本を媒介にした関係作りが広がっている。以前から本を置いて図書室として住み開きをする、本をキーワードに人を集めるなど兆候はあったが、2019年7月に武蔵野市で中西功氏が始めたブックマンションの仕組みが広く注目を集め、同様のやり方をする場所がじわじわ増えてきているのである。
では、まず、ブックマンション(設置場所によって名称は微妙に異なる)とは何か、である。簡単に言えば一箱書店の店主になりたい人を集めた空間である。自作の手芸品などを置くレンタルボックスという仕組みがあるが、それの書籍版と言っても良いだろう。毎月なにがしかの場所代を払うことで一箱分のスペースを自分の書店とするのである。
だが、この仕組みがレンタルボックスと大きく違うのは書籍という品が持つ力である。世の中一般的には本は売れてない商品であり、斜陽産業とすら言われるが、それでも手芸作品との差は歴然とある。
まず、書籍は会話の糸口になる。電子書籍では何を読んでいるかが分からないが、書籍はカバーをかけている場合以外ならタイトルが分かり、相手の興味関心
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