南行徳駅から徒歩13分、築27年。それだけで不利と思う人もいる物件だが、家賃はなんと相場の2割以上も高い。そんな強気の値付けの要因は他にない、猫専用共生型物件という独自性にある。

■相場4万円の地域で6万円以上で満室を実現

「第一弾となった物件は行徳駅から徒歩10分。築20年、16uのロフト付きワンルーム12戸でした。地域の相場は4万円を切るくらいで、築浅など条件の良い物件でも4万5000円行くかどうか。そんな場所で猫専用を打ち出した弊社の物件necotoの賃料は6万2000円。12戸、満室です」(猫専用共生型物件を手掛けるクラシヲ・杉浦雅弘氏)。

猫
飼育する人が増えている猫に焦点を絞ることで差別化に成功

とはいえ、認知までには半年かかったという。これまでにない物件だし、そもそも高い。そのため、最初は不動産会社がなかなか理解してくれなかった。だが、営業を続けているうちに猫好きの営業マンが見に来てくれるようになり、一度見に来た営業マンは必ず、お客さんに勧めてくれるようになり、お客さんが見に来さえすれば決まるという好循環が生まれ始めたのである。そうなればしめたもの。12室が2カ月で埋まった。

その実績を経ての第二弾が立地する南行徳は賃貸激戦区。元々農家が多い土地柄のため、相続対策として建てられたアパートが多く、また、葛西に本社がある大手不動産会社が多数のマンションを建設しており、場所によっては見渡す限り、賃貸住宅が並ぶ。

街並み
通りによってはいかにも賃貸住宅という建物が並ぶ

そこに杉浦氏が物件を購入したのは2015年4月。賃貸専用に建てられ、個人が所有していたものが転売されたもので、購入時は満室だった。その後、8月、9月と退去があり、そのタイミングで猫専用に改装したという。物件全体は新築時にはペット不可だったものの、途中で可となり、現在は犬飼育6戸、猫飼育1戸という状況。そこで、杉浦氏が改装した2部屋は猫はもちろん、小型犬も可としている。

外観
建物外観。これだけだと何の変哲もない物件である

間取りは40.50uの2DK。間取り自体は取り立てて変わったことはなく、相場は7万円台。「7万5000円はなんとか行くものの、7万8000円までは難しい、そんな場所ですが、今の値付けは9万3000円と9万5000円。地元の3DK並みの賃料です」。

廊下
建物内廊下。古いが、きちんと手入れはされている

■猫が快適に暮らせる設備満載

さて、それだけ賃料をアップさせても借り手が付く物件の魅力はどこにあるのか。実際の物件を見せて頂いた。まず、猫専用の専用たる所以の設備だが、目に付くのは壁に設置されたキャットウォーク。可動式の棚を利用したもので、L字型に壁2面に作りつけられている。「猫をちゃんと遊ばせるようにすればストレスがたまらず、問題行動は起こしません。キャットウォークはそのためのものです」。

キャットウォーク
2DKのうちの1室の壁面はこんな感じに作り込まれている

窓に設置されたカーテンボックスも実は猫仕様。「上に乗れるように作ってあります。これがないと直接カーテンレールの上に乗ってしまい、その結果、カーテンレールが歪む原因になります。でも、カーテンボックスがあれば、そうした心配は不要。合わせてエアコンの上に乗らないよう、エアコンと天井の隙間はできるだけ少なくするように設置してあります」。

カーテンボックス
カーテンボックスとエアコンの位置に注目

壁、床もこだわっている。壁はルノン製の抗菌汚れ防止壁紙スーパーハード、床材はサンゲツ製のフロアタイルで、もちろん、爪とぎの補修は必要になるだろうが、痛みにくい素材である。

各室間、ダイニングと居室の間の2カ所にはペット専用の小さなドアが作られている。これがあればドアが閉まっていても猫は自由に家の中を移動できる。一般のドア同様に閉めておくこともできるので、寝室にだけは猫を入れないにするなども可だ。

ペットドア
身体で押せば開くペット専用のドア

網戸には爪とぎをしても破れないよう、グラスファイバーネットという強化網を使用。脱走防止の網戸ロックも取り付けられている。「猫を自室に閉じ込めておくのはかわいそうという人もいますが、完全に室内飼いにして外に出さないほうが病気にならないし、長生きもします。網戸ロックはそのために有効です」。

説明
どのようなこだわりがあるかが表示されており、見た人誰にでも伝わるように配慮されている

猫好きにたまらないのは猫を模したドアのレバーハンドルにお揃いの玄関フック。さらに室内のあちこちには猫のステッカーが貼られており、室内のどこにいても猫が目に入る。

ドア
猫の形を模したデザインがかわいい。女性なら声を上げそうだ
フック
玄関にはお揃いのフックも用意されている

もうひとつ、細かいなと思ったのは洗面所の台。シンクと少し段差が付けられており、猫がそこに乗ることも想定しているという。「家中どこでも遊び場になるよう、飼い主の後を追っていけるようにしてあります」。

洗面所
洗面所。シンクの隣の収納部は猫仕様

こうした改装にかかった費用は1戸当たり300万円ほど。だが、猫専用部分にかかった費用自体はほんの数万円だという。「今回はほぼスケルトンにしてキッチン、トイレ、バスルームその他もフルで交換したので全体としては高くなっていますが、猫仕様の壁・床材、網戸は通常のものの1割程度アップしたくらい。といっても、単価としては1000円が1200円にアップしたくらいですから、費用としては大したことはありません」。

キッチン
キッチンなど水回りも全部交換したため、全体としては高くなっている

キャットウォークは一般的な可動式の棚を使ったものだし、ステッカーなど費用のうちにも入らないほどの額のはず。だが、そんな細かい工夫でも徹底して集めれば、全体としては大きな価値になる。

ステッカー
ステッカーの費用などたかが知れたもの。それでも喜ばれるのだ

■責任ある飼い主に入居してもらえばトラブル無し

もうひとつ、ペットを飼うにあたっての使用細則も杉浦氏のオリジナルである。飼育は室内に限ること、抜け毛の処理方法その他が詳細に決められており、入居時には猫の写真、プロフィールなどを提出する必要もある。去勢も必須とされており、責任を持って飼育する人以外は入居できない仕組みなのである。「よく猫のおしっこは臭く、それで猫飼育は不可という大家さんがいますが、ちゃんと躾がされていてトイレでしかおしっこをしない猫なら問題ありません。また、去勢して中性になっている猫は縄張りを主張しなくなるので、室内でスプレー行動をしなくもなります。要はちゃんと飼育している人に入ってもらうようにすれば良いのです」。

使用細則
設備を用意するだけでなく、ソフト面のルール作りも成功のためには大きなポイントになる

さて、こうした工夫の積み重ねの結果がどうなっているか。「そろそろ、不動産会社には反応が出始めており、エンドにはこれからだと思いますが、すでに内見が7〜8件入っており、もう少しで決まり始めるだろうと思っています。また、ここまでの成功に協業をしようという会社さんがあり、来年は猫専用仕様で新築を2棟予定しています。もう少し、ブランディングできれば、一気に広まるんじゃないかと思っています」。

他の部屋
部屋ごとに壁の色を変えるなど他にも細かい工夫がある

少し前の日本経済新聞にペット市場の変化を解説する記事があったが、それによると日本ではここ数年で犬が急減、猫が微増しているという。今後、猫を飼う世帯は増加するという予想もある。とすれば、ペット可は空室対策のため、有効な手と言えるが、すでに空室対策のためだけにペットを可とした物件もまた増えている。ペット可というだけでは差別化はできないのである。もちろん、苦し紛れのペット可では賃料アップもできない。そう考えると、多少費用をかけてでも猫好きの心をぎゅっとつかむ物件を作るのはひとつの手。「フルリフォームをするのではなく、一部に猫仕様を入れるだけなら、数万円〜で可能。でも効果は絶大です」。検討する余地大と言えそうだ。

照明
照明にもこだわっている。今回の部屋はモデルルーム的にも使っている

健美家編集部(協力:中川寛子)

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資ニュース

最新の不動産投資ニュース

ページの
トップへ