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大家の敵、「家賃滞納」の督促から強制執行まで。長期滞納者には建物明渡等請求訴訟で解決を

賃貸経営/管理 ニュース

2017/11/29 配信

賃貸オーナーにとって、様々な悩みは尽きないが、一番問題となるのは家賃の滞納。

あの手この手で空室を埋めて満室稼働になったとしても、家賃を滞納されたらその住戸の収入はゼロ。空室は埋めさえすれば収益を生むが、滞納は収益を生まない、かといって新規募集もかけられないとタチが悪い。

ノウハウ

今回は、日本賃貸住宅管理協会(日管協)が11月14日に開催した「日管協フォーラム2017」のセミナーで、家賃滞納者に対する対処方法を聞いてきた。

方法としては、@支払い督促とA少額訴訟の2つがある。

まず、支払い督促の流れを説明する。

オーナーや管理会社が滞納者に対して再三支払いを督促しても応じない場合、債権者(オーナー)が簡易裁判所に支払督促の申立てをすると、簡易裁判所の書記官が滞納者に対する支払督促を出す。

滞納者が支払督促の送達を受けた日から2週間以内に異議申立てをしない場合、裁判所書記官は債権者の申立てにより仮執行宣言をする。

滞納者が仮執行宣言の送達を受けた日から2週間以内に異議を申し立てなかった場合には、支払督促は確定判決と同一の効力を有することになる。これにより、滞納者に対して給与差し押さえなどの強制執行ができるようになる。

なお、滞納者が異議申し立てをした場合は、通常の裁判に移行する。

賃貸物件の仲介・管理を行う、稲岡ハウジング(神奈川県茅ヶ崎市)の鈴木英二・常務執行役員によると、「支払督促を出す場合、家主の氏名で申し立てるほうが滞納者に効果がある。管理会社だと督促を流されて、そのうち払っておけばいいという感覚に陥るが、家主名だとマズイとなるケースが少なくない」とのこと。

次に少額訴訟であるが、これは簡易裁判所で扱う民事訴訟のうち、60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて、原則として1回の審理で紛争解決を図る手続き。

即時解決を目指すため、証拠書類や証人は、審理の日にその場ですぐに調べることができるものに限られている。

費用が安く(5,000〜10,000円程度)、手続きも簡単で弁護士に依頼する必要もない。判決は、当事者が判決を受け取った日の翌日から起算して2週間以内に異議を申し立てなければ確定する。

異議後の審理は、少額訴訟の判決をした裁判所と同一の簡易裁判所において、通常の手続により審理及び裁判をすることになるが、異議後の訴訟においても反訴を提起することはできない、異議後の訴訟の判決に対しては控訴をすることができないなどの制限がある。

先ほどの鈴木常務は、
「支払い督促と少額訴訟は、両方とも相手が応じない場合に通常の裁判になるので、証拠書類の確認と、支払い期限を記入した通知書を内容証明・配達証明郵便付きで送付しておくといい。ただし、支払督促と少額訴訟は建物の明け渡し請求ができない。長期の滞納がある場合は、『建物明渡等請求事件』として訴訟をするほうがベターだ」
という。

ただ、家主が勝訴して、建物の明渡し・強制執行となっても注意が必要。鈴木常務は、「強制執行手続きをせずに退去を促すためにドアに張り紙をしたところ、滞納者が損害賠償請求して簡易裁判所が家主・管理会社に70万円ほどの賠償を命じた」という。

強制執行の大まかな手順は

・債務名義(賃貸人の明渡請求権の存在を公証する文書=「確定判決」「和解調書」など)

・執行文(債務名義の執行力の範囲を公証するため、執行文付与機関が債務名義の正本の末尾に付記した公証文言のこと)

・送達証明書(債務名義が相手方に送達されたことを証明する裁判所の書面のこと)

の3つを揃え、賃貸物件の所在地を管轄する地方裁判所の執行官に対して、強制執行の申立てを行う。申立ての際には、執行官に対する予納金が必要になる。

執行官は、不動産の占有者に対して、強制執行の予定日(催告日の1ヶ月後)を告知し(明渡しの催告という)、その日までに任意の明渡しを促す。強制執行の予定日までに占有者が任意で退去しなければ、占有の解除(明渡しの断行)が行われる。

執行官は、占有を解除するために、建物に立ち入り、必要な場合には閉鎖された戸を開くための必要な処分(解錠等)をすることができる。そして、通常は説得により占有者に退去させる。

ちなみに、明渡しの催告の際に、執行官の判断で物件内の残置物の保管・廃棄の方法等が決められ、これに応じて、執行補助者が、強制執行にかかる費用の見積りを出す。したがって、この段階ではじめて、強制執行にかかる具体的な費用が算出されることになる。

断行日の荷物の運び出しなどに裁判所補助業者を利用すると費用が高額となるので、管理会社の社員や協力企業などで済ますほうが安価で済む。予納金の精算で余剰金が出た場合は払い戻しもある。

また、病気などの理由により入居者(債務者)から強制執行日の延期を求められた場合でも、基本的には「応じない」ことを原則としている。

このように家賃滞納者の排除には一定の労力と時間とお金がかかる。なるべくならそんな状況を迎えたくはないが、いざという時の心構えはしておいたほうが良さそうだ。

滞納に対する完璧な予防策はないが、入居者審査を徹底することは当然として、しっかりした家賃保証会社を入れることなどでリスクヘッジしていくしかないのであろう。

健美家編集部

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