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IT重説から契約書の電子交付まで!不動産取引のオンライン化、安全性の担保なくして普及せず

賃貸経営/法律 ニュース

不動産取引で契約の利便性を高める国土交通省の社会実験が進んでいる。

不動産取引契約のとき、書面による交付を義務付けられている重要事項説明書(重説)について、「賃貸契約における重要事項説明書等の電磁的方法による交付の社会実験」と「個人を含む売買取引におけるIT重説の社会実験」の2つが10月にスタートした。

今回の実験は、これまで重説をテレビ会議などで可能としてきたことに加えて、重説書類の電子交付を認めるというものだ。重要事項説明書(35条書面)と契約書(37条書面)の規制緩和を狙ったもので契約書の電子化まで視野に入れている。

IT重説になると、不動産を買うときや借りるとき、不動産会社まで行くことなく契約を済ませられるのがメリットだ。重要事項説明に係る場所と時間の制約が大幅に軽減される。

賃貸イメージ

実証実験後に本格導入が見込まれるのが賃貸住宅の領域である。社会実験に参加する不動産会社は一様に、借り手は入居申し込みから契約・引き渡しまで来店不要となると強調している。インターネットを経由してのテレビ会議や電子署名での対応で、遠隔地の入居者の負担軽減や業者側の時間の有効活用、契約書の書面化や郵送にかかるコストの削減などにつながると考えている。

例えば、借主は引っ越し先が遠隔地であっても、物件見学とその後の契約のために再び現地に赴く二度手間が省けることになる。不動産会社からすると、節約できた手間と時間で物件管理もしやすく、オーナーの賃貸経営に費やす時間も増やせるとする。

国交省社会実験リリース (1)-1
▲イタンジのニュースリリースより抜粋

ただ、こうした不動産取引のオンライン化の普及には、取引の安全性(物件の安全性)の担保が大前提となる。電子取引になじみの薄い高齢者や日本語に不自由な外国人にとってハードルは相当に高い。成約後に入居してみたものの、「住宅設備機器が壊れていて使えない」、「壁や床が凹んでいる」、「隣室や上の階の生活音が響いてうるさい」、「ゴミ置き場が異様に汚いなど建物の管理状態が悪い」。こうしたことは実際に足を運ばないと確認できないことである。

賃貸ならばあきらめて別の物件を探すことも比較的しやすいかもしれないが、売買取引はそうはいかない。これまで売買取引のIT重説では、法人取引に限定して社会実験で検証してきたが、実施件数が少ないことから本格運用には至っていない。地面師事件で被害を被った住宅大手の記憶は新しい。地面師事件では対面しているにもかかわらずだまされた。

特に個人の売買では、個々の契約者の安心感がより重要視される。居住用物件は一生に一度の大きな買い物である。そのため、売買では投資用物件の方が導入されやすいと見られている。GAテクノロジーズ(東京都港区)では10月からの実証実験で不動産投資家を対象に月ベース10〜15件、年間では180件の売買IT重説を見込んでいる。

住宅・不動産業界に限らず、さまざまな業界で電子取引が進んでおり、若者を中心に電子取引に対する抵抗感は薄い。こうした層でのIT重説は進みそうだが、消費者のITリテラシーが高くても、不動産会社がそれに対応できないケースもあり、取引全体に及ぶかについては不透明感が強い。

ただ、対面でのやりとりが皆無になることはなさそうだ。不動産会社としても、対応能力を持たない小規模・零細に限らず、大手を含めた一定以上の対応能力のある事業者であっても、今の流れだからとりあえず能力は身につけておくが、実はそうIT取引にこだわっていないフシも取材を通じて感じる。

健美家編集部

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