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店舗なら「耐震等級1」でも可。空き家活用でコストを下げて安全を確保する方法。がもよん成功の秘訣

賃貸経営/空家・遊休地活用 ニュース

2021/01/28 配信

空き家の活用で問題になるのは適法性を担保すること。そのうちでも特に生命に関わることだけに耐震性能については注意を払いたい。

だが、耐震性能を上げようとすると多額の費用がかかり、投資としては収支が合わなくなるのではないかという懸念も持つ人もいよう。

そこでひとつ、参考になるのは住宅ではなく、店舗その他として使うことを前提とすることで耐震等級1でも良しとし、割り切った改修をするという考え方である。

住宅と店舗、オフィスでは求められるものが違う

住宅の性能を表す制度に2000年に施行された「住宅の品質確保の推進等に関する法律(品確法)に基づく住宅性能表示制度がある。

新築一戸建てに関しては全体の3割ほどがこの制度を利用、そのうち、耐震に関しては3ランクの等級のうち、9割ほどが等級3(最も性能が高い)を取得している。

がもよんではこの10年余に30軒以上の空き家が主に飲食店に再生され、まちの雰囲気が大きく変わった。写真は最初に再生され、地元の人たちに衝撃を与えた米蔵を改装したイタリアンレストラン。まちのランドマークである
がもよんではこの10年余に30軒以上の空き家が主に飲食店に再生され、まちの雰囲気が大きく変わった。写真は最初に再生され、地元の人たちに衝撃を与えた米蔵を改装したイタリアンレストラン。まちのランドマークである

そのため、一戸建てに関しては等級3を標準的と思っている人もいるかもしれないが、寝ている時間を過ごす住宅と起きている時にしか使わない店舗やオフィスの耐震性能を同列で考えるのはどうか?と提起するのは大阪市城東区の蒲生四丁目、通称「がもよん」で空き家の再生を数多く手掛けるアールプレイ株式会社の和田欣也氏

「人間は寝ている時が一番無防備で、そこに地震が起きたら逃げようがありません。でも店舗やオフィスは起きている時に使うもの。耐震等級1は建物は損壊するとしても人が死ぬようなことはないというレベルです。

賃貸して使う店舗、オフィスならこのレベルでも十分人の生命は守れます。逆に耐震補強にそれほどの費用をかけなくて済む分、安く貸せる、借りられるようになるので、成功する可能性が上がると考えています」。

古い空き家の耐震改修は床、天井がポイント

加えて店舗、オフィスで使うことを前提にした場合には割り切った改装が可能になる。古民家を耐震改修する場合、ポイントとなるのは屋根と床である。順に見ていこう。

まず、屋根だが、古い建物では土で固定した瓦屋根となっていることがあり、これが耐震性能の評点を著しく下げる。重いのだ。だが、逆にこれを軽くするだけで全体のバランスが良くなり、場合によっては屋根を変えるだけで済むケースすらあるとか。

そのために和田氏が採用しているのがスレート。これは粘土板岩の薄板を利用した屋根材のことで、約数ミリと薄くて軽量な上、品質が安定していて作業性が高く、しかも安価。コストを抑えて屋根を軽くし、安全を確保するにはうってつけの素材である。

五軒長屋を1棟として工房に改装したマニアック長屋。屋根はスレート葺きになっている
五軒長屋を1棟として工房に改装したマニアック長屋。屋根はスレート葺きになっている

ただ、その一方でスレートには雨が降ると音が響く、断熱性能があまり高くないなどのデメリットもある。そのため、住宅で施工する際には防音や断熱を考慮する必要がある。屋根材としては安価でも、デメリットをフォローすることを考えるとそれだけでは済まないかもしれないのだ。

だが、店舗、オフィスなら多少の音は許容されることが多く、冷暖房も業務用を使えばかなりの部分、カバーできる。住宅でないからできる手というわけだ。

コンクリートの基礎をそのまま床として使う

古い住宅では基礎がきちんと作られていない、劣化している物件も多く、それも評点を下げる要因だが、店舗、オフィスであればそれを逆手に取り、コンクリートで打った基礎をそのまま床として使う手がある。

マニアック長屋内部。床はコンクリートそのまま。長屋利用でもこれだけ開放的な空間が可能になる
マニアック長屋内部。床はコンクリートそのまま。長屋利用でもこれだけ開放的な空間が可能になる

住宅の場合、コンクリートの基礎をそのまま床として使う例は少なく、たいていは床板を張る。そのままでは硬く、足腰が疲れるその他デメリットがあるからだが、基本的に靴を履いたままで利用する店舗、オフィスであれば床はコンクリートでも問題はない。逆に今どき風でかっこよく見えるし、掃除が楽、ペイントすることでインテリアを楽しめるなどのメリットも。

「たいていの人は住宅を基準に建物を考えるので、店舗、オフィスにもその常識を持ち込んでしまう。ですが、使い方が違うことを考えれば違う基準で作っても良いのです」。

使える空き家、使えない空き家の見極め

ただ、とはいえ、やはり、どんな空き家でもこの手で収支が合うように改修できるわけではない。たとえば土を利用して葺かれている瓦屋根の古民家はコストが嵩む。

瓦、土をともに処分しなくてはいけないためで、処分費が意外に馬鹿にならない。特に路地の奥にある住宅のように車をつけられない立地にある場合には人力で運ぶことになり、時間もかかる。瓦屋根はいかにも古民家らしく見え、風格があると思われるが、費用面では難しいことも多いのだ。

同じ古民家に見えても戦後の建物も使われている材が悪いことが多く、費用をかける必要があるか、疑問がある。戦前の建物は材に加え、職人の技もあって今では作れないと思えるようなものがあるが、戦後の住宅はどちらも今ひとつという例が多い。

貸す当てがあるなら良いが、2階建ての大きな住宅も活用には問題が多い。建物は軽いほうが耐震の評点は良く出がちだが、2階建てとなるとそれだけで重い。まして2階を使えるようにするとなると、1階、2階それぞれに評点を上げる必要があり、改修費用もダブルでかかる。

利用しきれない古民家を解体、その跡地を市民農園として貸し出すという手も。都心では数が少ないだけに人気が高い。かつ設備その他が不要なため、収益もかなり取ているという
利用しきれない古民家を解体、その跡地を市民農園として貸し出すという手も。都心では数が少ないだけに人気が高い。かつ設備その他が不要なため、収益もかなり取ているという

また、大きな建物を活用するには借りて使う側にも資金力が必要だが、大手はコンプライアンスの問題などから多少でもリスクのある建物は避けたがる傾向がある。それを考えると、空き家を再生して貸す場合には個人あるいは中小の事業者を対象に考えるのが賢明だろう。個性のはっきりした個人店のほうが建物の個性を生かせるという考え方もある。

つまり、改修の費用から考えても、貸先、個性のある店舗づくりという点からも大型の古民家再生はリスクが高い。それよりは個人が容易に借りられる規模の空き家を改修したほうが成功に繋がりやすい。

実際、和田氏ががもよんでやってきたのはそうした空き家再生である。1軒ごとの規模が小さく、賃料も多額ではないにしても、それを数多く手掛ければ人気になり、収益も上がるようになってくる。

2021年1月にはそうしたノウハウをまとめた書籍も発売される。古い空き家活用で確実に稼ぎたいと思うのであれば参考にしてはどうだろう。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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