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普通賃貸⇔レンタルルームと柔軟に変容 需要の変化に即応し、コロナ禍を乗り切る!

賃貸経営/空室対策 ニュース

2020/05/13 配信

コロナショックの影響で、住居系よりもテナント系物件を持つオーナーの方が、賃料減額要請や退去などの対応を迫られている数が多いのではないだろうか?そんな中、柔軟な対応でコロナ禍を乗り越えようとしている取り組みを紹介する。

大阪市内のテナントビル・オーナーAさんは、普通賃貸に加え、数年前から一部の部屋をレンタルルームとして運営している。理由は、駅から徒歩5分と立地は良いものの、築40年のRCビルでは普通賃貸が決まりづらくなってきたからだ。

20u〜40uの各レンタルルームは、たこ焼きパーティーや会議室、料理教室、エステなど幅広い用途で借りてもらっていた。

そして、コロナウイルス蔓延以前の昨年冬から、22uの部屋を「レンタル美容室」として貸し出す取り組みを始めた。

きっかけは、ビル内で美容室として普通賃貸してくれている美容師さんからの紹介だ。その方の先輩美容師Bさんは三重県で美容室を経営しながら、月3回ほど大阪でも出張美容室を運営していた。大阪の有名サロンに勤めていた頃の顧客が、今もBさんのところに通ってくれるからだ。面貸しサロン(シェア美容室などで鏡1面分を借りること)で、ホテルに宿泊しながら運営していた。

ところが、面貸しサロンの手数料は売上の約半分と高く、三重県からの往復交通費や宿泊費などの経費も重く、Bさん自身の手残りが少ない状態だった。そこで、面貸しサロンを借りるのではなく、大阪に自分の拠点を作り、自分が使う日程以外は他の美容師さんに安く貸すことができればお互いにwin-winになると考えた。そして、後輩美容師が借りているビルのオーナーAさんに相談してみた。

ビル・オーナーのAさんは、新しいことにチャレンジするのが好きだったことと、普段は大阪にいない美容師Bさんが大きなリスクを負わずに済むようにと、Bさんに美容室として普通賃貸するのではなく、レンタル美容室としてオーナーのAさんが運営するという協力体制を申し出た。

レンタルルームから「レンタル美容室」へ
コロナ禍で、レンタル美容室の需要急増!

そのオファーに感謝した美容師Bさんは、配管工事が必要ない「移動式のシャンプー台」や美容室用の鏡や椅子など約60万円分の備品を購入。Bさんがレンタル美容室を月3日借りて、それ以外の日はオーナーAさんがBさんの備品ごとレンタル美容室として貸し出している。

エステなど美容室以外での利用の場合は、移動式のシャンプー台などを片付け、他の備品(オーナーAさん所有のエステ整体用ベッドなど)と共に貸し出す。平日料金だと2時間3,000円から、1日単位だと7,000円から借りられるレンタル美容室は、シェア美容室を借りるより安価で使いやすいため、徐々に認知されていったという。

左側が移動式のシャンプー台。右側に椅子と鏡。
左側が移動式のシャンプー台。右側に椅子と鏡。
ヘアカット時には、カジュアルな椅子も使える。
ヘアカット時には、カジュアルな椅子も使える。
ワンルーム内のシンクと洗濯機。
ワンルーム内のシンクと洗濯機。

そこへコロナショックが発生し、状況が変わった。22uワンルームという小さい空間だと一対一でお客さんに施術できることから、レンタル美容室のニーズが高まったのだ。その上、大型のシェア美容サロンが休業になり、働く場所がなくなって困っていたフリーランスの美容師Cさんからは週5日借りたいという申し出が入った。

コロナ禍の影響で、普通のレンタルルームの借り手はほぼ無くなってしまったが、レンタル美容室は1か月間フルでレンタルされる状況になったのだ。

ちなみにシェア美容室サロンの場合、1面の鏡と椅子のスペースは個室形式でも、シャンプー台は共用のサロンが多いようだ。他の美容師が使うタイミングを見ながら、自分のお客さんとかち合わないようにシャンプー台へ誘導するなど、細かい気遣いが大変らしい。

フリーランスの美容師Cさんは、元々は大阪市内の美容室激戦区で自分の店舗を構え、従業員を数名雇っていた。ところが、従業員が集まりづらかったり、技術を教えて腕を上げた途端に顧客を連れて従業員が独立してしまったり、資金繰りや営業活動など、経営者としてのストレスが多かったそうだ。

そこで数年前に自分の店舗をたたみ、一人で働くフリーランス美容師に方向転換した。しかし今回、個室状態で使えるパーソナルな美容室の良さに気づき、Cさんは同ビル内の別の部屋を普通賃貸で借りることにした。

オーナーAさんによると、
「コロナショックの影響で、普通賃貸で借りてくれていたテナントさんが業績悪化し、立て直しのため、賃貸借契約を解約してレンタルルーム利用に変更したり、今回の美容師Cさんのように、レンタルで借りてくれていたリピーターさんが普通賃貸に変更してくれるなど、両方の動きが出てきています」とのことだ。

この動きに柔軟に対応できるのは、オーナーAさんが普通賃貸とレンタルルームを同じビル内で運営しているからだ。テナント側も、部屋が変わってもビル内の移動であれば、今までの顧客を逃さなくても済む。

また、同ビルから撤退して他のビルに転居しないのは、オーナーAさんの人柄も大いに関係している。レンタル美容室を自分でやろうと考えていた三重県の美容師Bさんは、同ビル内の後輩からの紹介。

フリーランス美容師Cさんは、オーナーAさんが仕事を発注していた業者さんの知り合いだ。既存のテナントや業者さんからの信頼が篤いため、新たな出会いと入居希望が舞い込むという好循環だ。

「目先の利益だけを追求するよりも、レンタルルームは、『長期的な普通賃貸に繋げるためのモデルルーム』としても考えています。レンタルルームを運営することで初めて知った新しい業態、例えばレンタル美容室などもありますし、次につながる新しいヒントを得ることもできました」

オーナーAさんの場合、コロナショックで普通賃貸は3件退去があったものの、上記を含めた2件の新たな入居が決まったそうだ。

借り手側の要望をくみ取って考案!
異色の「24時間使えるギャラリー」

もう一つ、オーナーAさんが新しく稼働させるのは「24時間使用できるレンタルギャラリー」だ。個展を開くためにギャラリーを借りる場合、通常は何時から何時までと時間制限がある。しかし、アーティスト達は自分が納得するまで会場の作り込みをしたい場合が多い。

「24時間使えるギャラリー」の場合は、借りた人の気が済むまでずっと作業することが可能なのだ。 既に予約が入っているので、コロナ禍が収まれば、今年夏頃から写真展などで使われる予定だ。

ギャラリー用の照明などを備えている。普通のレンタルルームとしても使用できる。広さは40u。平日料金は1日単位8,000円、6日間40,000円から(税別)。
ギャラリー用の照明などを備えている。普通のレンタルルームとしても使用できる。広さは40u。平日料金は1日単位8,000円、6日間40,000円から(税別)。
ギャラリーとしての使用例。
ギャラリーとしての使用例。
机やイスを片付けて広いギャラリースペースにした場合。
机やイスを片付けて広いギャラリースペースにした場合。
ギャラリーとしてだけでなく、キッチンを使った料理イベント等にも使える(キッチンは新しく改装中)。
ギャラリーとしてだけでなく、キッチンを使った料理イベント等にも使える(キッチンは新しく改装中)。

その他、若いクリエーターたちが活動する場としても1室(40u)を貸す。まずは安めの賃料で賃貸し、彼らが展示会やワークショップ開催などで利益が出てきたら、賃料をアップするという条件だという。

「ビル全体の宣伝として考えています。『面白いことができるビル』と認識してもらうための広告塔みたいなものですね(笑)」

コロナショックで賃貸業も変わっていくだろう。そのためには、今から様々な試行錯誤をし、柔軟に対応できる姿勢と、テナントや業者さんとの温かい関係が功を奏するに違いない。

健美家編集部(協力:野原ともみ)

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