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保険のプロに聞く!【前編】大家が物件にかける保険、払いすぎてない?居住用の一戸建て、マンション、アパート編

賃貸経営/保険 ニュース

2019/08/19 配信

所有物件には必ず保険をかけていると思うが、その保険の内容は物件の特性に合っているか―。

聞いてみると、「勧められた保険にそのまま入っている」ことも多いようだ。これまでも、賃貸に関連した保険(2019年1月20日掲載)について紹介してもらってきた保険ヴィレッジ(東京都豊島区)の斎藤慎治社長に、物件に合った保険の種類や留意点について聞いてみた。

火災保険

■賃貸物件に合った保険を選ぶ
住宅に関する保険で基本となるのは「火災保険」だが、賃貸用途では、一般的な住宅とは違う保険内容になるため、必要・不要な特約があり、また火災保険に入っていても保険が下りるものと下りないものがある。

火災保険は、基本的に火災や落雷、破裂、爆発、風、ひょう、雪災などによる損害を補償する。よく勘違いされるのは「雨漏り」で、配管不備による水漏れや、台風で屋根が破損し、その結果雨漏りがした場合には保険は下りるが、経年劣化による雨漏りでは保険は下りない。また強風で瓦がはがれたり、物が飛んできて屋根が破損したりすれば保険の対象だが、老朽化による場合は対象外だ。

斎藤社長は、大家・家主の心得として、「物件を購入するときには、保険加入が必須アイテムだという認識を持つこと」と話す。複数の賃貸物件、または集合住宅という特殊な物件を持っているので、一軒家と比べたら事故に合いやすく、台風や豪雨による被害、入居者による破損など、火事以外の事故のほうが圧倒的に多い。

必要最低限の保険に入っていればいいと思わずに、所有している賃貸物件に合った保険をしっかり選んで加入することが大切だ。

「賃貸物件において火災保険は正直で、お金を掛けるほどリターンが大きくなる。大家であれば、火災保険において絶対的に得をすると考えている」。そうなるためには、しっかりと賃貸物件に合った火災保険を選ぶことが大事だということだ。

その理由としては、保険会社・保険代理店は保険全般についての知識はあり、幅広く対応できるが、“賃貸物件”のプロではない。賃貸物件についての知識や必要な保険について精通しているわけではないため、その結果、提案する保険内容に過不足が発生してしまう。

「現在世の中にある保険会社や保険商品に差はほとんどない。それなのに保険の受け取りで差を感じるのは、“オペレーション”。保険に入るためのオペレーション、保険を受け取るためのオペレーションの両方とも欠けているから、うまくいっていないと思う。保険会社・大家双方が理解を深め、アプローチして初めて、適切な保険に入ることができると認識してほしい」と指摘する。

今回お話を聞いた、保険のプロ!保険ヴィレッジ(東京都豊島区)の斎藤慎治社長
今回お話を聞いた、保険のプロ!保険ヴィレッジ(東京都豊島区)の斎藤慎治社長

■建物の種類別に入るべき保険
では、具体的にどういった保険に加入すればいいのか、また何を見直せばいいのだろうか?
1.住宅関係
●マンション(区分所有)
①「専有部のみ」の契約になっている?
マンションなどの区分所有物件の場合、区分所有の持分は、部屋の内側(壁、天井、床など)を共用部・専有部の境目とする「上塗基準」と、壁・天井・床の中心部を境目とする「壁芯基準」があり、ほとんどのマンションでは管理規約でどちらを基準にしているか決められている。

保険範囲は「上塗基準」に基づくため、マンション価格に差があっても(土地価格が含まれるため)、部屋内側の面積が同じであれば保険料も同じだ。しかし「土地価格を含んだ保険契約をする人が多く、契約内容を確認すると『超過保険』になっている場合がかなりある」と斎藤社長は指摘する。

万が一火災が発生しても、内装費は数百万円程度のはずが、数千万円規模の保険を掛けている場合もあり、その場合保険料は倍近くに。しかし「仮に火災が発生すると現場に鑑定員が来るが、『保険は共有部分を含めた契約になっているが、管理規約をみるとそうなっていない』となると、保険金は減額になる可能性もある」。

「超過保険」を避けるポイントは、契約内容が「専有部のみ」になっているかどうか、の1点。契約時に保険代理店・仲介業者にひと声掛けることを忘れないようにしたい。

②賃貸に必須の「施設賠償責任特約」
区分所有でもう1つ注意する点は「賠償責任」。専有部が原因で隣室・下階に迷惑を掛けてしまった場合に使う「施設賠償責任特約」は、自宅であれば不要だが、賃貸物件では必須の特約だ。

「本来、賃貸物件であれば保険業者側が推奨すべき特約だが、勧めていないことが多く、また大家側も購入物件が自宅なのか、賃貸なのか、目的用途を伝えないで契約していることがある。この特約がどういうときに役立つかを伝えない結果、保険料を安くしたいという消費者心理から、つけない選択をすることになる」(斎藤社長)。

火災の場合、所有する賃貸居室が火元であっても、「失火責任法」に基づき原則として民法上の損害賠償責任は負わなくていいが、「怖いのは水漏れで、専有部からの水漏れで下階の部屋に被害を与えた場合、この特約に入っていないと損害賠償金が支払えない」と、斎藤社長は指摘する。特に築古物件では、給湯器や給排水管からの水漏れはつきものということで、同特約は欠かせない。

●一棟物件(アパートなど)
区分所有もアパートなどの一棟物件についても、基本的には戸建住宅の火災保険を賃貸用にカスタマイズしている。つまり、同じプラットフォームに、賃貸用プランとして特約をつけてカスタマイズしているといえる。

最近では賃貸用プランを設定している保険会社もあり、これを選ぶことで賃貸物件に必要な補償が網羅されてようになっているが、こういったプランであっても不要な特約があるという。

一棟物件の保険特約で、斎藤社長が「不要」と指摘するのは、「類焼損害特約」。この特約は、所有する賃貸物件が火元となってしまった場合に、近隣に対して法律上免責とされている失火による損害を支払う特約だ。しかし「その物件に大家は住んでいないので、火元になり得ない」とのこと。賃貸併用住宅なら該当するが、賃貸専用物件の場合は火元になり得ないため、「この特約を付けてもまったく意味がない」という。

また、前述した「施設賠償責任特約」の代わりに、「個人賠償責任保険」が付いていることもあるが、これについても「大家がそこに住んでいないと意味がない特約」だとしている。
アパートやマンションなど一棟物件の場合、「建物付属機械設備等電気的・機械的事故特約」をつけることも得策だ。

例えばエアコンや給湯器の故障時に、その修理費用や壊れた損害に対して補償される。集合住宅の場合居室が多く、付属する電気機械設備も多い。「もしそこでお金がもらえるのであれば、その分特約保険料を払っておいたほうが安いし、これを知っているか否かで、全然火災保険の価値が違ってくる」と斎藤社長は話す。

今回は賃貸住宅物件についての保険について紹介した。次回(8月20日掲載)は飲食店や美容室など、テナントが入居する物件について注意すべき点や、保険の見直しポイントなどについて、紹介していく。

健美家編集部(協力:玉城麻子)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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