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日本とは違う!大家さんに有利な条件が満載の「アメリカの賃貸契約」

賃貸経営/法律・制度 ニュース

2017/12/31 配信

日本では賃貸契約の際に、賃借人に強い対応ができなかったり大家さんが不利な立場になることも多いが、アメリカの賃貸契約ではしっかり大家さんの立場を守る条件が盛り込まれる。参考になりそうな項目を中心に紹介してみたい。

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  • 支払いが遅れたらペナルティーを請求する

日本では滞納問題は大家さんの気苦労が絶えない悩み事のひとつである。だがアメリカでは少し違う。賃貸契約書には毎月の家賃の締め切り日が記載されるが、その日を過ぎた場合は罰則としてペナルティーが課される。

家賃の5~6%が一般的で、滞納が続く場合は預かっている保証金(Security Deposit)から家賃の補てんとして引き出されることを定めている。保証金からお金が引かれた場合は、賃借人が5日以内に入金して元の金額に戻す必要がある。

  • ノースモーキングが当たり前。室内も共用部分もダメ

アメリカの公共の場はほとんどが禁煙だが、多くの賃貸アパートも禁煙にしている所が多くなってきた。室内はもちろん、バルコニーや共用部分の中でタバコを吸うことも禁止され、中にはアパートの玄関から数10メートル離れたところで喫煙するように細かく規定されることもある。

  • 退去時に、見学者に室内を見せることの合意

日本では賃借人が退去時に大家さんに協力するというケースはほとんどみられないが、アメリカではちょっと違う。

賃借人から物件の退去を通知した場合、大家さんはすぐに新しい借り手を見つける活動に入るが、それについて賃借人は協力する必要があることを契約書に盛り込む。

大家さんがその物件を売却することになった場合も同様で、賃借人は売却活動に協力する必要がある。つまり契約書上では、賃借人は住んでいる間であっても、室内を見せることに協力しないといけないということである。

売却や新しいテナント探しを引き受けた不動産エージェントやマネジメントオフィスは、現在住んでいる賃借人と事前に連絡を取り合って、日程調整して室内を見せることになる。

ただ、実際の現場の活動においては、賃借人が例えば赤ちゃんがいるので、決まった時間帯でないと見せたくないとか、時間設定については色々と調整が必要な場合が多い。
  • 賃貸契約期間と契約更新ルールが明確

アメリカの賃貸契約では契約開始日と終了日を明記し、終了日(時刻も記述)に契約は終了する。契約終了時までに賃借人は退去する。これがシンプルなルールだ。

契約更新する際は、大家さん(Landlord)と賃借人(Tenant)の両者が1年などの期間を設定するか、1か月ごとの「月極め契約(Month to month Lease)」かを定めて契約する。

契約書を交わさずに更新するケースは、大家さんが賃借人から契約期間が過ぎているにも関わらず家賃を受け取った場合のみで、その際は「月極め契約」したと見なされ、賃貸契約を更新していなくてもその契約は有効となる。

なお契約更新時に大家さんが家賃の値上げをする場合は、10%以下の値上げは1カ月前までの告知、それ以上の値上げは2カ月前までの通知が義務付けられている。

ここ数年アメリカでは人気エリアの物件は毎年家賃が上がる傾向で、更新時にも大家さんが家賃を値上げする傾向が多い。それに応じられない場合は、当然賃借人は退去しなければならない。

  • 保証金の額は賃借人の経済状況やペットの有無で決まる

賃貸契約の際には、預り金として保証金を大家さん側に支払うが、カリフォルニア州では法律で保証金の額は上限が2か月までとなっている。

大型賃貸アパートなどは、販売促進で500ドル程度の低い金額を設定することもある。この点については、自己資金が少なくても借りやすく賃借人にとって有利な市場だと言える。

保証金の額は賃借人の経済面のバックグラウンドで決められる。例えばアメリカへ移住して間もない人やクレジットヒストリーが良くない人など経済面で不安要素が高い場合は、保証金の額が高く設定される。

ペットを飼える賃貸物件も多いが、壁や床がペットによって損傷することを懸念して、ペット1匹について500~1000ドル程度、保証金を増額するのが一般的である。

保証金は退去時に返却されるが、賃借人の過失で室内外の物を壊したり汚した場合は、預けた保証金から費用を差し引かれる(経年劣化による汚れなどは除く)。

  • 又貸しは禁止、ルームメイト同志は連帯責任あり

部屋を借りる人が、他の人に又貸しすることは禁止されている。その部屋を借りる際に、成人は全員契約申し込みをするが、家族同士ではないルームメイトの同居の場合は、互いが家賃の連帯責任を持つ契約書を追加で交わしてもらい、賃貸契約期間中にどちらかが部屋を退去しても、両方に家賃の支払い義務があるという条件が盛り込まれる。

最近アメリカでもエアーBnBが人気だが、又貸しを禁止している場合は賃貸契約の内容に反するということで、問題になっているケースも多い。

以上のような条件に合意した後、家賃の滞納を含め賃借人が契約内容を遂行しない場合は、大家さん側から契約解除を申し渡すことができるルールになっている。

このようにアメリカの賃貸契約には、賃借人が順守すべき条件が細かく盛り込まれていて、大家さんの立場を守るものとなっている。

※上記はカリフォルニア州における住居物件の販売における情報を前提とします。

西川ノーマン裕子

【プロフィール】
京都出身。大阪外国語大学卒業。元住宅情報誌編集長。2004年に渡米。地元向けの日本語情報誌『Lighthouse』の編集長として、南カリフォルニアの日系コミュニティーでのビジネス交流、生活支援に従事。現在はロサンゼルス在住で不動産関連のコンサルティングに携わる。ビバリーヒルズ・ロサンゼルス不動産協会グローバル評議会委員、NAR公認国際不動産スペシャリスト、シニア不動産スペシャリスト、全米アジア不動産協会サウスベイ支部役員。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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