今回から『不動産投資初心者のためのDIYリペア講座』が始まる。
DIYによるコストカット効果が高いのは「リペア」だ。
投資家としては、この高いコストカット効果を見逃す手はない。
不器用を自負する人々も多いが、正しいやり方とコツを実際に手を動かしながら学ぶとほとんどの方がちゃんと習得できるものである。
しかも一度学べば、複数住戸や自宅にも繰り返し活かして行けるのだから、あっという間に元は取れてしまうのだ。
それが高じて仕事になっている人もいるほどだ。
講師は、築古物件を中心に物件のデメリットをチャームポイントに変える「バリューアップリフォーム」を展開し、セルフリノベーションまで学べる「大家さんのDIY学校」、「DIYサポート付賃貸プロデュース」「DIYサポート」等を行っている合同会社クラディ。
代表の石井麻紀子はDIYからスタートし、ホームセンター勤務で培ったニーズ把握、知識や技術を得、DIYアドバイザー資格取得、職人の研修、メーカー勉強会も受け続け、現在も常にブラッシュアップし、豊富なアイディアと知識を武器に活躍している。
そんな経歴だからこそDIYでする場合にそれらをミックスしてやりやすい方法、そして柔軟で正しい情報を伝えられるのだ。

現場の実践で培った、広い知識や技術を活かして、数々のテレビ、雑誌、書籍などの出演や監修を行う。著書に『デッドスペースDIY』『ビンテージ塗装と汚しのテクニック』がある。
また、企業研修やセミナー、商品開発コンサルティングなど、幅広い業界で活躍中。
2軒のUR賃貸モデルルームデザイン・施工も手掛けた。
家賃の下落や空室に悩むオーナー向けに、家賃アップしながら満室を見込めるDIY「サポート付」賃貸住宅をトータルプロデュース、サポートしている。
DIYリペア講座「Vol.1 壁紙編」
壁紙の補修は剥がれ、破け、目隙き、削れ、大中小の穴など、様々なものが考えられるが、初回はまず、ひとつの方法で壁紙の削れ、破け、キズ穴補修ができる方法を知っていただく。
傷部分型取り
今回は【クロス型取りなおし3点セット】を使用して説明する。
これは平滑な塗装風壁紙向きではなく、エンボス加工された凹凸のある壁紙用である。
また、型取り剤を2mm厚で作っ場合、約5cm2ほどの型が作れるので、同サイズくらいまでの傷なら対応できるということになる。
こういった作業を行う場合、何かを貼ったり付けたりする際にはすべて共通だが、パテを充填する部分に汚れや油分があると剥がれる原因となるので清掃してから行う。
また、特にパテは白く、手垢や汚れも移りやすい。そのまま壁に残るものなので、手洗い後のキレイな手で行うかゴムやビニール袋を着用する。ハンドクリームなどの油分もNGだ。
〈セット内容〉
商品の中には、
@クロス用パテ(上段)
練り合わせることによって硬化する
A型取りA剤、B剤(下段)がセットになっている。
写真のようなひっかき傷や表面だけがめくれて壁紙がなくなってしまっているもの、穴傷の埋め後 など様々なクロスリペア場面で活躍を見せてくれる。
A剤・B剤を同量を取り、色が均等になるまでしっかり混ぜ合わせる。
〈型取り〉気温によるが5〜10分ほどで硬化が進むので、練り合わせた型取り剤を早めに押し当て、壁紙の型を取る。
型取り剤が硬化したことを確認したら型取り剤を剥がす。
この際のポイントは、
*傷の大きさに合わせたサイズで作りがちだが、少し広く平べったく作る方が、パテに型を付ける時柄合わせしやすい。
*練り合わせが足りないと思って練り続けると硬化が始まってしまうこともあるので手早くする。
*押し当てた型取り剤に爪等を立て、爪跡等が残らなければ硬化している。
*気温が低くなる時期や練り合わせが足りなかった場合は、硬化に20〜30分程かかる場合がある。
*硬化前に剥がすとカベ紙の凸凹模様の中に型取り剤が残って、しまう場合があるので注意する。
*一度固まった型取り剤は、元の状態(やわらかい状態)に戻すことはできない。
ということがある。
〈パテ埋め〉
傷にパテをこすりつけるようにして穴を埋めたり隙間をなく充填し、余分を取り除く。
*薄すぎても型が押せない場合があるので適量であることが大切型を押すため、パテ全体が隠れるように、そして壁紙のエンボスに縦目横目があるものは向きを合わせた上で型を押す。
*原状回復の時、張替えずにできるだけ部分補修で済ませたい場合で、縦横を柄合わせをするのが難しい方は、石目調など多少ずれても目立たない柄を選んでおくのも手だ。
押し当てたら全体に型が写るよう、まんべんなく押さえていく。
同じ壁紙なら繰り返し今回作った方が使え、同梱のパテも大きな傷でなければ、何ヶ所か使える。
冒頭でも申し上げたが、何度も繰り返し練習するのが上達のコツなので、自宅の補修がてら壁をよく見て、破れなどがあったらぜひ試しにやってスキルのひとつに加えてもらいたい。