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コロナ第5波影響。賃貸契約数減で市況変動? 9月に決まらない物件への6つの空室対策とは

賃貸経営/空室対策 ニュース

2021/09/15 配信

7-8月の仲介件数が例年に比べ厳しい。コロナ感染の影響か、それに伴う緊急事態宣言の影響か、それともオリンピック影響か。いずれにしろ、このまま収益物件を空室のままにはしておけない。9月までに決まらなければ、10-12月の閑散期にどう対処すべきかを、しっかりと考えたい。

■2021年。
7-8月に例年よりも決まりが悪い?

収益物件の入居者の入れ替わりは、圧倒的に3月退去・入居が多い。進学・就職・転勤といったライフスタイルの変化は、4/1に起こり、入居開始は4/1より以前となる事が多く、退去も多い。仲介会社では、1-3月期を繁忙期と呼び、4-12月は閑散期と言う。

とはいえ、4月も5月も入居者はいる(残念なことに退去者もいる)。そして、収益物件のオーナーから耳にするのは「今年の7-8月はどうも入居がないなあ」という話だ。「見学者も減っている」という実感値だ。

マーケットの変化がわかりにくい賃貸経営。
マーケットの変化がわかりにくい賃貸経営。

■仲介会社の仲介件数が
前年比であまりよくない?

残念ながら、日経平均やダウ平均のように、数字で毎日速報が出るわけではないのが、仲介件数や入居率だ。収益物件のオーナーにとっては、自分の部屋だけ決まりが悪いのか、はたまた全国で動きが鈍いのか、それとも特定のエリアや間取りで起っているのかがわからない。そこで仲介会社に話を聞いてみた。

すると、「7-8月が悪い」「お盆前まで厳しかった」「急に達成率が落ちた」という話を聞く。しかし、仲介会社も、それが自社だけなのか、法人の話か、エリアによって違うのかなかなかわからない。

個別の状況は把握できても、他社の状況がわからない。私のようなコンサルが複数の会社と話をするとそうした事実を見聞きするが、業界団体の会合がオンラインになっていることもあり、各社の情報交換も進んでいないのだ。

■状況が悪いと
「コロナだから」と他責にする

収益物件オーナーにしてみれば、「毎月1-2件は見学が入っていたのに、ここ数ヶ月はあまり動きがないね。どうしたの?」と不動産会社に聞いても、「うーん、コロナですからね」と言われれば「そうなのかー」と思うしかない。

一方で不動産会社のほうも、「自社だけ悪いのか」「他社も悪いのか」の共有もなかなか雑談する機会もない。そもそも、「我が社が良くない」は言いにくいものであり、「コロナだからかなあ」と思考も停止してしまう。

一方で、企業コンサルしている立場からすると「前年比62%の売上件数」と聞けば「なにが原因か。社員のやる気のような内部要因か。はたまた、ライバル会社がどんなキャンペーンを仕掛けてきとかの外部要因か」と調べねばならない。

■火災保険の契約件数や
家賃保証会社の契約件数から推察する

日経平均やダウ平均のような指標はないものの、賃貸物件を専門で取り扱う少額短期保険の月次の件数や、賃貸物件の家賃保証会社各社の新規契約件数、といった数字は確かな裏付けとなる。

それをみると・・・確かに減っているのだ。データの出典は詳しくは申し上げられないが、そうした指標を参考にすると、全国で前年比92.8%。首都圏で前年比94.2%。つまり地方の方が厳しい。全体の仲介件数が落ちているのだ。

■ポータルサイトの反響件数も
悪化している

前述したように、企業コンサルしている立場からすると「前年比62%の売上件数」と聞けば、「ネット反響はどないやねん」となる。

ネット反響が前年比62%であれば「現場は頑張っている」のに「反響が少ない。募集方法に課題があるのか」となるし、ネット反響が前年比イーブンで、売上が62%なら、「反響は十分だ。そこからの呼び込みか。それとも接客か」と課題と対策も付けやすい。

すると、反響数が落ちている。ここで、ポータルサイトを呼ぶと、たしかに反響数が悪い。その不動産会社だけ悪いのであれば、掲載なり写真なり工夫すればよい。

しかし「例年より20%ぐらい悪いんです」「今月はちょっとよくなかったですね」という。しかも「全体的に悪いんです」とのことだ。

「住みたい街ランキングの発表も結構だが、エリア別反響数速報とか出してくれないかな」と言っても、まあ、出してはくれない。ポータルサイトも一社ではないので、「自社だけどうか」はなかなか教えてくれない。
しかし、どうも、反響数も前年比でよくないのだ。

■原因は?
コロナか。オリンピックか。

では、原因はなんだろうか。

「緊急事態宣言が出たから部屋探しがトーンダウンした」というのは、正しいようだが、「首都圏より地方が悪い」という話とギャップがある。

「全国で」緊急事態宣言が出ているわけでは無く、地方のほうが感染者は少ない。同様に「オリンピック中継を見ていたから、スマホで物件探しをする時間が減ったのさ」という意見も、地域差を説明しにくい。

とはいえ、市況は第一回の緊急事態宣言下の2020年5月のムードに近く、連日報道されるコロナの感染者数で部屋探しの意欲が減り、オリンピックというイベントに注視していて、サイトの閲覧時間は少し減ったのかもしれない。

そして、ワクチン接種が進む中、「ワクチンを打ってから部屋を探そう」「二回目の接種が終わってから引っ越ししよう」といった人もいたかもしれない。

これら要因は、国家レベルの環境要因であり、収益物件オーナーが変えることはできない外部環境変化だ。原因がコロナであれ、オリンピックであれ、ワクチン接種であれ、仲介会社の売上目標は変わらないし、収益物件オーナーは目の前の空室をなんとかしたい。原因分析より対策が大事だ。

■法人の動きが
鈍っているのではないか。

そして、地域格差も気になる。首都圏より地方がよくない。だとすれば、「法人の異動」が活況でなくなっている可能性が考えられる。9月は10/1人事のプチ繁忙期だ。9月に法人の動きが止まれば、この仮説は正しい。

実際、賃貸新聞の不動産会社アンケートでも法人は全体的によくなかった。日管協短観でもよくない。

たしかに「転勤で地方に移住までさせずとも、テレワークでなんとかしよう」という可能性は、大企業ほどありえる。これも、収益物件オーナー個人の力では変えようもない。やはり今、大事なのは、原因分析より打ち手だ。

■対策@
@短期的施策・家賃を下げる

例年よりも7-8月に入居が進まない。しかし、それはおそらくマーケット要因であり、物件が原因である可能性は低い。

さすれば、短期で入れるなら、確かに家賃を下げるという手がある。現場の実感では「今住んでいるところより、安い住まいを探している」という人は動いている。

たしかに長引くコロナ禍で生活が苦しい人もいる。家賃を相場より下げるというということは、短期的に否定はすべきではない。しかし、その後もその家賃となり、長期的には収益物件の収支は悪化し、利回りは改善しない。入居者の質は下がり、建物の使い方やゴミ出しのルール、あるいは滞納率やクレーム発生率など、長期的にはこの打ち手はリスクも高い。

■対策A
A短期的施策・フリーレント

これをさけるためには「フリーレントにする」という方法がある。一定期間のフリーレントであれば将来的な収益損ではない。

ポイントは、その入居者の想定入居期間だ。家賃5万円の物件を6000円下げてしまうのは、利回りが悪化するので、フリーレントを2か月つけたとする。2年住んでくれたとすれば重視はどうか。

5万円の家賃を6000円下げた→44,000円×24か月=1,056,000円
5万円の家賃でフリーレント2か月→50,000円×22か月=1,100,000円(こちらが大)

となる。
しかし、1年で転居したとすると。
5万円の家賃を7000円下げた→43,000円×12か月=528,000円
5万円の家賃でフリーレント2か月→50,000円×10か月=500,000円(こちらが小)

となる。
短期解約の制限など、重要事項説明書など明確にしておくことが大切である。

■対策B
Bネットの検索項目で勝負する

家賃に手を付けないなら、物件の魅力アップで勝つ。「似たような物件だけど、よそより安い」というプライシング戦略をとらないためには「似たような物件だけど、ネット検索では残る」という戦略だ。

スクリーンショット 2021-09-12 12.09.46

ご自身の街で、入居希望者になったつもりで、部屋をさがしてみよう。たとえば仙台市青葉区で探そうとすると、1万件以上の物件が出てくる。

これだけあるなら、バストイレ別の物件にしようと考えるのではないか。すると9000件強の物件に絞れる。この地域では現在の空室では9割の物件がバストイレ別だ。次にエアコンはどうだ。やはり多い。

そして温水洗浄便座はどうか。全体の67%まで絞れる。
物件の魅力アップはそれこそ、ウォークインクローゼットや独立洗面台など多種多様である。

しかし、「検索されて」こそ意味がある。様々な空室解消のアイテムがあるものの、検索項目にあるかどうかは重要だ。つまり、「エアコン付き」であることは重要だが、「エアコン2台付きにする」という投資よりは「温水洗浄便座」をつける投資が有効となる。検索項目に「エアコン2台」がないからだ。

■対策C
Cネット無料にする

こうして、スーモやライフルホームズ、そしてアットホームなどを使うと、「ネット無料」という項目があることに気づくはずだ。もちろんこの項目は10年前には「なかった」はずだ。

スクリーンショット 2021-09-12 12.09.46

先ほどのように、検索を繰り返すと、「ネット無料」を加えると25%前後になる。検索で8割9割の物件が出てくる場合は、「ついていて当たり前」となる。逆に「ディスポーザー」「コンシェルジェ」などはあっても数件しか出てこないので、「あまりに市場にない」ので「通常の検索ではユーザーもあまり使わない」もの。となると、1/4が「ネット無料」ということは、「選ばれる物件」といえる。

オンライン授業やテレワークといったマーケット環境を考えても、「ネット無料」は潮流であり、是非とも検討したい。

また、投資対効果としても有効である。インターネットは個人で回線を引くと、5000円〜6000円ぐらいする。ということは、ネット無料にするということは、家賃を6000円ひくのと入居者は同じである。

先ほどのフリーレントの施策と比べてみよう
5万円の家賃を6000円下げた→44,000円×24か月=1,056,000円
5万円の家賃でフリーレント2か月→50,000円×22か月=1,100,000円
5万円の家賃でネット無料。大家さんは全部屋一括契約。3000円でネット無料化。
→47,000円××24か月=1,128,000円。

収益性は高い。が、空室分だけでなく入居中物件も、経費がかかるというデメリットがある。なお、この際、家賃50,000円+管理費3,000円としている物件もある。こ

れなら、この空室に関しては、収益物件オーナーの出費はなくなる。現入居中の物件まで管理費を上げられるのかなど、短期で考えればこう計算通りにはならないが、数年で入れ替わると考えると、こうした施策は有効だ。だからこそ、ネット無料物件が増えているともいえる。

■対策D
D抗菌対策する

オリンピックは終わったものの、コロナ禍やワクチン接種の遅れなどは、今後も続くであろう。つまり、「コロナが原因」「しかも長引く」ならば「コロナ対策してますよ」は、空室対策の打ち手には有効だ。

実は、抗菌スプレーなどは、非常に売れている。ここを切り口に、「この物件は抗菌対策されていますよ」という差別化である。これまでこうした消臭・抗菌は、入居者負担で希望者が導入していた。ならば、「この部屋は、全室抗菌済み」をオーナー負担としてあげれば、それはそれでメリットとなる。

例えば、この画像のようなポスターで、抗菌対策商品を活用していることをPRしている店舗などは多い。不動産会社が抗菌スプレーなど販売していれば、相談してみてはどうだろうか。

抗菌製品技術協議会のポスター例
抗菌製品技術協議会のポスター例

また、内覧に来てくれた際に、スリッパを置いておいても、だれが履いたかわからないスリッパでは、感染リスクを考えると使いにくいもの。ならば、使い捨ての簡易スリッパを置く。あるいは、入居時に「抗菌対策済み」などで、気持ちよく迎え入れてあげる。

もちろん、これを極めていくと、共用部のエントランスに自動サーモセンサーを入れる、とか、エレベーターのボタンを声認証や非接触操作可能にする、あるいは玄関にタッチレスの手洗いを設置するなども有効だ。

非接触型の手洗いの例
非接触型の手洗いの例

■対策E
E1-3月の繁忙期を目指して、コロナ対策したリノベする

間取り変更を伴うリノベーションは、空室対策にも有効である。しかし、工事には時間がかかる。仮に3か月時間がかかるとすれば、繁忙期の1月には部屋を見せたいと考えると、10月には決断が必要だ。

7-8月の内覧が厳しく、@〜Dの打ち手を短期で打ってもなかなか効果が出ない。しかし、このまま次の繁忙期も苦戦するとなると、大きな決断も必要だ。見極めるには、プチ繁忙期である9月に物件が決まるのか。10月人事で法人が動くのか、である。

築39年 駅徒歩12分。家賃7万円・長期空室の例

例えば、この物件。築39年で苦戦している。このままでは、@〜Dの打ち手でも厳しい。なかなか決まらない。コロナ禍が続く中、どう戦うかを考えると、大きな投資も必要かもしれない。実際、昔はこういう間取りが多い。

この間取りだと、ベッドは洋室に置くという選択になる。畳だと床が凹んでしまう。
で、和室の部屋をリビングにして、テレワークやオンライン授業は台所か。ご飯を食べたらも畳の部屋で一家団欒・・・ちょっと馴染まない。今どきは、炊事中にテレビを見るだろうし、子供はリビングで勉強する。

リノベーション後の間取り
リノベーション後の間取り

そこで、下のようにリノベーションした。(グッドルーム社提供)
こうすれば、ディンクスの生活感としてはかなり今風だ。料理をしながら夫婦が団らん。ウォークインクローゼットが有効に使える。入口のデッドスペースにテーブルを置けば、テレワークにも最適だ。

実際のテレワークスペース
実際のテレワークスペース

この物件は、このリノベで、家賃85,000円の値上げに成功した。7万円で募集しても、入居がゼロなら、収入はゼロである。月85,000円ということは年間1,020,000円の収入。200万円かかっても2年で回収。利回り50%。400万かかったとしても4年回収。中古マンションを買って投資をするよりも、所有物件の空室に投資をしたほうが利回りははるかにいい。

現在、マーケットが厳しいとすれば、それこそ収益物件オーナーの打ち手次第。外部環境がどう変わろうと、工夫したオーナーにはチャンスがあるということ。変化に対応して進化をすることで戦いに勝利したい。

執筆:上野典行(うえの のりゆき)

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【プロフィール】
プリンシプル住まい総研 所長1988年リクルート入社。
大学生の採用サイトであるリクルートナビを開発後、住宅情報タウンズ・住宅情報マンションズ編集長を歴任。現スーモも含めた商品・事業開発責任者に従事。 2008年より賃貸営業部長となり2011年12月同社を退職し、プリンシプル・コンサルティング・グループにて、2012年1月より現職。All Aboutガイド「賃貸」「土地活用」。日管協・研修副委員長。全国で、講演・執筆・企業コンサルティングを行っている。

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