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木造アパートでも、高品質なら「マンション」と登録・表記可能に!

賃貸経営/法律・制度 ニュース

2022/01/29 配信

2021年12月6日から不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)の理事会社であるリクルート、アットホーム、ライフルが運営する不動産検索サイトでは一定の基準をクリアした木造の賃貸住宅を従来のアパートではなく、マンションと表記できることになった。その背景には木造住宅の高品質化がある。

「木造=アパート」が変わる

これまで不動産ポータルでは木造の賃貸住宅はすべてアパートと表記されてきた。一般消費者の頭の中にはアパートはマンションよりも耐震性、耐久性、耐火性などに劣る、その分、賃料が安いなどというイメージがあったと思うが、今後は一定の条件を満たしていればマンションとして表記できる。

対象となる物件は新築、中古、木造、軽量鉄骨造を問わず
・3階建て以上
・集合住宅(タウンハウス、テラスハウスなどの連棟式物件を除く)

となっており、さらに建物の性能に基準がある。ここが大きなポイントで「住宅性能表示制度による住宅性能評価書」で以下2つの条件を満たしている必要がある。

①耐久性「3-1.劣化対策等級(構造躯体等)」が等級3
②耐震性「1-1.耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)」が等級3。または耐火性「2-6.耐火等級(延焼のおそれのある部分(開口部以外))」が等級4もしくは耐火構造

また、建物性能条件については「設計」「建設」いずれからの「住宅性能評価書取得済の建物」であることが必要。「申請前」「申請中」の段階や、自社基準(独自評価)、または住宅性能表示制度の評価機関として国土交通省登録事業者以外の期間による類似評価は根拠として採用できないものとなっている。

各社揃って同じルールで表記を統一している
各社揃って同じルールで表記を統一している

いずれにしても建物の性能が国の制度によって担保されている3階建て以上の共同住宅であればマンションと表記して良いということになるわけである。

高品質なら木造でもマンション

これは最近の木造住宅の高品質化を受けてのこと。このところ、大手ハウスメーカーその他ではさまざまな技術革新が行われており、また、国も木材を利用していこうという方針を打ち出している。全体としてカーボンニュートラルという、環境に優しい素材をという流れももちろんある。

そうした建設サイドからの要望を受けて、ポータルサイト側でも評価を見直したというわけである。その際、各社がそれぞれに異なる基準で表示されるのでは消費者には分かりにくくなるという配慮から、大手三社が足並みを揃えることになったのだろう。

また、もうひとつ、この背景には木造の高品質化を受けての金融機関の融資期間見直しもある。賃貸住宅がRC造の場合、減価償却期間は47年となっており、融資は30年、35年受けられる。

ところが木造住宅の減価償却期間は22年で、それに合わせて融資期間も短くなっていたのがこれまで。ところが近年、劣化対策等級3を取るなら30年、35年の融資もあり得ると金融機関の姿勢が変化している。つまり、良い物件を作るなら長期の融資をしましょうとことである。

現時点では賃貸住宅で劣化対策等級3を取得している住宅はまだかなり少ないと推察されるが、マンションと表示できるようになることで高品質であることがアピールでき、賃料もこれまでより高く設定できるとなれば、賃貸市場全体の質の底上げにつながる。

立地、広さ、築年数といった条件以外に勝負できる条件が生まれるわけで、立地が悪くても品質が高いなど多様な住宅が供給されることにも繋がるはずだ。

健美家編集部(協力:中川寛子)

健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

中川寛子

株式会社東京情報堂

■ 主な経歴

住まいと街の解説者。40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくり、地方創生その他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

■ 主な著書

  • 「ど素人が始める不動産投資の本」(翔泳社)
  • 「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)
  • 「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)
  • 「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版)など。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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