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満室経営の必須アイテム「入居者アプリ」スタート。 問合わせ履歴をヒントに空室対策するには

賃貸経営/空室対策 ニュース

2022/08/17 配信

前号では、「オーナーアプリ」についてご紹介させていただいたが、その一方で、「入居者アプリ」も各管理会社がリリースしている。新しい流れである「入居者アプリ」などでの「問い合わせ対応履歴」を活用して、満室経営をするためのヒントをつかみたい

入居者とのやり取りが、スマホのアプリで行われる時代に
入居者とのやり取りが、スマホのアプリで行われる時代に

ピザの出前も、宅配の再配達も
スマホの画面でする時代

NTTドコモ モバイル社会研究所の2021年1月の調査によると、日本国内でスマートフォン、ケータイの所有者のうちスマートフォン比率が92.8%となった。

収益物件のオーナーの中には「まだまだガラケー」「携帯も使わない」という人もいるかもしれないが、入居者は、スマホをかなり使っている。それも従来の電話のように「会話」をするものではなく、「ネットにつないで、画面を見て操作」をしている。

例えば、旅行に行くならホテルの予約・キャンセル、新幹線の切符、レンタカーの予約もスマホの画面で行う。大学受験の申込、合格発表、就職活動の説明会の申込や面接の予約、恋人とのLineでのやりとり、本の購入や出前の依頼、宅配の再配達の依頼などもなにかとスマホの画面を操作するのだ。

入居者の生活では、とかくスマホでの申込や問い合わせが一般的になっている
入居者の生活では、とかくスマホでの申込や問い合わせが一般的になっている

電話で話すのは苦手。
あまりかけたくないし、クレームは特に感情的になる

一方で、実は「なんでもスグ電話」という感覚は、かなり減ってきている。

例えば、飲み会の予約を飲食店に入れるのもスマホの画面。キャンセルも画面。電話で話してやり取りするのはちょっと苦手というわけだ。

宅急便が受け取れず、再配達の依頼をするのも、これまでは電話でしていたが、とても心理的にストレスがあるようで、今は、通知書のQRコードなどを読みとって、スマホの画面で再配達依頼をしたいそうだ。

再配達の依頼のため、郵便局に電話をするのが嫌で スマホの画面から指定するのがイマドキの世代
再配達の依頼のため、郵便局に電話をするのが嫌でスマホの画面から指定するのがイマドキの世代

特に、賃貸物件の入居者が、例えば「廊下の電球が切れている」「玄関の横にカラスの糞が落ちている」「となりの部屋がうるさい」と感じても、「電話をかけて人に話す」のは「ちよっとストレス」だ。そうなると、ちょっと我慢をしてしまう。

「我慢してくれるなら、放置しておけばいいではないか。賃貸はクレーム産業。なるべく問い合わせ先なんかわからないほうがいい」という意見もあるが実は違う。我慢は蓄積され、爆発する。

電話するのはちょっと抵抗があるな、と感じている間も、「廊下の電球は何日も切れたまま」「玄関の横はどんどん汚くなり」「となりの部屋の騒音への怒りが増す」。

こうして感情的になると「何日も前からずっとこーだった」とクレームの重みは増し、「すぐなんとかしろ」「家賃を全額払いたくない」「改善されないなら退去する」と、リーシングや収支に悪影響を起こしやすい。

我慢して我慢して、怒りが爆発して電話でクレーム入れたときには手遅れという事も
我慢して我慢して、怒りが爆発して電話でクレーム入れたときには手遅れという事も

こんな際、スマホの画面から、気になる情報を発信でき、返答が管理会社からくれば、初期の対応ゆえに被害が蓄積される前に対処され、まわりまわって、満室経営・安定経営が続くことになる。

スクリーンショット 2022-08-07 16.18.29
GMO ReTech株式会社の、入居者アプリの画面。問い合わせQAも豊富で、チャットでのやりとりも可能

スマホの画面でクレーム内容を打ち込むと、
感情もおさえられ、入居者も落ち着く

電話ではどうしても「言った言わない」の誤解も生じやすい。とくに設備故障の場合は、入居者もまさにいま困っているので、やりとりがあいまいになりがちだ。

スクリーンショット 2022-08-07 16.19.54

クレームを受ける管理会社やオーナーと入居者が、言葉でのやりとりだけだと上手く伝わらないばかりか、双方の主張や約束事にずれが生じてしまうリスクもある。なんでも「電話」という時代がかわりつつあるのである。

電話だとなかなか言いたい事が伝わらない時も、入居者が自分で文章にすると整理され、 状況判断もできて落ち着くこともある
電話だとなかなか言いたい事が伝わらない時も、入居者が自分で文章にすると整理され、状況判断もできて落ち着くこともある

スマホの画面に文字を打つことで、説明も論理的になる。
入居者アプリでは、例えば壊れた箇所を写真で送る事も可能なため、「とりあえず現地に行って」→「それから戻って必要な道具を用意して」といった二度手間もない。非常に便利なツールなのだ。

株式会社いい生活の入居者アプリ「pocketpost」。言葉で説明しにくい故障個所や損傷状態もスマホから写真で送れるのでやり取りが可能だ

株式会社いい生活の入居者アプリ「pocketpost」。言葉で説明しにくい故障個所や損傷状態もスマホから写真で送れるのでやり取りが可能だ
株式会社いい生活の入居者アプリ「pocketpost」。言葉で説明しにくい故障個所や損傷状態もスマホから写真で送れるのでやり取りが可能だ

夜間のトイレが流れない!!
パニックになって、工事会社を呼んでしまう前に

例えば、深夜、トイレが流れず、どんどん水があふれてきた。ひとり暮らしの女性であれば恥ずかしさもあり、パニックになってしまう。

トイレが詰まってしまうと、だれでもびっくりしてしまう
トイレが詰まってしまうと、だれでもびっくりしてしまう

あわてて、工事会社を探して、直してもらった。当然、工事会社も深夜に稼働するので、修繕費も高い。ことが終わってから、「これは設備故障です。前から流れが悪く壊れていたから、オーナー負担で」と請求書だけ回ってきても、納得がいかない。そしてどっちらが払う払わないともめてしまうことがある。

株式会社スマサポの入居者アプリ「totono」の「よくある質問」コーナー。Q&Aがあると 入居者が自己解決してくれるきっかけにも
株式会社スマサポの入居者アプリ「totono」の「よくある質問」コーナー。Q&Aがあると入居者が自己解決してくれるきっかけにも

入居者アプリであればそんな件数も減る。スマホの画面で「トイレの水か溢れたら」というボタンを押すと、「ここをこうすると治せることがある」「こんな道具でひとまず対処」と説明のQ&Aがあれば自己解決してくれる。

入居者はいち早くピンチを脱し、オーナーは修繕費用の交渉などの手間はないし、そもそも修繕しないで直れば、出費は双方ゼロである。

入居者が自ら直せれば、不必要なコストもかからない
入居者が自ら直せれば、不必要なコストもかからない
問い合わせをする前に、自己解決できれば、感情的にもならず、かつ修繕コストもかからない
問い合わせをする前に、自己解決できれば、感情的にもならず、かつ修繕コストもかからない

管理会社が提供する入居者アプリ
掲示板機能も便利

こんな便利な入居者アプリだが、自主管理だとなかなか利用できない。管理会社が速やかに入居者クレームに対応する事を目的としており、管理委託しているケースに管理会社側で入居者に配布している。

多くは、管理会社がシステム利用料を負担し、入居者のシステム負担はない。その分、管理会社はこれまで掲示板にいちいち貼りに行っていた貼り紙などを、入居者アプリを活用する事で周知徹底するなど、効率化が測れるというビジネススキームである。しかるに、収益物件オーナーが直接やりとりに参加することもなく、こういうITツールが苦手な方でも安心だ。

例えば、騒音クレームなどの際に、掲示板に「夜は静かにしてください」と貼ると、空室を見学に来た人にも「このアパートは、夜、うるさく騒ぐ人がいるのか」とマイナスアピールしてしまうといったデメリットも軽減できる。

オーナーが「先日、ゴミ出しのルールを守るように入居者に告知して」と言ったけど、まだ掲示板に貼り紙が貼られてないじゃないか」というと「はい。入居者アプリで告知済みで、全員の閲覧確認が終わりました」と返答が来ることもある。

これまで掲示板に貼って、入居者にしていたお知らせ
これまで掲示板に貼って、入居者にしていたお知らせ
こうした掲示板も入居者アプリに集約が可能。写真は株式会社スマサポの入居者アプリ「totono」の掲示板機能。
こうした掲示板も入居者アプリに集約が可能。写真は株式会社スマサポの入居者アプリ「totono」の掲示板機能。

大切なのは、クレームのやり取りの中身。
背景までわかると、退去防止や空室対策のヒントにも

入居者アプリでのクレームのやりとりは、文字で残る為、言った言わないにならず、記録としても残るのがメリットである。

また、電話でのクレームは「隣の部屋がうるさい。今すぐ何とかしろ」と感情的になり、詳細のやり取りが難しい。すると、「壁を防音壁にする」のか「窓を二重サッシにする」のかと、投資を行うか、はたまた「集合住宅ですから多少の音は勘弁してください」と押し切るかとなりがちである。

しかし、入居者アプリは「どのくらいうるさいですか」「何時ごろうるさいですか」「寝られないほどですか」と質問のやり取りも可能だ。

そうすると「いや、寝るのではなく、オンライン会議の邪魔になる」であれば「ヘッドフォンマイクを使うと軽減できますよ」「そうかそうしよう」と、解決策が変わり、「そういう人が増えているなら、ネット環境も変えよう」と空室対策も変わっていく。なにより、そういう対応で、入居者満足度があがり退去が減れば、賃貸経営にもメリットが大きい。

騒音クレームも、どんな音がいつ、とわると対処が変わる
騒音クレームも、どんな音がいつ、とわると対処が変わる

ただ、アプリを配るのではなく、こうした新しい技術の普及にも、汗をかく不動産会社こそ、ベストパートナーなのである。感染リスクは避けつつ、心は密に。こうした時代だからこそ、オーナーに寄り添うスタンスが期待されているのだ。

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執筆:上野典行(うえののりゆき)

上野典行

■ 主な経歴

プリンシプル住まい総研 所長。1988年リクルート入社。
大学生の採用サイトであるリクルートナビを開発後、住宅情報タウンズ・住宅情報マンションズ編集長を歴任。現スーモも含めた商品・事業開発責任者に従事。 2008年より賃貸営業部長となり2011年12月同社を退職し、プリンシプル・コンサルティング・グループにて、2012年1月より現職。
All Aboutガイド「賃貸」「土地活用」。日管協・研修副委員長。全国で、講演・執筆・企業コンサルティングを行っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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