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空室率増加で超高齢化社会に対応する方法。-高齢者入居5つのメリットとリスク対策-

賃貸経営/空室対策 ニュース

2022/03/23 配信

繁忙期を振り返っても入居率が思うように上がらない原因は多々あるが、大きな要因にはメインターゲットとなる若年者層が減っていることというのは、周知の事実だ。

そこで今や賃貸経営をするうえで避けては通れないものとなった少子高齢化問題である。

特に単身高齢者の急増は社会全体の抱える課題であり、1980年時点では88万人程度だった65歳以上の単身者は、2030年には約9倍の800万人に迫ると推計されている。

もちろん、賃貸住宅に住む方はその一部に過ぎないが、もはや単身高齢者は空室対策をするうえで無視できない存在である。そこで、高齢者入居のメリットとデメリットを改めて確認したい。

(※内閣府「令和2年版高齢社会白書」より)

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入居の「不安」解消で、
高齢者は「理想」の入居者に。

高齢者の賃貸ニーズは増加する一方、反面、入居できる賃貸住宅はまだまだ不足していると言われている。理由は様々あるが、供給が増えない原因のひとつは、賃貸オーナーの高齢者入居に対する「漠然とした不安」にあるのだろう。

平成28年の国土交通省の調査では、約6割のオーナーが高齢者入居に対して不安感・拒否感を抱いている実態が明らかになった。そして、その不安の大部分を形成するのは「孤独死」の問題である。

確かに、貸している部屋で孤独死が発生し、その発見が遅れるようなことになれば、オーナーの被る損害は決して少なくない。残置物処分、原状回復、特殊清掃…、それから重要受講説明にかかる心理的瑕疵の告知事項など、状況によってはその後の募集賃料減額も必要となる。

しかし一方で、高齢者の受け入れはメリットもある。

★高齢者受け入れの主なメリット★

①空室が早期に決まるだけの十分なニーズが市場にある

②若年層とは異なる訴求ポイントで集客可能(1階である、市内巡回バスに乗りやすい等)

③年金収入があれば滞納リスクが低い

④若年層に比べて長期入居が期待できる

⑤リノベーションなど高額な再投資をして、デザイン性を高めなくても空室が埋まる


一般的な賃貸住宅を求める年齢層と高齢者層では、そもそも行動範囲やニーズが大きく異なる。たとえば、一般的には嫌悪されがちな1階の部屋でも足が弱くなった高齢者にとっては、需要が大きい。

また、若年層と違い結婚や子供が生まれたなどの大きなライフイベントがないため、頻度高く引越しを繰り返す必要もなく結果として長期間入居してもらうことが可能となる。


リスク対策「見守り」、
低コスト・高機能の商品続々

とはいえ、高齢者入居のメリットを享受するには、孤独死のリスクを解決しなければならない。実際に管理の実務をしていても、一定の人数が同様のケースで室内にて発見されることがある。

これらを防ぐ対策としては「見守り」が挙げられるが、近年では低コスト化・高機能化が進み、万一の際の早期発見率も高まっている。

・訪問/定期連絡型
一定期間ごとに「人」が接触して安否を確認します。人件費がかかる分、費用は高めだが、事故の予兆を察知しやすい長所がある。

・室内センサー型
生活行動の有無をセンサーで検知する。たとえば、一定期間冷蔵庫が開かないなどの「無信号」を検知すると、通信回線経由で指定連絡先に報告される。センサーや回線の費用が課題だったが、昨今は月々数百円のサービスも登場している。

・ライフライン検測型
水道や電気の使用量を検測し、一定期間の無信号等を指定連絡先に報告する。近年は無信号のみならず「普段と違う使い方(=事故の可能性)」をAIが分析して警告するなど高精度化が進んでいるようだ

見守りをはじめ十分な対策を施せば、高齢者というニッチなターゲットの受け入れは十分に検討できる経営戦略と言える。そもそも、高齢者と言っても、今どき60歳や70歳を超えたくらいではピンピンしていているのだから、あまりナーバスに考える必要はないような気もするのだが…。

実際に筆者の物件にも、高齢入居者がいるが、これまで何の問題も発生していない。高齢者の住まい問題解消という社会貢献も叶えつつ、空室もきちんと埋める。決して低いハードルではないが、需要が低下している昨今、柔軟な経営戦略が問われるのではないだろうか。

執筆:今井基次(いまいもとつぐ)

今井基次

■ 主な経歴

株式会社ideaman 代表取締役。
賃貸・売買仲介の実務を経て、中堅不動産管理会社へ入社。
収益不動産売買仲介の実務の後、不動産管理会社への業務コンサルティングを14年間行い、これまで200社以上の企業を担当。
管理会社へのコンサルティングを通じて、多くの大家さんの稼働率向上を行ってきた。
オーナーセミナーや不動産会社向け研修など、毎年80回以上講演を行い延べ3万人以上もの人が聴講してきた。自らも不動産投資を行なっている。
保有資格:1級FP技能士,CFP,CPM,CCIMなど多数。

■ 主な著書

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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