発売から約30年を経て、
ガス衣類乾燥機の「乾太くん」が大ブレイク!
リンナイが 1992年から販売しているガス衣類乾燥機の「乾太くん」が近年、大ブームを起こしている。2019年度に前年を4割上回り、過去最高約7万台の販売台数を達成して以降、コロナ禍による巣ごもり需要も後押しして、勢いが止まらない。
生活者の高いニーズを反映して、新築時に「乾太くん」を全戸標準装備する分譲・賃貸マンションやアパートが全国に続々と登場。アフターコロナの新時代、賃貸住宅の付加価値向上、差別化に、「乾太くん」が強い味方となりそうな理由とはーー。
リンナイのサイトには、「乾太くん」の最大のメリットとして、「圧倒的なパワーでのスピード乾燥」が挙げられている。5kgの洗濯物を約52分、8kgの洗濯物でも約80分で乾燥することができるというから、電気の乾燥機に比べてかなりの時短が実現できる。
乾燥1回あたりのガス代は55円から63円ほどで、ランニングコストが電気に比べて低く抑えられることや、ガスならではのパワフルな高温でウイルス、アレル物質除去効果が高い点も、人気の理由だ。
天候や時間帯に左右されず、いつでも花粉や排ガス、外からの視線を気にせずに洗濯物を乾かすことができる利便性は、現代の生活スタイルや働き方、住宅事情にマッチしていると言えるだろう。
ネットでも話題、
賃貸住宅には「乾太くん」は置けない?!
一方、半日とはいえ、ガス栓開設などの初期工事が必要となるため、既存の賃貸住宅の入居者にとっては、乾太くんは望んでも手に入らない憧れの家電とも言える。
「乾太くん」でグーグル検索すると、多くヒットするのが、賃貸に乾太くんを置く方法や条件、賃貸だから乾太くんをあきらめた、というトピック。それほど今、乾太くんに熱い視線が注がれているのだ。
気になる機械本体の価格は、主力の5キロタイプで12万8千円(税抜き標準価格)、単身者やDINKS向けの3キロタイプは9万8千円(同)など。家庭用は、8キロタイプまで用意されている。
大家さんにとって、全戸に標準装備するには決して安い金額ではないが、賃貸住宅の設計、リフォーム計画の段階で乾太くんの導入を組み込めば、洗濯物を外干しするために欠かせないベランダを設置せずに済む。敷地面積が狭い、幹線道路に面しているなどの立地条件では、ベランダを設けるより、各戸の専有面積を広くして乾太くんを標準装備した方が、物件の魅力は高まるのではないだろうか。
全国に広がる「乾太くん」標準装備の賃貸住宅
身近な大家さんにも先行事例が!
リンナイ広報によると、現在、札幌市中央区に、北海道ガスの供給エリアで初となる、乾太くんを導入した賃貸マンションの建築が進んでいるほか、広島市や鹿児島市でも、乾太くん標準装備の賃貸マンションが建築中だという。
上記はある程度以上の規模の集合住宅になるが、SNS上での評価の高さをきっかけに、あるいは、ベランダやバルコニーがないといった物件の事情から、乾太くん導入を決める個人の大家さんも多い。
当サイトの人気コラムニストDX@母ちゃんさん も、「築45年RCのリノベーション後大公開。オンリーワン物件を作るための3つの工夫」のコラムで、3つの工夫のうちの一つとして、乾太くんを全戸に設置したことを紹介している。
家事に対する「時短」ニーズは高まる一方、さらに花粉やPM2.5などの大気汚染により天日干しも敬遠される傾向にある中で、衣類乾燥機は贅沢品ではなく、必需品になりつつあるといっても過言ではないだろう。
先述した通り、ガス栓開設の工事が必要なため、乾太くんは後付けのハードルが高い。最初から設置しておくことが大切なのだ。アフターコロナの新時代、これからの賃貸経営計画に乾太くんを取り入れて損はないはずだ。
健美家編集部(協力:大崎良子)