入居募集の集客では、競合物件の調査、家賃やフリーレント他の条件設定、ネットへの掲載等の To Doがある。
自分の物件で「集客の入り口」となるネットの掲載内容を、確認したことはあるだろうか？ポータルサイトの仕組みを理解し、反響率を上げることの重要性について、筆者の見解を紹介したい。
■思い描いているネット掲載になっているか？
自分の物件だと、物件名をいれて検索しがちだが、あくまで入居者目線でエリアや条件をいれ、どのような検索順位で、どのような内容でヒットするか確認することが大切だ。
ちゃんと、思い描いている検索順位でヒットするだろうか？
例えば、10位以内に入っていると思いきや、実際は30位だとすると、何かを改善しないと反響率は上がらない。
また、情報が間違っていないか、必要な情報は掲載されているか、チェックすべきことはたくさんある (下記は一例)。
・物件名、住所、アクセス、間取り、階数、築年数、専有面積
・家賃、共益費、駐車場代、敷金、礼金、仲介手数料
・設備の有無、フリーレントの有無
・部屋の特徴、アピールポイント
・写真の見栄えが良いか、必要な写真が網羅されているか
家賃や築年数が間違っていたり、あるはずの設備の記載がなかったり、チェックをすると間違いがあることに気付く。折角、フリーレントを拠出しているのに、フリーレントなしで掲載されていることもある。
これでは獲得できるはずの反響が、落ちてしまう。
管理会社や客付会社も、大量の物件を扱っており、日々の膨大な業務量を考えると、ケアレスミスを責めることは難しい。
そんな時友人から、大家自ら、所有する物件をポータルサイトへ掲載できるエコーズ、というサービスがあることを聞き、勉強も兼ねて使ってみることにした。
■エコーズのサービス内容
サービス内容と料金を確認しよう。
１）大家が自ら、ポータルサイトに掲載できる
・掲載ポータルは、SUUMO、HOME’S、at homeの3サイト
・管理委託物件、自主管理物件のいずれも対応可能
・エリアは全国対応 (沖縄、離島を除く）
２）反響内容が確認できる
・閲覧数や、内見した方の感想などを、週単位で確認できる
・反響はエコーズ、内見は大東建託と連携して対応
・申込、審査、契約は管理会社等と連携して対応
３）オプションサービスが利用できる
・間取り図作成を依頼できる
・物件の写真撮影をプロに依頼できる
【利用料金】
・ポータル掲載料：3,300円(税込)/30日間/1部屋
・間取り図作成 ：550円(税込)/1部屋
・物件写真撮影：16,500円(税込)/1部屋
【利用状況】※2022年5月にヒアリング
・利用大家数：約3,000名
・大家内訳 ：管理委託大家40％、自主管理大家60％
・募集部屋数：約550部屋
自主管理大家の利用がほとんどと考えていたが、40％が管理委託大家とは意外だった。振り返れば、筆者も管理委託大家だ。
■手間がかからず掲載できる
募集図面や写真をアップロードすれば、エコーズ事務局にて物件情報を入力してくれる。入力情報をもとに、アピールポイントの追記など、自分好みに編集し、ボタンを押せばポータル掲載となる。
入力した項目や写真が、実際のポータルでどのように反映されるのかプレビューもできとても便利だ。
筆者は、物件写真も依頼、プロに撮影をしてもらった。内見時とのギャップを心配する出来栄えだ。
キャッチコピー等、言葉によるアピールも大切だが、一目で訴求できる写真で、より明るく、より綺麗に、魅せることは最重要なファクターだろう。それを裏付けるのが次に記述する採点基準だ。
■検索結果で表示されやすくなる採点基準の94％が写真
ポータルサイトによって異なるが、SUUMOでは検索結果に影響する採点基準があり、点数がエコーズ内にて確認できる。
34点の基準点を超えると、検索結果で表示されやすくなる。下記が内訳だが、写真の重要性がよくわかる。
◇主要カテゴリ（写真掲載）
・下記5つのカテゴリ名と、掲載順番が決まっている
・間取り、建物外観、居室・リビング、キッチン、バスルーム
・最大25点獲得 (5枚まで掲載可能)
◇その他のカテゴリ（写真掲載）
・カテゴリ名は決まっているが、掲載順番は自由
・最大9点獲得 (9～11枚まで掲載可能)
◇キャッチコメント（コメント掲載）
・キャッチコピーとフリーコメントの両方の入力
・最大2点獲得
25点＋9点＋2点＝合計36点(満点)
内、写真掲載点：34点 (94％)、コメント掲載点：2点 (6%)
せっかく写真を14枚(5枚＋9枚)掲載しても、キャッチコピーとフリーコメントの書き込みがなければ、満点はとれないことになる。この内訳を知っているだけでも、非常に有益だ。
■管理会社とのやりとりがスムーズに
筆者の場合、エコーズに掲載後、同タイミングで管理会社が入居を決めてくれ、1ヶ月も経たずに物件掲載を終了した。成約にはならなかったが、下記のような仕組みを理解でき、反響を得やすい環境に自分の物件をおけることがわかり、非常に勉強になった。
・採点基準を理解でき、満点獲得で検索表示されやすくなる
・写真の重要性や、必要カテゴリと必要枚数がわかる
・キャッチコメントの文字数や、魅せ方がわかる
・物件掲載してくれる管理会社スタッフの手間や気持ちがわかる
普段はネット掲載内容含め、細かいことは言わず、管理会社のやりやすいように客付をお任せしているが、もしも長期間決まらず、思うような掲載になっていなければ、修正をお願いすることもある。
「この写真を、この順番で使ってください」
「このキャッチコピーは、枠におさまるよう●●●●にしてください」
など、仕組みを理解しているから具体的なお願いができ、管理会社とのやりとりが以前よりスムーズになった。
来店してからは、営業マンの力量にかかるが、まずはネットで見て興味をもってもらわないと来店に結びつかない。ネット掲載は重要な入口だ。
■物件の一番のセールスマンは大家
自分の物件のセールスポイントを、自分以上に知っている人がいるだろうか？管理会社のスタッフのほうが、現地情報含め、詳しい場合もあるかもしれないが、本来は、大家が一番のセールスマンのはずだ。
客付け(ネット掲載)は、パートナーである管理会社や客付会社に依頼してそれでおしまいではない。
その一環として、自分の物件(商品)が、採点基準を満たし、正確な情報で、見栄え良くネットに掲載されているか(売り場に適切に商品が陳列されているか)、それをチェックするのは大家の仕事だろう。
是非、定期的に入居者の気持ちになって、自分の物件を検索して見ることをおすすめしたい。
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執筆：親バカ大家 (石橋 仁)
https://twitter.com/hitoshi1114
■主な経歴
経済的自由を獲得したい、子供との時間を一緒に過ごしたい(幼稚園の送り迎え等)一心で、不動産投資をスタート。2015年に1棟目のアパートを購入、キャッシュフロー重視で物件を購入し、現在9棟98室を保有(返済比率37％・残債利回り18%)。大家歴８年目。
趣味は食べ歩き、旅行、そして子供と遊び、成長を見届けること。
米国株、仮想通貨にもアクティブに投資している。
座右の銘は『出来るか出来ないか、ではなく、やるかやらないか！』
