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大量供給の「無個性ワンルーム」を変えるカンタン技!床、壁とキッチンだけで家賃アップ。目から鱗のキタノ式とは?

賃貸経営/空室対策 ニュース

東京都八王子市。1970年代以降に大学の郊外移転が相次いだ時期に学生を対象にしたワンルームマンション、アパートが大量に作られた地域である。近年、その大学のいくつかが都心回帰し始めていることは首都圏の投資家であればご存知だろう。

アパートキタノも水回りは3点ユニット。だが、それでも選ばれるのは……
アパートキタノも水回りは3点ユニット。だが、それでも選ばれるのは……

そのためもあり、八王子市では中古ワンルームが過剰な状態にある。専有面積でいえば18uから広くても20uほど、最近ではあまり好まれないバス、トイレ、洗面所が一体になった3点ユニットの水回りを備えた物件が、極言すれば溢れている状況なのだ。

賃料は3万円〜3万円5000円ほどで、今後、築年が古くなればさらに下がる可能性もある。しかし、賃料を下げ続けるだけでは経営に未来はない。

そんなワンルームを再生する妙手がキタノ式である。京王線北野駅から徒歩10分、坂の上にあるアパートキタノを所有者から託され、再生を手掛けるハンディハウスプロジェクトの加藤渓一氏が提唱するやり方だ。

入居者を待つDIY可の部屋。床と壁、キッチンが大きく変わっている
入居者を待つDIY可の部屋。床と壁、キッチンが大きく変わっている

といっても難しいことはない。壁、床を合板などでビス止め、DIY可、原状回復無しとするというもので、それ以外に変えるのはキッチン、コンセント類だけ。

しかも、キッチンはtoolboxのシンプルな品で価格は8.4万円ほど。合板はどこのホームセンターでも買えるシナ、ラーチ、ラワン、OSB、MDFのいずれかを入居者に選んでもらう。

室内には改修時のは材が残されており、入居者はこれで棚を作るなど好きなことができる
室内には改修時のは材が残されており、入居者はこれで棚を作るなど好きなことができる

え、それだけ?と思うだろうが、これが受けている。たとえば、床、壁がシナ材で覆われた部屋は自室で絵を描きたいという女性が借りた。賃貸の室内で絵を描こうとした場合、部屋を汚さないように養生が必要で、これが意外に面倒くさいらしい。だが、この部屋ならシナ材が貼られて壁に直接キャンバスを貼るなどして描ける。手間なしで好きなことができるのである。

もし、それで床、壁が汚れても、貼った合板を剥がし、場合によっては裏返して貼り直せば済む話。また、その汚れが雰囲気あるものであった場合にはそのまま、次の人に借りてもらっても良い。最初の施工も簡単だが、退去後の原状回復も簡単、でも住む人には喜ばれるというのがキタノ式なのである。

南向きの環境の良い部屋から転換しているそうで、この部屋も明るい
南向きの環境の良い部屋から転換しているそうで、この部屋も明るい

自分で好きに手を入れているという、建築系の女性の部屋を見せていただいた。元々の材としてはMDFを利用している。無印良品の家具、収納グッズなどでおなじみの段ボールのような素材である。

だが、そのままで使っているわけではない。まず、床。入居後、生活しているうちに水回りの水はねなどが気になったため、自分でペイントしたそうで、むらのある自然な雰囲気になっている。

壁面の上にいろいろなモノをぶら下げて利用。真ん中が有孔ボード
壁面の上にいろいろなモノをぶら下げて利用。真ん中が有孔ボード

壁面に貼られた板は上部が空いているため、そこにモノを引っ掛けることができ、収納には便利。収納や棚などを取り付けることもできる。

面白かったのは一部のMDFを剥がし、有孔ボードに貼り替えて使っていらっしゃった点。

壁際に置かれた棚も手作り。時々、位置を変えて模様替えを楽しむのだそうな
壁際に置かれた棚も手作り。時々、位置を変えて模様替えを楽しむのだそうな

規格品の、どこでも買える品だから、好きに交換もできる、移動もできるのである。入居時の室内には壁、床を張った残りが置かれているので、それで棚を作る手などもある。部屋をいじって遊びたい人には非常に面白い空間なのである。

こちらは男性の部屋。大胆に棚を作ってある
こちらは男性の部屋。大胆に棚を作ってある

加藤氏がこの築25年、全47戸の鉄骨造の建物を託されのは約1年前。その時点では空室はなかったものの、学生は短期で退去する。

また、前オーナー以来管理を依頼していた不動産会社の提案は家賃値下げだけで、その通りにしていた日には将来がない。そこで、大家の学校で知り合った加藤氏に依頼、家賃は下げずに魅力を付加する手段を模索することにしたという。

釘を打てば簡単にこうしたスペースが作れる仕様
釘を打てば簡単にこうしたスペースが作れる仕様

そこで加藤氏が考えたのがキタノ式。このやり方でこの1年間、空室になった部屋を少しずつDIY可に変え続けてきており、現在までに7室が転換された。賃料は5万円で管理費は3000円。

転換前の賃料が3〜3万5000円プラス管理費であることを考えると、最小の手間で最大の効果というのは、このやり方のためにあると言っても良い。

「といっても、賃料を優先、安い部屋を借りたいという根強いニーズがあるため、空室が出た場合には部屋の立地、条件を考え、どちらで貸すかを考えるようにしています。現在もDIY可を1室、既存のままの部屋を2室、市場に出しているところです」(加藤氏)。

家賃が高くできるなら全部転換してしまえという人もいるだろうが、このエリアで賃料5万円は安くはない。確実に借りてもらえる部屋で収益を安定させつつ、高めの部屋でも借りてくれる人を探すほうが経営としては安心できる形になるというわけだ。

バブル期に余裕を持って作られた建物で、敷地は非常に広い。今後はそこをどう使うかもポイントかもしれない
バブル期に余裕を持って作られた建物で、敷地は非常に広い。今後はそこをどう使うかもポイントかもしれない

募集は東京R不動産、RストアにDIY可物件専用のDIYPを利用しており、前2サイトからはそれぞれ1人ずつ入居者が決まったという。特徴のある物件は募集にも工夫が必要だが、そのあたりはセオリー通り。

加えて話を聞いてなるほどと思ったのは、7人のうち、最初の3人は知人などを通じ、建物、建築やモノ作りなどに関心のある人に声をかけたという点。

新築、建物のコンセプトを変えて行こうなどという場合、初期の入居者は建物全体の雰囲気を作る存在になる。だとしたら、最初のうちはある程度顔の見える関係の人たちに入居してもらったほうが、以降の運営はしやすくなるはず。

実際、今回、部屋を見せていただいたことで物件への理解が深まったし、入居希望者であれば、見せてもらうことで安心したり、自分がやりたいことが明確になることもあろう。室内の作り方のみならず、募集方法にもアイディアのあるキタノ式である。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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