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業界初、定額制ホームステージングが誕生。月額2万8000円で組立・設定・移動もお任せ

賃貸経営/ホームステージング ニュース

2023/05/29 配信

決まりにくい部屋を決める、差別化するために有益な手段として一般的になりつつあるホームステージング。それを月額定額で期間中使い放題のサービスが誕生した。今なら通常より安く利用できるメリットもある。サービスの特徴とどんな物件に有用かを聞いてきた。

賃貸では決めてもらうことが目的

以前は不動産会社で仲介を担当していたという森山由佳氏がホームステージング(以下ステージング)に着目したのは案内したお客様の中に自分の家具のサイズに切った新聞紙を持参、それを部屋に置いて部屋の広さを確かめようとした人達がいたことから。

「部屋の使い方を自分の持っている家具からリアルに実感したいという気持ちを持っている人が多いことを感じました。そこでそれを真似してお客様に部屋の使い方、家具の置き方を提案するようにしたら営業成績がぐんとアップ。

これはお客様に求められるサービスだと実感し、空室対策としてステージングなどを行う会社・空間工房を立ち上げました」。

不動産の現場を熟知していることから、森山氏のホームステージングは売買のように素敵な部屋を演出するのではなく、部屋の使い方をリアルに想定できるようにするため、決めてもらうためのもの。仲介会社が内見時に動きやすいように配慮するなど、見た目だけではない点がポイントである。

定額制のホームステージングの内容

そんな森山氏が業界初、定額制のホームステージングサービスをリリースした。広さによってワンルームプラン、リビング・ダイニングプランの2種類(*1)があり、さらに組立、設置、移動が何度でもOKというステージング放題(サブスク1年間 *2)と、移動は自分で行うサブスクセルフ(サブスク1年間)という2タイプのサービスがある。

リビング・ダイニングプランのッステージング例
リビング・ダイニングプランのッステージング例

価格はステージング放題のワンルームプランで月額3万2000円(以下いずれも税別)、リビング・ダイニングプラン月額3万4000円(いずれも基本1年契約)だが、サービス開始にあたり、先着20社についてはワンルーム2万8000円、リビング・ダイニングプラン3万4000円というお得なプランも用意されている。

「これまで家具その他を保管する倉庫は自社のものでしたが、配送については外注していました。それを内製化することで大幅にコストダウンを図り、使っていただきやすいものにしようという意図です」。

家具の異動については最初に家具を置いた部屋を起点に
~15㎞以内(一般的に同一区市町村内)では追加送料なし
~15㎞超30㎞以内(一般的に同一都県内)では+2,200円
配送に高速道路を使用する場合(15㎞を超えた場合)は往復分の高速料金を実費にて負担することになる。

複数物件にステージングすることでコストダウン

少し変形なワンルームのステージング例。暮らしが想定できる
少し変形なワンルームのステージング例。暮らしが想定できる

これまでの場合、ワンルームプランで7万円(税別、3カ月)、リビング・ダイニングプランで8万6000円(税別、3カ月)となっており、一度セットしたら3カ月間そこに置いたままという形だった。

それを1カ月当たり定額のサービスとし、さらにステージング放題では組立、設定、移動もお願いできるようになったというわけである。

「これまではある程度規模のある新築物件などでモデルルームのように利用されるケースが多かったのですが、手頃で使いやすい定額にすることで小規模な物件にもご利用いただけるのではないかと考えています。

たとえば複数の物件をお持ちの大家さん、不動産会社さんであれば1カ月目はAマンションで、そこが決まったらBマンションに移動してというような形で使えば、定額料金1カ月分、ワンルームのキャンペーン価格なら2万8000円で決まりにくかった部屋を決めることができます。順に移動していけば、それぞれの空室を埋めることができるわけです。

これまでのステージング例では設定後1カ月以内に決まる例が多いのですが、たとえば2週間目、3週間目で決まれば、さらに安く決めた計算になります。2週間で次に移動できればそのためのステージング費用は1万4000円ですし、1週間で決められれば7000円ということになります。

また、ステージング時に部屋の写真を撮影しておけば、その後もその写真が募集時に使えます。空室のままで募集をかけるより、ステージングされた生活が想定できるような写真があれば決まりやすくなります」。

ステージングに向いた部屋の要件

ステージングには向いている部屋があると森山氏。

変形間取りのステージング例。この間取りではどう使うかが全くイメージできないという声が多かった
変形間取りのステージング例。この間取りではどう使うかが全くイメージできないという声が多かった

「たとえばどう使えばいいのか悩むような変形間取り、梁の出っ張りが目立つような部屋では生活のイメージが湧きにくく、決まりにくいのが一般的です。そこに家具、小物などが配されていると、そうか、こう使えば良いのかというヒントになり、決めてもらいやすくなります。これまでの実績ではそれまで内見はあるものの、申し込みに至らなかった部屋がステージング後すぐに決まった例があります」。

ダイニング、寝室を使い分ける形でステージングして決まったそうだ
ダイニング、寝室を使い分ける形でステージングして決まったそうだ

周辺に同じような間取り、築年の部屋が多く集積、差別化できない部屋にもステージングは有用だ。

「特に単身者向けの間取りではどこも同じような広さ、間取り、設備、築年が多く、どの部屋を見ても同じに見えてしまいがち。そこで、見学する人の印象に残ればそれだけで選んでもらえます」。

また、個性の強いアクセントクロスの離れた、印象の強い部屋をマイルドにするという効果もある。

「壁一面だけにアクセントクロスを配するのが流行っていますが、時々、それが目立ちすぎてしまい、決まりにくくなることがあります。その場合にステージングでモノが置かれていると印象がマイルドになり、雰囲気が良くなって決まりやすくなります」。

人の視線は曖昧なもので、手前に置かれたものに目が行くものだという。そのため、何もないと粗が目立ったり、古さその他が気になる場合、ステージングでその視線を他に誘導すると粗が見えにくくなる。

そうした使い方が特に役立つのはファミリー向けの古い2DKなどだ。

玄関を入るとキッチンという2DKの、玄関脇に収納スペースを作り、キッチンが目に入らない形に
玄関を入るとキッチンという2DKの、玄関脇に収納スペースを作り、キッチンが目に入らない形に

「古い部屋だと玄関を入ってすぐにキッチンがあり、奥に2室が配された2DKがありますが、こうしたタイプでは玄関から部屋が丸見えになってしまうと嫌われがち。そこで緩く家具で視線を遮るようにするとそれが気にならなくなります。

部屋の使い方を提案、こうすればこの部屋は使いやすいと思ってもらうことが大事。これも2DKのDKのアレンジ
部屋の使い方を提案、こうすればこの部屋は使いやすいと思ってもらうことが大事。これも2DKのDKのアレンジ

ステージングでは部屋を広く見せようとする人が多いのですが、賃貸の場合にはそればかりでは決まらないことがあります。それよりも内見に来た人が気になるだろうポイントの手前に視線が止まるようなワンクッションを置くと、古さや間取りその他が意識されにくくなり、決まりやすくなります」。

逆に畳に傷をつけないよう、和室にはあまりモノを置かないようにしているとも。

「リビングのように使うなら居酒屋の個室のような雰囲気の、落ち着いた空間をイメージさせるようにするのが手ですね」。

案内を意識したステージング

また、仲介出身のノウハウを生かし、内見時の動線を邪魔しないように意識している点も森山氏のステージングの特徴。

「たとえばファミリータイプの部屋ではリビングに入って、その後にバルコニーを見てという動きをするのが一般的。その動線上にはモノを置かないようにしています。モノに邪魔されると空間を狭く感じるからです。

そのため、テレビとソファを置くとして、テレビ台はなくても「ここにはテレビ台を置けば良いな」と多くの人が気づきますし、それがないだけでスムーズに通れるようになります。そこで、テレビ台は無というケースが多いですね。

賃貸のステージングでは部屋を決めるのがゴールであって、部屋をきれいに見せるのが目的ではありません。そこを間違えている人が多いようです」。

また、センス良く見せるためには一社の製品だけでまとめるのではなく、いろいろな会社の製品を混ぜ合わせるようにするのがポイント。よく、価格の手頃さで有名な会社の商品ばかりを集めたステージングを見るが、今の入居者はそうした情報に詳しい。見ただけで、どこの製品か、だいたい、いくらくらいまで見透かされてしまうので注意したいところだ。

リアルとバーチャルの使い分け

最近ではバーチャルでのステージングもあるが、このところ、リアルに戻りつつあると森山氏。その理由としてはバーチャルで確認したものの、実際の入居時に家具が入らないというトラブルが発生しているため。

「バーチャルのステージングでも家具のサイズは部屋に合わせて入るものを選択していますが、問題は搬入。リアルにやっている場合には入らないものは入れられませんが、バーチャルだとサイズだけで置けると判断され、それを配します。

ところが、それを参考に家具、家電を購入、いざ搬入しようとすると階段が曲がれない、ドアを外さないと入らない、バルコニーからしか搬入できないなどトラブルが起きます。Web広告を目立たせる、クリックしてもらうためにはバーチャルステージングは有効ですし、安価ですが、それだけで満足度を上げるのは難しい。上手に使い分けると良いのではないでしょうか」。

最後に森山氏に教えてもらった内見時の印象を強めるテクニックをひとつ。

「普通は空室を内見、退出していく時にはすべての電気を消してブレーカーを落とします。ですが、電気をつけたままでブレーカーを落としておくと、ブレーカーを挙げた途端に住戸内の電気が一度について印象が強くなります。

内見はどれだけ見た人に強い印象を残すかがポイント。あの手この手で印象に残る部屋を作ることが空室を減らします」。

(*1)ワンルームプランでは家具5点、小物15点までが基本。別途オプションで1点から追加可能、同じくリビング・ダイニングプランでは基本が家具7点、小物20点まで。こちらもオプションで追加は可能
(*2)期間中、常時1セットを何度でも利用できる。部屋が決まる度に次の物件へ新しいプランで設置、または同じセットの移動を選べる。同物件、同タイプの間取りはターゲティングが同じになるため、基本的には家具を移動する対応となる。その他詳細はホームページを参照

健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

中川寛子

株式会社東京情報堂

■ 主な経歴

住まいと街の解説者。40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくり、地方創生その他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

■ 主な著書

  • 「ど素人が始める不動産投資の本」(翔泳社)
  • 「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)
  • 「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)
  • 「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版)など。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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