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火災保険の特約でキャッシュフローを確保。突然の修繕費負担に備える保険の使い方とは。

賃貸経営/管理・管理会社 ニュース

2017/08/24 配信

大家さんの悩みの一つが運用物件のメンテナンスだ。各住戸のエアコンや給湯器といった設備は耐用年数を経過する頃にはかなりの確率で故障し、修理・修繕や取り替えが必要になってくる。

マンションやアパートなどの一棟物件を運用する場合、10戸、20戸、30戸と戸数が増えるほど修繕費が馬鹿にならない。区分所有を運用する場合でもその戸数毎に一棟投資と同じようにメンテナンス費はかさむ。

10戸の集合住宅があれば、最低10戸のエアコンがあって、それ以外にも換気扇があり、コンロがあり、照明もある。ちょっとした規模の賃貸物件になるとポンプや自動ドアが付いている。

ただ、こうした大家泣かせの設備故障について、保険ヴィレッジ(東京都豊島区)の斎藤慎治社長は、「火災保険には、こうした電気仕掛けの設備が壊れればすべて保険で支払える特約が付いていることを知らない賃貸オーナーが多い」と話す。

特約を使って賃貸経営する大家と、そうでない大家とでは賃貸経営のキャッシュフローが全く違うと指摘する。

火災保険記事イメージ⑤
最近の賃貸マンションには、様々な設備機器が備え付けられている。安定稼動のためには、各住戸に対するメンテナンスが欠かせない。

「建物付属機械設備等電気的・機械的事故補償特約」。

つまり、エアコンや給湯器などが故障すると保険金が出るという特約だが、斎藤社長は、「一般の人がこの文言を見て故障で保険金が出るとは読み取れていない。しかし、約款には故障で支払うと書いてある。自分が運営する物件の火災保険をすべてこの約款付き火災保険に取り替えた」と話す。

実は斎藤社長もアパートや区分所有店舗、戸建て住宅、事務所など様々なジャンルの不動産を複数経営している。大家歴16年の不動産投資家である強みを生かし、「大家さん専門保険コーディ―ネーター」の肩書で保険代理業務を営んでいる。大学卒業後に損保会社に入社し、その後独立して保険業界に30年間身を置くスペシャリストだ。

「賃貸住宅業界に精通している保険の専門家がいない。一般住宅の知識があっても賃貸住宅特有のオペレーションに対応できていない保険マンが多いのが現状。物件のタイプによってオペレーションがすべて違う」
として大家に特化した保険代理店業務を展開し、火災保険を活用した多彩な切り口で保険の掛け方や保険の払い方などを詳細に解説する。

実際、建物付属機械設備等電気的・機械的事故補償特約を使うことで、実際の修理費よりも保険金の方が多く支払われているケースは少なくない。

千葉県松戸市のマンションの給水ポンプでは、交換費用75万8160円に対して82万7840円の保険金が下りた。

東京都北区のマンションのエアコン故障に伴う交換では43万2000円に対して45万7701円が支払われた。特にマルチ型エアコンやインターホンは額が大きい。

仙台市のマンションであったインターホン交換は500万円かかったが、492万6339円が賄えたという。

こうした設備の不具合発生のほかに、火災保険の「破損汚損(破汚損)特約」を使うことで運用物件を守る方法もある。例えば、入居者が誤って室内を破損したり、汚したりした場合に家主の火災保険にある破汚損特約で対応可能だ。

本来ならば入居者の責任において修復すべきだが、火災保険のツケ漏れが多いのが実態だ。入居者が賃貸借契約の時点で保険に入っていても、その後に更新していないケースが少なくなく、保険も手持ち資金もなくて修理費を払えないという入居者に代わって家主の火災保険にある破汚損特約で肩代わりする。

通常、肩代わりしたものは加害者に対して保険会社が求償という取り立て行為をしなければならない。だが、最近の火災保険では、賃貸人と賃借人の間においての求償権は行使しないことを保険約款に盛り込んでいるので家主の火災保険に頼ることになる。

「自分の保険が使われるのか……」との思いが頭をよぎるものの、余分な持ち出し分を気にせずに済むことから、斉藤社長からアドバイスを受けた家主からは精神的・経済的な負担が軽減されたと好評だ。

ちなみに事故発生においてオペレーションが最も難しいのは縦に長い、つまり階数の多い建物。

マンションに限らず、事務所や飲食店といった商業用不動産の上の階で水漏れが発生した場合、下の階まで水漏れ被害が広がってしまう。

例えば、下の階に商業テナントが入居していれば、加害者には、商品に与えた損害や復旧工事期間中の休業補償、仮店舗を出す場合はその手配とコストなどがのしかかってくる。

原因の箇所を調べるだけでもコストがかかる。特に都心だと隣地との隙間がないペンシルビルが少なくない。こうしたタイプの物件は、荷物の上げ下ろしや足場を作るなど時間とコストを通常より費やす。運用に付きまとう様々なリスクに対応できるよう不動産投資家は保険武装により修繕費負担に備え、安定したキャッシュフローを確保することが必要であろう。

また、設備関係は耐用年数などから故障時期は想定できるもの。故障の当たり年になると大家は大変な目に合う。「そろそろ故障時期だ」と思うころに物件を売却する家主は珍しくはない。保険の知識があればそうした物件を購入しても安心できる。

賃貸経営が、不労所得ともてはやされる時代ではない。

家主には適切なリスクヘッジを行う経営感覚が求められている。

健美家編集部

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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