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保険のプロに聞く!【後編】テナント物件の注意点、自然災害リスクの対応は?見直しは9月までに!

賃貸経営/保険 ニュース

2019/08/20 配信

さて、前回は賃貸住宅物件についての保険について紹介したが、今回は飲食店や美容室など、テナントが入居する物件について注意すべき点や、保険の見直しポイントなどについて、引き続き保険ヴィレッジ・斎藤慎治社長に話を聞いた。

2.テナント物件
テナント物件(=一般物件)の場合でも、基本的には「普通火災保険」がベースで、補償対象も住宅とほぼ同じとなっている。

住宅用火災保険との違いは、入居するテナントの種類によって保険料が異なること。この種類については、①職業割増、②作業割増―があり、①については100種類程度、②は200種類ぐらいあり、業種によって保険料を差別化している。

職業割増の中で最も保険料が高いのは飲食店で、その理由は火を使うため火災発生リスクが高いためだ。テナントに飲食店が入居することによって、保険料は大きく違ってくる。これが居住物件と大きな違いだという。

また飲食店の中でも、最も保険料が高いのはバーやキャバレーといった“夜営業”の店舗で、中華料理店やカフェは同じ保険料レベルだという。

テナントの中でも飲食店は火を使うため保険料が高くなる
テナントの中でも飲食店は火を使うため保険料が高くなる

もともとのテナントが飲食店だった場合、レストランやカフェなどのテナント変更では保険料の変更はないが、これがバーなどに変わる場合は保険料が上がり、逆に、飲食店から小売店になると保険料が安くなる。携帯電話ショップやアクセサリーショップ、書店などの小売店舗の保険料は同じで、事務所使いでもほぼ変わらないという。

注意すべき点は、テナントが途中で変わったりした際には、大家側は保険会社にそれを告知・通知する義務があること。本来はテナント変更のたびに保険契約を変更する必要があり、保険料の追徴・返還が発生するが、「毎年更新ではなく長期契約が多いため、これを失念している大家も多い」と斎藤社長は話す。

また、最近注目が集まっている「民泊」については、要注意だ。保険は“実態”で判断されるため、たとえ区分所有だったとしても、民泊をスタートした段階で業種変更、つまり「住宅用保険」から「事業用保険」に切り替える必要がある。

しっかり契約変更を行わないと、万が一の事態が発生したときに保険金が支払われず、救済措置がなくなってしまうとのこと。また住宅ではなくなるため、地震保険は契約できないことも認識しておくべきだという。

今回お話を聞いた、保険のプロ!保険ヴィレッジ(東京都豊島区)の斎藤慎治社長
今回お話を聞いた、保険のプロ!保険ヴィレッジ(東京都豊島区)の斎藤慎治社長

■自然災害リスクに備えるには?

この数年、台風や豪雨による浸水・土砂崩れ、都市部でもゲリラ豪雨による浸水被害が増えている。こういった水害リスクに対応する特約として「水災特約」があるが、これについては、「所有物件の立地や近隣地域の被害状況などを考慮して判断してほしい」という。その際に、必ずハザードマップ情報を確認しよう。

ハザードマップ

海抜ゼロメートル地域や、近隣に河川があるなど、水害リスクをしっかりと確認した上で判断することが大切だ。特に地下フロアがあるテナント物件などは浸水による被害は大きいため、注意したほうがいいだろう。また高台に位置する物件でも、豪雨による土砂崩れが想定されるような場所なら検討の余地がある。

「水災特約については中途加入ができる。また最近は電話1本で保険の変更手続きができるようになっているので、もしこれから記録的豪雨になることがわかったときには、電話してすぐに追加すればいい」と斎藤社長。保険料は後払いで差額分が発生するが、水害リスクを考えれば、「可能性があるなら付けておいたほうが無難だ」。保険料は建物構造によって異なるが、木造がもっとも高く最大2割程度違い、RC造や鉄骨造ならそこまでの差はないという。

■見直しのタイミングは「まずは今年9月末」

では、保険の見直しはどのタイミングで行えばいいのだろうか? これについて斎藤社長は、「火災保険の見直し時期というものはない。言い換えれば、いつ見直しても損が出ない」という。

火災保険は、店舗で5年、住宅で10年と長期契約する人が多いが、生命保険と違い火災保険の返戻金は月割計算されるため、残存期間分がそのまま戻ってくる。契約した翌月に見直しても損をしないのが、火災保険の特徴でもあるという。

ただし、直近で見直すのであれば、「今年9月末まで」。10月に火災保険の保険料値上げが決定しているため、この値上げのタイミングで「10月までに見直して、安い保険料率で長く掛けたほうが得策」と指摘する。

今回の保険料値上げは、近年台風や豪雨など自然災害が多発していることを受けての対応。損害保険会社による2018年度の自然災害の保険金支払額は1.6兆円と過去最大となっており、値上げにより財源不足を補う計画となっている。住宅用保険については、福岡県などで4割、東京でも2割程度上がる予定。

「基本的には被災地域・被災状況などの実情に合わせた保険料の見直し。一気には上げられないので段階的に実施するということで、第1弾が今年10月ということになる。それでも財源としては不足しているので、2年後にも値上げされるだろう」と予想している。

健美家編集部(協力:玉城麻子)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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