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空室が長引く物件はどこが悪い? マンションの共用部を見直すことの重要性

賃貸経営/空室対策 ニュース

2022/06/15 配信

これまで、この不動産投資ニュースで「家賃の見直し」「設備の強化」「専有部のリニューアル」について、空室対策として解説してきた。

しかし、もうひとつ逃しがちなのが、建物そのもの、共用部の魅力はどうだろうか、ということ。建物リニューアルのような大きな話ではなく、ちょっと廊下の電球や玄関の花などで、空室対策はどこまで可能なのか。事例に基づいて論じたい。

例えばアパートマンションのエントランスのポストが空室対策の決め手となる
例えばアパートマンションのエントランスのポストが空室対策の決め手となる

■空室対策の王道は
「スマホの検索項目」と「写真」

今、入居希望者はスマホで物件を検索して、「この物件が気に入った」と反響をいれ、そして不動産会社に行って、数件見て決めてしまう。

すなわち、この「スマホで検索」されるかどうかが鍵であり、設備項目などで検索される項目に該当するかどうかは空室対策の鍵と言って良い。

こうした検索項目のなかでも「ネット無料」などは、コロナ禍という環境変化に伴い時代の潮流である。

そして検索されてからは、結果一覧の写真次第。いまやステージングやリノベによる空室対策も有効である。

となると、エントランスの郵便ポストがどうであろうと、はたまたゴミステーションがどんな状態であろうと、スマホでの検索項目にはないため、あまり空室対策には効き目がないように感じるはずだ。しかし、実はここに罠がある。

スマホやパソコンで検索されるかどうかが、空室対策のポイント。ならば共用部は優先順位が下がる

https://www.photo-ac.com/main/detail/5144489
スマホやパソコンで検索されるかどうかが、空室対策のポイント。ならば共用部は優先順位が下がる

■実は内見して、一番がっかりするのは
共用部かも

「家賃も適正にした。ネット無料・バストイレ別・温水洗浄便座・宅配ボックス・防犯カメラ・テレビモニタフォンなど人気設備もついている。部屋も綺麗に原状回復してあり、アクセントクロスやモデルルームなどにして魅力的にした。しかし、内見した入居希望者はあれども決まらない」。そんな時には、一度、共用部を確認してほしい。

ここで、大事なのは「見学は来ているが決まらない」という点だ。なにかで「がっかりしている」という事実である。

たとえば、ネットの検索項目にはないエントランスのポスト。「ポストあり」という検索項目は存在しないので、まずは優先順位を下げて良い。しかし、長期空室で、チラシや投函物であふれかえっていないだろうか。

かと思えば、そうしたことを避けるためか、空室の部屋の郵便ボックスにガムテープが貼られていて、それがいくつもあり、かつ、テープが汚く古いということはないだろうか。もしそうなら、今すぐ改善したい。

「ずっと長いこと空室が決まらないんですよ」と、主張する郵便ポストをみて、入居希望者はがっくりきてしまうのだ。

「ずっと長いこと空室が決まらないんですよ」と、主張する郵便ポストをみて、入居希望者はがっくりきてしまうのだ。
お部屋探しのため、ワクワクして見学しにきてくれた入居希望者をがっかりさせる、チラシであふれたポスト

ポストに貼られたガムテープが、長期空室で人気が無い証拠になっている
ポストに貼られたガムテープが、長期空室で人気が無い証拠になっている

■新築のときはオーナーも気合いを入れていたけど、
今や、玄関の花も枯れ

せっかく、新生活を始めようと見学に来たというのに、エントランスの花が枯れている。そういえば、新築の時は、オーナーもお花に水をあげ、植栽も頻繁に植え替えていた。

外壁塗装までやるのは、お金がかかるかもしれないが、花に水をやらなくなったのは、いつからだっただろう。こんな一手間をなくしてしまったことが、実は、入居希望者をがっかりさせてしまっているかもしれないのだ。

枯れた花が、見学する入居希望者をお出迎え
枯れた花が、見学する入居希望者をお出迎え

そう考えると、所有物件の入り口から気になることは沢山ある。

玄関のカーペットはどうだろう。
不要なチラシを入れるゴミ箱は散乱していないだろうか。
エントランスが暗いと見学者の気分はそれだけでも滅入ってしまう。

「ここに毎日帰るのか。新生活が、楽しくなさそうだな」。そんな気分で内覧スタートでは、いくら設備やリノベを頑張っても、冒頭から見学者はネガティブな気持ちになる。

■廊下は、借りていただきたい部屋までの
序曲の始まり。明るくしたい

最初のエントランスが、ファンファーレであれば、廊下やエレベーターは序奏。居室がメイン、演歌や歌謡曲のサビの部分ではあるとして、そこに至るまでの気持ちを高揚させるべき重要な場所は廊下だ。

その大切な廊下が「暗い」とか、「私物が置いてある」となると、がっかりしてしまう。防災上も危険だし、そもそもせっかく見に行くお部屋にたどり着くまでに、借りたくないと思わせてしまう。

廊下が暗いと部屋が決まらない。
廊下が暗いと部屋が決まらない。

そこで、たとえば明るいLED電球に変えるとか、エレベーターも清潔でキレイな内装にするといった工夫は、満室になっている物件ほど、よく配慮が行き届いているものなのだ。

私が以前、「設備強化」「リノベ」をした物件がなかなか決まらないという相談を受け、現地に行ったとき、廊下を見ただけで、「これは無理」と思った事がある。

廊下に傘は散乱し、なんと洗濯物が干してあったのだ。たしかに、窓を開けても隣のビルが見えるだけという苦戦物件ではあったものの、男物のパンツが廊下に干してある廊下を抜けた先に、女性向けに例えばオレンジ色の壁紙の部屋があっても、「これでは決まらないはずだ」とむしろ納得してしまった事がある。

 廊下に男性の下着干してある物件。その先に居室でいくら頑張っても、ちょっと女性は借りたくない
廊下に男性の下着干してある物件。その先に居室でいくら頑張っても、ちょっと女性は借りたくない

■ゴミ置き場が散乱しているのは
「カラスの勝手」だろうか

別な物件では、バストイレ別にして、家賃も下げ、ネット無料にもしてエアコンも2台つけた。それでも決まらない。そこで現地に見に行くと、ゴミが散乱して、カラスがあさっていた。

この前を通って、入居者は生活しているのか。思わず絶句したが、収益物件オーナーからは、「ゴミのルールを守らない不届きな入居者がいて、ゴミ回収車が行ってしまってから出す人がいるからだ」と嘆く。「防犯カメラをつけて犯人を捜したい」。そして悪いのは「カラス」だ、行政にも言っているとの事。

 カラスがゴミを散乱させている道を通って、見学に行くとは
カラスがゴミを散乱させている道を通って、見学に行くとは

たとえば、ゴミ箱を置くとか、ゴミステーションにするとか、あるいはカラスよけの薬の塗られたネットをかぶせるとか。ほかに方法はないのだろうか。

入居希望者は「ゴミ出しのルールを守れ」と怒られたいわけではない。ルール違反の入居者に憤慨し、犯人を捕まえようと「防犯カメラを設置したい」という気持ちは、とても共感する。

しかし、その前に「仮にルール違反者がいても、この道を歩くのは嫌だろう」という視点で、ゴミ箱やカラスよけに投資をするという判断もあるのではないだろうか。

カラスが嫌がる薬剤が塗らたネット
カラスが嫌がる薬剤が塗らたネット
ゴミ集積用のボックスを設置すれば、カラス害もかなりおさまる
ゴミ集積用のボックスを設置すれば、カラス害もかなりおさまる

■駅から離れた物件の
駐輪場に屋根は?

また、駅から離れた物件がなかなか決まらず、現地に行った。収益物件オーナーは「駅から遠いから決まらない」「昔はこんなに物件がなかったから満室だったのに、ハウスメーカーがどんどん、うちの物件より駅近に物件を建てるからだ」「家賃を下げても決まらない」と嘆いていた。

屋根がない駐輪場。駅から遠いので、雨の日は濡れたサドルに乗るか、バスかタクシーになってしまう
屋根がない駐輪場。駅から遠いので、雨の日は濡れたサドルに乗るか、バスかタクシーになってしまう

聞けば、今の入居者は自転車での通勤・通学が多いそうだ。ところが、その駐輪場に屋根がない。むしろ、近隣のオーナーの自宅にはひさしがあり、「いつもここに停められるから迷惑だ」と憤慨していた。

ではなぜオーナーの自宅のそばに停めたがるのだろうか。そこには「ひさしがある」ので「濡れないから」なのだ。

そう「雨の日は濡れたサドルに座れ」と言っていたようなものなのだ。そこで早速、駐輪場に屋根をつけていただいた。ほどなく満室になった。

長期空室が続く物件は、こうした「共用部に落とし穴」があることがあり、「そこを改善することが満室経営の近道で、意外と低コスト」という事もある。実際に住む人の気持ちになって「住み心地」を考えて、是非とも少し改善できるところを考えてみよう。

駐輪場に屋根を設置したら、駅から遠い物件が満室になった
駐輪場に屋根を設置したら、駅から遠い物件が満室になった

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執筆:上野典行(うえののりゆき)

上野典行

■ 主な経歴

プリンシプル住まい総研 所長。1988年リクルート入社。
大学生の採用サイトであるリクルートナビを開発後、住宅情報タウンズ・住宅情報マンションズ編集長を歴任。現スーモも含めた商品・事業開発責任者に従事。 2008年より賃貸営業部長となり2011年12月同社を退職し、プリンシプル・コンサルティング・グループにて、2012年1月より現職。
All Aboutガイド「賃貸」「土地活用」。日管協・研修副委員長。全国で、講演・執筆・企業コンサルティングを行っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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