コロナ禍での加速もあり、賃貸住宅がどんどん多様化している。広さ、設備がほぼ横並びだった時代であれば近隣相場だけを参考にした賃料査定でも無理はなかったと思われるが、今の時代、そのままで良いのだろうか。ここでは賃料査定の現状を取材、不動産経営者が知っておくべき知識を2回に分けてまとめた。
早く決める賃料査定が正しいのか
今回、賃料査定の記事を企画した背景には取材で感じた2つの違和感があった。ひとつはある建築家が設計した高品質な賃貸住宅。近隣相場を中心に、いくつかの試算を経て設定されたという賃料がどう考えても安く感じられたのだ。その後の様子を見ていると、早々に決まっていくのだが、それは安いと判断されているからではないか、物件の良さがきちんと評価されているのだろうか。疑問が湧いた。
また、ある時には「安くしてすぐに決める必要はない」という言葉を聞いた。投資である以上、できるだけ賃料を高めに設定、それで決めてもらうほうが長期的にはプラスになる。
だが、近年は早く決めること、たとえば竣工時満室などが良いとされる。筆者もそうした記事を書いてきた。しかし、前述したように賃料を安く設定すれば早く決められるわけで
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